石川さんと連帯し再審を 各地で10・31狭山集会

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週刊『前進』06頁(2704号06面01)(2015/11/02)


石川さんと連帯し再審を
 各地で10・31狭山集会

 狭山事件の犯人にデッチあげられた無実の部落民・石川一雄さんに対する東京高裁の10・31無期懲役判決から41年。再審・無罪をかちとろうと各地で狭山集会が開催された。(編集局)

東京
 狭山解体と対決
 高裁追及の地平を確認

(写真 狭山闘争解体策動を打ち破る闘いの前進を確認し11・1集会の成功を誓った【10月24日 江東区】)

 東京狭山集会は10月24日、部落解放東日本共闘会議が主催し、江東区亀戸文化センターに90人が結集してかちとられた。各地域で国鉄集会を成功させた労働者、安保国会闘争の先頭で闘いデッチあげ弾圧を打ち破って奪還された学生も参加し、高揚感あふれる中で狭山第3次再審闘争の勝利、11・1労働者集会1万人結集へ全力を尽くすことを誓った。
 主催者あいさつを岩本正治事務局長、連帯のあいさつを「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」の戸村裕実共同代表が行った。
 10・31集会に向けた石川さんのアピールが読み上げられた。その中で石川さんは、逮捕当日に書かされた「上申書」(10年5月開示)を「検察庁が47年間も隠さねばならなかった訳は、脅迫状の字と異筆だったから」と弾劾。「私の指紋が、脅迫状をはじめどの証拠物にも付いていない」事実をあらためて突きだし、「徹底的に究明すること」が重要だと強調した。支援者に一層の奮起を促す石川さんの訴えに応え、ともに闘う決意を参加者全員が固めた。
 基調報告を大西文夫事務局次長が力を込めて行った。大西さんはまず、「全学連への弾圧は、こちらが革命をやると攻勢的に出たことへの反動だ。革命を対置して4人を取り戻した」と総括した。そして、「米日帝国主義による朝鮮侵略戦争が切迫している中で、連合『人権フォーラム』による狭山闘争解体攻撃は労働運動の全面的解体に直結する。動労総連合・東京の建設を軸に階級的労働運動を推進し、狭山闘争の階級的復権をかちとろう」と訴えた。さらに「戦争絶対反対、非正規職撤廃を掲げたストライキで人間的・階級的共同性を奪還しよう。国際連帯を発展させ、安倍政権の朝鮮侵略戦争を阻止しよう」と呼びかけた。
 続いて、高槻植木団地の自主管理闘争へのカンパが訴えられた。
 闘いの報告と決意を動労千葉の佐藤正和執行委員、動労水戸の池田学執行委員、三多摩労組交流センターの徳永健生代表、全学連の安澤和芳さん、全国水平同盟杉並支部の田中れい子支部長が行った。
 田中さんは、解放共闘が9月17日、安保国会闘争の渦中で行った東京高裁要請行動について報告した。7月に弁護団が提出した、万年筆にかんする警察官の証拠偽造を暴いた新証拠をもとに厳しく追及し、書記官らが顔色を失うほど徹底的に追い詰めたと、勝利感を込めて語った。
 最後に、集会のまとめと行動提起を杉並支部の狩野正幸書記長が行い、11・1集会へ残り1週間の闘いに突入した。

大阪
 階級全体の闘い
 狭山闘争路線で再武装

(写真 全関西集会【10月24日 大阪市】)

