高浜原発の再稼働許さない 9・13舞鶴集会へ地元労働者の訴え

週刊『前進』06頁(2696号04面04)(2015/09/07)


高浜原発の再稼働許さない
 9・13舞鶴集会へ地元労働者の訴え


 戦争法案阻止の闘いと一体のものとして、関西電力・高浜原発(福井県)の再稼働を許さない集会が9月13日、高浜原発から10㌔メートルの距離にある京都府舞鶴市で開催されます。集会実行委員会で準備にあたっている地元自治体労働者から訴えます。同日に闘われる「戦争法案の強行採決阻止」の国会闘争と連帯し、9・13舞鶴集会・デモに結集しよう!

福島原発事故くり返すな

 4年半前の福島第一原発が爆発したあの映像、避難道路の大渋滞の様子、病院に放置されたストレッチャーの光景、避難の過程で命を落とした人、餓死や安楽死させられていった動物たち。今も脳裏に焼き付いて離れません。そして、今もまったく収束のめどが立たない原発事故現場で、何千人もの労働者が日々被曝しながら働いています。一握りの者たちの利益のために、どうして労働者や「弱者」が犠牲になり虐げられなくてはならないのか。「震災や原発事故の記憶が薄まりつつある」というマスコミ報道もあります。しかし、私からはこの怒りはまったく消えません。何年たっても薄まることがありません。
 8月11日、鹿児島県にある九州電力・川内原発の再稼働が強行されました。まともな「避難計画」も訓練も何もできていないのに、政府・原子力規制委員会や自治体行政の無責任な言動に怒りを禁じえません。
 高浜原発では、4月に福井地裁が再稼働差し止めの仮処分決定を出しているにもかかわらず、関西電力と原子力規制委は使用前検査を開始しています。立地自治体の高浜町長は「再稼働が近づく」と喜びの声をあげています。
 県境をはさんで隣の舞鶴市は原発から30㌔圏にすっぽり入るにもかかわらず、立地自治体ではないとされて何の権限もありません。舞鶴市長は、「国は安全についてしっかり説明する必要がある」と、ひとごとのようなコメントを出すだけです。

労組の本当の団結つくる

 自治体職員はこの間、実効性などまったくない避難計画づくりをさせられ、また医療・福祉施設や学校も「避難計画をつくれ」と強制され、果ては安定ヨウ素剤の住民への配布の役割を担わされています。国の指針に基づく避難計画は、実際には住民に被曝を強制するものでしかなく、そのもとで業務従事を命じられる自治体労働者は、逃げることもできず、被曝労働を強制させられます。
 ヨウ素剤の配布時には、「原発が安全なら配る必要がない。ヨウ素剤を受け取ったからといって再稼働は容認できない」と住民から抗議を突きつけられるばかりです。住民を守ることも、自らを守ることもできない業務などありえない。団結して声を上げること、被曝労働を許さない団結を労働組合が軸になってつくることでしか、この矛盾から解放されないと思います。
 地元でも原発反対の集会や講演会が何度となく開催されています。しかしそこの行動提起は、自治体や関電への要請止まりが大半です。あるいは「選挙で原発反対議員や首長をつくろう」という運動です。
 私は去る4月の大飯原発・高浜原発の現地見学ツアーで関西の労働者の案内をしたり交流会で議論したりする中で、原発を本当に止めて廃炉にしていく責任を取りきれるのは労働者しかいないし、そのためには現場で団結をつくり出すことがどうしても必要だと思いました。その鍵を握るのが労働組合です。今の労働組合の中から本当の団結をつくり出す、そして原発労働者との団結をつくり出すこと、その闘いが絶対に必要です。だから、今度の9・13集会はそういう確信を深めることのできる内容にしたいし、その確信を地元の労働者につかんでもらうことが目標です。
 集会開催の根底に貫かれているのが、国鉄闘争の勝利の地平と動労水戸の被曝労働拒否の闘いです。それを引き継ぎ、舞鶴の地でも動労西日本を拡大していきたいと思っています。

軍都・舞鶴で闘いの火花を

 舞鶴港は戦前、海軍の鎮守府(ちんじゅふ)が置かれた侵略の拠点港でした。海軍工廠(しょう)や火薬廠を持ち、艦艇や武器弾薬の製造拠点でもありました。長崎に投下した原爆と同型同重量の模擬爆弾を米軍が試験的に落とし、多数の犠牲者が出ました。
 戦後は中国大陸やシベリアからの引き揚げ港として最後まで残った港です。強制労働を強いられた朝鮮人の帰還船が爆発・沈没し、多くの人が死亡する悲劇もありました。
 その舞鶴の街の真ん中に、今なお海上自衛隊の基地が存在しています。海自教育隊には若い自衛官が全国から入校してきています。人口10万人にも満たない市に、隊員とその家族1万人が住んでいるのではないかと思います。イージス艦2隻の母港であり、オスプレイが搭載可能な空母型護衛艦「ひゅうが」も配備されました。ここは安倍政権の戦争政治の最前線です。
 国会情勢が激動している渦中で、8・30国会闘争12万人決起と一体となって、戦争法案阻止、安倍打倒、原発再稼働阻止の闘いの火花を上げる9・13舞鶴闘争としたいと思います。
(自治体労働者・樋口直)

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高浜原発の再稼働許すな!
労働者の力で原発を廃炉に!
9・13集会in舞鶴
 9月13日(日)午後1時開場 1時30分開始 集会後デモ
 舞鶴市総合文化会館(東コミセン)小ホール(舞鶴市字浜2021)
 福島からの報告、労働組合からのアピールなど
 呼びかけ/9・13集会実行委員会

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