星野新聞、全証拠開示、2・19徳島へ 2016年 星野解放の大方針

週刊『前進』06頁(2709号04面01)(2015/12/07)


星野新聞、全証拠開示、2・19徳島へ
 2016年 星野解放の大方針

(写真 全員で星野解放歌〝ソリダリティー〟を合唱【11月29日星陵会館】)

基調報告
労働者の団結と国際連帯で
 星野全国再審連絡会議事務局 金山克巳さん

 2015年の星野闘争は、9・6徳島刑務所デモを頂点に決定的な大前進をかちとりました。絵画展は全国57カ所で開催され、1万人をこえる人たちが星野文昭さんの絵と闘いに触れました。2016年のさらなる飛躍を実現し、今こそ星野文昭さんを取り戻そう。
 今、世界戦争の危機が激化しています。情勢は完全に変わりました。
 戦争と新自由主義を打ち破る闘いが、全世界で闘われています。戦争を真に阻止する力は労働者のゼネストと国際連帯にあります。
 星野文昭さんを取り戻す闘いは、戦争と新自由主義を打ち破る全世界の闘いと一つです。星野さんは「私は絶対に譲れないものを守り抜いてきた。それは国鉄闘争と一つだ」と語り、無期懲役の獄中から「すべての人間が人間らしく生きられる社会」の実現を呼びかけています。労働者階級の団結と国際連帯をつくり出す星野さんを、もはやこれ以上、徳島刑務所に置くわけにはいきません。2016年、闘いの飛躍をかけて総決起し、星野さん解放と人間解放を一体で実現しよう。
 2016年の飛躍の第一は、『星野新聞』の発行です。1月から『星野新聞』を発行します。新聞発行は、巨大な情勢に対応するものであり、100万人と結びつく力をつくり出すものです。
 第二は、徳島刑務所に対する闘いです。2月19日、94人の星野さんとの面会者が中心となって徳島刑務所に対する申し入れ闘争を行います。2010年以降の友人面会禁止を許すことはできません。徳島刑務所を徹底的に弾劾し、星野さんの健康と権利を守ろう。
 第三は、再審闘争の前進です。この闘いは星野さん解放に直結します。東京高検を追い詰め、11人の民間目撃者の供述調書を始めとするすべての証拠を開示させよう。東京高裁に迫り、三者協議を実現しよう。
 第四は、絵画展をさらに全国で開き、47都道府県に星野救援会を結成することです。その最先端として東京23区・三多摩で絵画展を開催しよう。
 第五は、7月参議院選挙です。弁護団長である鈴木達夫弁護士が星野文昭さんの解放も掲げて東京から立候補します。国会議員を持つ運動として、星野さん解放へ驀進(ばくしん)しよう。
 これらの決意を込めて本日、戦闘的都心デモに打って出よう。

再審弁護団から
無実の新証拠今すぐ再審を
 岩井信主任弁護人

 今年の裁判の動きについて報告します。
 3月13日に弁護団は意見書を提出しました。再審請求の過程で開示された証拠の中に、星野さんが東急本店前で一郎丸という警察官によって撮影された写真があった。星野さんが手に持っている鉄パイプには白い紙のようなものが巻かれていて、そこには何らの殴打の痕跡がなかった。私たちはそれを新証拠として提出しました。
 それに対し原決定は、「損傷らしき痕跡」があると、再審請求を棄却したわけです。それに対する反論を、3月13日、新たな証拠を提出して主張しました。
 千葉大学名誉教授の三宅洋一先生という日本の写真学会の最長老であり、鑑識科学技術学会理事長もしている方です。なおかつ警視庁刑事課顧問をされている。あえて言えば相手方の懐刀のような先生に新証拠を出していただくことができたわけです。
 三宅先生は専門家ですから、この事件がどうだからということではなく、写真そのものから言える範囲でしか言えないとして、写真に写っているのは規則性のある環状の輪、規則性のある一本の線であると明確におっしゃった。原決定の根拠の重要なポイントである「損傷の痕跡」という点が崩れた。再審を開始しなければなりません。
 一郎丸写真が「殴打現場以後」のものであることは警察官の資料によって明らかです。「現場以後」に痕跡がないということは、「殴打現場」時点でも何もなかったと論理的にはなるわけです。
 8月7日に検察官が反論を出してきたのに対して、弁護団は「損傷らしき痕跡」ではないということを三宅先生は言ったのだから、今の時点でも再審開始決定はできるし、百歩ゆずっても証拠開示の必要性が格段に高まった状態になったという意見書を9月30日に出しました。
 今、第2次再審請求の異議審における最大の攻防になっており、弁護団が三者協議を求めています。ぜひ皆さんのご支援をいただきたい。

