児童館廃止は戦争への道 非正規職先頭に闘う労組を

週刊『前進』06頁(2699号03面03)(2015/09/28)


児童館廃止は戦争への道
 非正規職先頭に闘う労組を

(写真 区役所前で10・3杉並集会参加を熱烈にアピール【9月24日】)

 児童館をはじめ自治体で働く労働者のみなさん。児童館全廃をなんとしても阻止したいと思っている住民のみなさん。闘う労働組合をつくり出し、団結の力で児童館を守りましょう。児童館全廃は安倍政権の進める戦争体制づくりと一体です。ストライキで安倍を倒しましょう。10・3杉並―各地区国鉄集会から11・1全国労働者集会へ、職場の仲間を誘い、声をあげましょう。

町会が丸ごと立ち上がった

 杉並の児童館廃止阻止へ、地元の町会が丸ごと立ち上がっている。区当局が「特別養護老人ホーム(特養)が必要」などと問題をすり替えて住民を分断し、荻窪北児童館のある「あんさんぶる荻窪」を廃止して土地を税務署と交換しようとしている。これに対する怒りの決起だ。商店街には「子どもの居場所を守ろう! なぜ? あんさんぶる荻窪が税務署に⁉」という横断幕やポスターが掲示されて署名運動が始まった。科学館の今年度廃止計画に対しても住民や元職員による反対署名が行われている。
 田中良区長や結柴誠一、新城節子「無所属区民派」の言う「経営形態が変わるだけで児童館の機能は維持される」などというのは大うそだ。児童館全廃で子どもと地域が切り捨てられようとしている。児童館を突破口に、杉並丸ごと民営化で保育園、学校、清掃事業、区立施設、図書館、区役所窓口から住宅にいたるまで切り捨てていくことが狙われている。
 それは安倍の戦争政治と一体だ。8月、練馬区内の障害者作業所「オープンスペース街」は、職員2人の不当逮捕をはね返して奪還をかちとった。この弾圧は公安警察が区の頭越しに「詐欺容疑」をデッチあげ、自治体労働者を障害者福祉切り捨ての先兵にしようとする攻撃だった。障害者作業所は障害者が労働を取り戻し生きていくために絶対に必要なものであり、自治体が責任をもって運営すべきものだ。それを民営化し切り捨てようとしているのだ。

地域切り捨て主張する葛西

 こうした福祉と地域の切り捨てを全社会的にやれと宣伝し、新自由主義攻撃の先頭に立っているのがJR資本だ。
 安倍のブレーンである葛西敬之が名誉会長のJR東海は、『Wedge(ウェッジ)』5月号で「地方創生は『撤退戦』から/福島、三陸から考える『選択と集中』」という特集記事を出した。全国自治体の半分、896が消滅の危機にあり、「すべては救えない」から「選択と集中が必要」と扇動しているのだ。
 「行政コストなどに鑑(かんが)み、行政サービスの提供できるエリアが以前より制限される時代」であり、「人口減少の痛みを和らげるための街の『ターミナルケア』(終末医療)的な施策」が必要だとした。「公共施設を一定の場所に集約させることや、除雪区域や道路補修区域を限定する」「遠隔地への福祉サービスの提供が困難であるという問題に対しては地域コミュニティの見守りや近所間の共助によって一定程度代替」し「QOL(生活の質)パフォーマンスの低い地区、『近郊緑地増進地区(人口暫時撤退地区)』から順次、『自然保全地区(人口即時撤退地区)』からは即時……誘導していく」として、住民を羊のように追い立てることを主張しているのだ。
 「復興遅れる福島は選択と集中のチャンス」とまで言い出した。「原発は安全」と言って原発建設を進め、事故が起きれば「自治体ごとつぶせ」とする。そして「住民感情に反することであっても踏み込んで道を提示するのが政治のリーダーシップだ。……賠償金の打ち切りと広域連携への誘導を示すことだ」「今の自治体を超える、広域かつ強力な権限を有する組織を設けて、そこで地域経営における選択と集中を進め、大都市の国際的な競争力を高めていく」とまで言い放った。
 1%の資本家が戦争と民営化・非正規職化で99%を切り捨てて生き延びるという宣言だ。これに対して地域の労働者住民が立ち上がり始めた。新自由主義の破綻だ。動労千葉はローカル線特急廃止にストで闘い、怒りの先頭に立っている。児童館労働者も闘いに立ち、社会を変えよう。

安全守るため非正規撤廃を

 善福寺児童館では学童クラブの定員が増やされた。そんなに必要なら、児童館「全廃」ではなく児童館を増やせ! そして、子どもたちの命を預かる労働者が非正規職であることは絶対におかしい。安全を守るためには非正規職という働き方をなくせ! 貧困が深刻化し「子どもの6人に1人が欠食」という社会崩壊の現実を許さず、児童館の非正規職が先頭で闘おう。闘う労働組合をつくって児童館廃止を阻止し労働者が主人公の社会をかちとろう!
(東京西部ユニオン・織田陽介)
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