 全関西狭山集会は10月24日、会場をこれまでの八尾市西郡から大阪市内の弁天町生涯学習センターに変え、11月に向かう労働者集会として開催した。140人が結集し、狭山闘争の路線的再武装をかちとった。
 深町加代子関西労組交流センター代表が主催者あいさつ、平沼和典全国水平同盟事務局長が基調報告を行った。
 平沼さんは最初に、「狭山闘争は部落解放闘争だけではなく、労働者階級全体の階級攻防をかけた闘い。階級的労働運動そのものの要」と提起した。そして「石川一雄さんの50年を超える非妥協・不屈の闘いは新自由主義の団結解体、階級分断攻撃を粉砕してきた最先頭の闘い。狭山闘争は国鉄決戦に勝利し、戦争、外注化、非正規化と闘い国際連帯とゼネストで革命を実現する闘いだ」と訴えた。
 平沼さんはさらに、「だからこそ安倍政権は安保・戦争法強行と一体で狭山闘争の変質・解体攻撃を激化させている。部落解放同盟とUAゼンセンを先兵に『人権フォーラム』へ狭山闘争を引きずり込み、日教組・自治労、連合を分裂・解体し、国鉄闘争を解体し労働組合を丸ごと侵略戦争に動員する『産業報国会』化し、狭山闘争と狭山勢力を戦争勢力に変質させようとしている」と暴いた。
 そして、「国鉄分割・民営化が労働運動と部落解放運動の絶滅攻撃としてかけられた」「地対協攻撃を粉砕する道は国鉄闘争の勝利にある。動労総連合を全国につくる闘いと全国水平同盟建設は一体だ。狭山闘争を始めとした部落解放闘争が非正規職撤廃を掲げ労働組合を建設し、階級的団結の最先頭で闘う荒々しい激動の時代が来た。狭山闘争の勝利をかけ11月労働者集会に総結集しよう」と結んだ。参加者に圧倒的な感動と決意がわき起こり、拍手がまきおこった。
 続いて、第3次再審勝利へ不退転の決意を込めた石川さんのアピールが読み上げられた。討論では、全国水平同盟高槻支部・植木団地労組の青年労働者、京都の崇仁支部準備会と東三条の仲間、西郡支部が国賠闘争を闘う決意を述べた。
 さらに動労西日本、八尾北医療センター労組、奈良の自治体労働者、大阪・星野文昭さんを取り戻す会、大阪市職の労働者、婦人民主クラブ全国協、高槻医療福祉労組、関西合同労組の8人の労働者が熱気あふれる意見と決意を語った。
 最後に、久原正子全国水平同盟委員長が「基調報告で革命に向かう路線の中に狭山闘争をがっちりと位置付けた歴史的な狭山集会になった。労働者階級の新自由主義と闘う環としての狭山闘争を闘おう」とまとめた。
(全国水平同盟西郡支部・植村清)

広島
 団結が固まった
 弾圧・スパイ化砕き高揚

(写真 広島集会【10月25日 広島市】)

 10月25日、広島市西区福島町の西地域交流センターで、「10・31狭山集会」が開催された。部落解放広島共闘会議に結集する動労西日本、広島連帯ユニオン、広島大学学生自治会、婦人民主クラブ全国協広島支部、広島星野文昭さんを救う会などから30人が集まった。
 朝鮮侵略戦争が切迫する情勢下の階級分断攻撃・スパイ化・弾圧を粉砕し、全学連4同志を奪還した高揚感の中で、11・1労働者集会への総決起をかちとる集会として、地区の団結を圧倒的に固めるものとして闘いとられた。
 冒頭、第3次再審勝利へ不退転の決意を述べた石川一雄さんのアピールが読み上げられた。
 ついで4同志奪還の地平を全体で確認するため、テレビ東京の報道番組特集がプロジェクターを使って上映され、圧倒的に盛り上がったところで、基調提起が解放共闘事務局から行われた。
 提起では、現在の狭山闘争解体攻撃が、朝鮮侵略戦争切迫情勢下での階級分断攻撃であり、UAゼンセンを先兵とした連合の分裂・解体による階級的労働運動の絶滅・産業報国会化攻撃の決定的一環としてあることが明らかにされた。
 そして、スパイ化攻撃や弾圧をめぐる攻防の勝利と一体で、敵の攻撃を逆に階級的団結の強化と人間的共同性の奪還へと転じて闘うこと、動労総連合と合同労組建設と一体でゼネスト―革命の拠点として建設されている全国水平同盟とともに、11・1大結集を実現することが勝利の道だと訴えられた。
 闘いの決意の冒頭に、広大学生自治会が4同志奪還と10月自治会選挙の勝利の意義を提起し、京大反戦ストへの決意を表明した。動労西日本の大江照己委員長と岡崎昭夫組合員が、職場廃止と全面外注化、ローカル線廃線、組織破壊攻撃などの第2の分割・民営化攻撃に絶対反対で闘う決意を述べ、11・1集会への大結集を訴えた。
 学生弾圧粉砕の闘いと一体で広島県警公安のスパイ化攻撃を粉砕した広島連帯ユニオン青年部が意気軒高と登場すると拍手がわき起こり、全員が階級的団結の力を確信した。さらに星野さんを救う会、婦民広島支部の大江厚子さんらが発言し、広島連帯ユニオンの壹貫田(いっかんだ)康博書記長が11・1集会大結集へ団結がんばろうを行った。
(広島・H)

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万年筆 殺害された被害者の物とされる万年筆。石川さん宅から発見され起訴の決め手となった。家の略図は石川さんが鉛筆で書いたが、図中の万年筆の置き場所は後からペンで加筆されたことが赤外線写真撮影で判明。2度の大がかりな捜索でも発見されず、後に当時の捜査員が「なかった」と証言。インクの色も被害者の物とは違う。

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