(写真 左から酒井健雄、藤田城治、西村正治、和久田修【発言】)、岩井信、鈴木達夫の各弁護士)

1千万の怒りと結ぶ参院選
 鈴木達夫弁護団長

 徳島刑務所包囲デモがいかに敵を揺さぶっているか、震撼(しんかん)させているか。それが、2類から3類への降格です。弁護団も直ちに弾劾声明を出しました。
 法務省、あるいは刑務所という体制の最も根幹にある機関が、あんなデタラメな理由で星野さんに嫌がらせを直ちにやってくる。それほど支配階級は危機なんだと肌の感覚で共有したい。力の限り闘って星野さんを奪還しましょう。
 今、弁護団は三つの課題に取り組んでいます。
 一つ目、星野さんの持っている鉄パイプに殴打した損傷らしき痕跡があるのか、そこを打ち破る闘いです。
 二つ目、11人の民間人の目撃証言、これを開示させる。
 逮捕・捜査・起訴の段階で決定的な指導権を発揮した検事が中津川です。この間、横浜弁護士会で懲戒を食らった弁護士がいました。元最高検の検事で、強制わいせつで逮捕勾留されている被疑者の妻を最高検の幹部に会わせた、こういうふざけたことをやったのが中津川だった。
 証拠開示の焦点は東京高検です。あのゴビンダさんの闘いでも明らかになったように一切の無実の証拠は検察庁の倉庫に眠っている。11人の民間目撃証言を何で出さないのか。絶対にその中に真実がある。それを引っ張り出しましょう。
 三つ目、星野さんから提起された「光」の問題です。11月14日当日、小雨の中、映像の世界の最先端にいるプロによる撮影、現地検証を敢行しました。新しい証拠を整理して突きつける段階に入っています。
 この三つの武器を手に弁護団もさらに強力な闘いを挑んでいきたい。
 最後に、7月の参院選です。絶対に安倍を倒すために、星野さんが言うように人間が人間らしく生きられる社会をつくる大きな一歩として、1000万人の怒りと結合するため、私は参院選挙を闘う予定です。この闘いは星野さんを奪還する大きな力になり得ると確信しています。

(写真 弟の修三さんとゆかりさん、いとこの誉夫さんが登壇し星野解放を訴えた。発言は暁子さん)

家族から
文昭も私も負けません
 つれあい 星野暁子さん

 文昭は、星野が人間解放の闘いの一翼を担えることを喜び、愛、絆(きずな)、団結の力で、労働者民衆の力を信頼して新しい社会をつくる力を日々つくり出していると言っています。その自信を深めています。
 全国57カ所での絵画展の開催は大きな感動の渦をつくり出しています。獄中という劣悪な環境に身を置きながら希望を描く姿に、人間はこんな風に生きることができるのかと、感動を寄せてくれるのだと思います。いわきでの絵画展でも、病気の子どもを抱え自殺まで考えたというお母さんが、文昭の絵に励まされ、何人も誘ってきてくれたと聞きました。
 720人で分断を打ち破った9・6徳島刑務所包囲デモは圧巻でした。徳島刑務所は降格処分という報復的弾圧をかけてきましたが、こんな理不尽なやり方には文昭も私も負けません。
 戦争と労働者殺しの安倍政権への怒りは地に満ちています。階級的労働運動、国際連帯の力で勝利していきましょう。
 私の自己解放は、星野解放と全労働者解放の中にあります。来年4月27日に文昭が70歳を迎えます。再審の闘いを推し進め、解放の扉を皆さんと一緒に開いていきたいと思います。

