地域破壊・騒音地獄・軍事空港 成田第3滑走路計画粉砕を

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週刊『前進』06頁(2707号05面03)(2015/11/23)


地域破壊・騒音地獄・軍事空港
 成田第3滑走路計画粉砕を


 「成田空港第3滑走路」――人民の生活を大規模に破壊し、軍事空港造りを進めるこの巨大計画を、怒りを込めて粉砕しなければならない。
 三里塚闘争50年の闘いは、国家権力の暴力と対決し、成田空港の完成を実力で阻んできた。成田は永久に完成しない欠陥空港としての姿をさらし、アジアのハブ空港(拠点空港)としての位置を完全に失い、羽田との競合にも敗勢に追い込まれている。この現状にあせり、「成田に第3の滑走路を造ろう」という声が「地元有志」から発せられ、成田市、芝山町など地元自治体が動き、国土交通省も検討に入った、というのが現段階だ。
 だが、この「計画」がいかに無謀でデタラメで反人民的なものであるかは一目瞭然だ!
 11月1日にNHKニュースでも報じられたとおり、現在三つの案が示されている(図参照)。①②は、現在のB,滑走路に平行して東側に2700㍍の滑走路を造るというもので、①②とも成田市内だが、B,との間隔が異なっている。
 ③はB,から2㌔も南に下った芝山町に3500㍍の滑走路を造るというもの。
 加えて第3滑走路と一体で、B,滑走路をさらに北に延伸し3500㍍にするという(④)。
 いずれにしても、この「予定地」には、田畑や山林が広がり、現に人びとが農業を営んで生活している。ここに巨大滑走路を造るということは、この地区の農業と地形をことごとくつぶし、千人規模で住民を強制的に立ち退かせ、殺人的騒音地域を周囲に一層拡大するということだ。
 元反対同盟の石毛博道ら推進派は「成田第3滑走路実現を目指す有志の会」の事務局を名乗り、新たなパンフレットを作った。そこには、「住民が理解を深め、地域の側から建設の気運を醸成しよう」「比べてみれば、芝山町に造る案が有力なのは歴然」「経済波及効果は計り知れない」「半世紀前の過ちを繰り返さない」「成田問題という負の教訓を第3滑走路建設に生かす」などと書かれている。一つひとつが怒りなしには読めない、裏切り者の恥知らずな言葉だ。成田市側と争って利権を得たいという欲にまみれたアピールだ。
 だが、推進派は住民の怒りを極度に恐れてこそこそとうごめいているに過ぎない。反対同盟が「第3滑走路建設は地域破壊、農業破壊、騒音地獄だ。利権あさりを許さない」と先んじて暴露し、情報を届け、攻防の主導権を握っているからだ。そして天神峰の市東孝雄さんが農地収奪の国策と対決し、誇り高く農業を続け、進むべき道を示しているからだ。この巨大滑走路が「朝鮮有事」=朝鮮侵略戦争の軍用滑走路となることは火を見るよりも明らかだ。「軍事空港阻止」を掲げて闘い続けてきた反対同盟と連帯し、労農連帯の力で第3滑走路計画を粉砕しよう。市東さんの農地を守りぬこう!
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