闘いは進む 青年の職場から 介護 現場の切実な声をもとに闘う路線を確立する 関東 安藤伸明

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週刊『前進』06頁(2703号04面04)(2015/10/26)


闘いは進む 青年の職場から
 介護 現場の切実な声をもとに闘う路線を確立する
 関東 安藤伸明


 私は特別養護老人ホームで働いています。ヘルパー2級の資格を取ってすぐに就職し、もうすぐ3年になります。
 私が就職したころは施設もまだ新しく、求人募集をかければそれなりに人が来ていましたが、数年も経つとなかなか集まらなくなりました。給料の低さもあり、辞めていく人が後を絶たない中で、派遣労働者が雇われてなんとか現場を回していました。
■ついに組合を結成!
 介護主任(当時)までもが「職員を大事にしないと、利用者に対してよい介護はできない」と、待遇に対する不満を公然と言うようになり、みんなが自分の思っていることを言える雰囲気がつくられていきました。
 その結果、介護報酬が切り下げられたこの4月に、処遇改善加算の枠外で昇給をかちとりました(ちなみにうちの施設では、要件が満たされず処遇改善加算の増額はされなかった。施設はその事実さえ職員に周知しない)。
 そして5月には、清掃のパート労働者の労働条件の不利益変更をきっかけに職場の怒りが噴出し団結がつくられ、ついに組合を立ち上げることができました。他職種の労働者との分断を越え、みんなが少しずつ声を上げていったことが力になったのです。
■人がいない! 体調を崩しても休めない
 組合に力や意見を寄せてくれた人たちも一件落着すると組合と付かず離れずの状態に戻り、組合員に組織することができないうちに一人また一人と辞め、じわじわと労働強化が進んでいます。
 ついにはちゃんとしたシフトを組むことができなくなり、残業込みのシフトが組み込まれるようになりました。申し送りが終わってから、1〜1時間半の残業が待っています。夜勤(午後4時〜翌朝9時)明けの次の日にまた夜勤というシフトを月に2度も組まれます。17時間拘束の夜勤を月に7〜8回もやり、希望休も思いどおり取得できません。有休を希望しても現場を回すために公休に変えられてしまいます。
 体調を崩しても簡単に休めないので、職員も利用者も含めて風邪が蔓延(まんえん)しています。現場の雰囲気はだんだん悪くなっています。
■死亡事故も発生
 「Sアミーユ川崎幸町」の事件が連日報道されていましたが、その渦中にうちの施設でも死亡事故が起きました。つい先日には介護職員による「虐待」行為が発覚しました。命にかかわる重大事故と本当に隣り合わせです。かつて声を上げてくれた主任も職場を去り、組合結成の過程で強力に味方になってくれた同僚も配置転換になると言われています。
 職場には矛盾が山積しています。この機を逃さず、現場労働者の切実な声をもとに介護職場での闘う路線を確立していきたいと思います。

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