星野文昭さんから(抜粋)
戦争・新自由主義攻撃との闘いと一体で勝利を

 この間、安倍の安保戦争法に反対し、国会前はじめ全国で1000万人が立ち上がりました。一つに団結し、闘う力を体験した闘う主体として1000万人が登場したことは決定的です。この1000万人とともに、1%のために99%を犠牲にする戦争・新自由主義攻撃を階級的な労働運動・国際連帯を牽引(けんいん)車として労働者人民自身の力、団結した力で打ち砕き、資本・権力を倒し、〝戦争・搾取・あらゆる理不尽のない社会を実現していこう!〟という闘いとして、全世界の闘いと一つになり、歴史的な前進を私たちは始めています。
 この中で戦争に反対し闘い、その闘いを圧殺する星野無期に勝利し解放をかちとる闘いが、この闘いと一つに発展し、勝利をかちとる展望を私たちは手にしています。

星野のように闘おう!

 この間の全国50カ所をこえる絵画展と集会・街宣・オルグを通して星野闘争を闘い、広く人びととつながり、苛酷(かこく)な無期弾圧をどこまでも労働者人民の力を信じ団結した力で覆し、闘い全体に勝利していく中で人間本来の力を手にしている私たちの闘いが、感動と希望をもって受け止められ、闘いを一体に勝利に向け発展させています。
 星野闘争に勝利しよう。すべての闘いと一体に闘い勝利しよう。
 この間の全国50カ所をこえる絵画展と集会・街宣・オルグの中で星野(私と暁子)の存在と闘いに、誰もが驚き、感動し、希望と勇気を得ているという実感を持っていることと思います。
 星野無期を許さないことが戦争を許さないことです。戦争と新自由主義によって殺されることを許さないことです。
 そして、星野のように闘うことによって、戦争と新自由主義との闘いに勝利できることを深く確信できるし、その力を手にすることもできるのだと思います。
 この闘いは、国鉄闘争がそうであるように、すべてを奪おうとする攻撃に、すべてを奪い返す闘いとして、一歩も引かない絶対反対を貫き、自らと家族・仲間と労働者人民の誇りと力をとことん信頼して団結(愛・絆)を拡大・発展させる闘いです。星野無期―戦争・新自由主義を打ち砕いて世の中を変えていく、そのようにして日々勝利を手にしている闘いです。
 労働者人民の団結した力・ストライキ、ゼネスト、総決起によって安倍はじめ支配階級を倒し、私たち労働者人民の手で戦争、搾取、貧困・理不尽のない、誰もが人間らしく生きられる社会を実現する闘いを、困難をのりこえることを糧に絶対にやり遂げましょう。

再審開始・即時釈放を

 それと一体に、戦争に反対し無期・41年投獄を強いられている星野を1日も早く解放しよう。全力で全証拠開示100万人署名を推進し再審・即時釈放をかちとろう。ともに全力で闘い勝利する力を手にしていこう。一人ひとりが星野となり、暁子となり、団結し闘い勝利しよう。(71年11・14沖縄返還協定批准阻止・渋谷暴動闘争戦士。デッチあげ殺人罪で87年に「無期懲役」判決確定。96年に第1次、09年に第2次再審請求。12年3月棄却決定に対し異議申し立て中。徳島刑務所在監、獄中41年。69歳)

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星野さんに年賀状を

あて先 〒779―3133
徳島市入田町大久200―1
星野文昭

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