12・16民主労総ゼネストへ

週刊『前進』08頁(2710号03面01)(2015/12/14)


12・16民主労総ゼネストへ

(写真 「覆面デモ禁止。覆面した参加者は逮捕」というパククネの攻撃をはねのけ、5万人が思い思いの仮面を着けて12・5第2次民衆総決起を闘った【ソウル市庁前広場】)

 韓国・ソウルで12月5日、5万人の第2次民衆総決起がかちとられた。ソウル市庁前広場で採択された第2次民衆総決起宣言と、指名手配中のハンサンギュン民主労総委員長のビデオメッセージを紹介します。(小見出しは編集局)

ペクナムギ農民快癒祈願‼ 殺人鎮圧公安弾圧糾弾‼ 労働改悪阻止‼ パククネは退け‼ 第2次民衆総決起宣言文

 今日私たちは、パククネ政権の総力弾圧と集会阻止の試みを突き抜け、ついに再び集まって第2次民衆総決起を成功させた!
 集会禁止、車壁設置、殺人放水銃、召喚と手配、マスコミを動員した「不法―暴力」「従北」キャンペーン、さまざまな低劣な暴言と「平和」をうんぬんしながら集会を手なずけようとする試みなど、この3週間、怒った民心を抑圧し、欺瞞(ぎまん)し、懐柔するための政権と支配勢力の赤裸々になった暴力の中でも、怒った民衆は11月14日と今日の大規模結集を成し遂げてみせた。

非正規職なくせ

 民衆が決起し、世の中が揺れ動くや、おじけづいたやつらは、さまざまな無理な方法を使いながら、民衆の要求を拒否して、弾圧するためにより一層暴れている。
 パククネ政権と財閥は、13万総決起として表れた怒りの民心が、安易な解雇と一生非正規職、賃金削減を内容とする労働改悪に反対するという事実を確認したにもかかわらず、頑として労働改悪を押し通そうとしている。パククネ大統領は、数十回にわたり、国民を崖っぷちに追いやる労働改悪を押し通せと強要し、セヌリ党は「民主労総がいなかったとすれば、(1人あたりの国民所得が)すでに3万㌦を超えて、先進国に仲間入りした」といううそで、憲法が保障する労働者の代表組織を攻撃し、抹殺しようとしている。
 労働改悪に反対すると言っていた野党・新政治民主連合は、来年の総選挙を控えて、地方区の予算を取るのに没頭したあげく、労働改悪関連法を臨時国会で合意処理すると発表した。民主労総と会って労働改悪を阻止すると約束してまだ数時間もたたないうちに、全国民を非正規職に追いやる労働改悪関連法の通過を〈合意処理〉するという空言を受け入れたのだ。
 これが野合でなくて、何を野合というのか! 野合はこれに終わらない。医療、教育、公共サービスの営利化と民営化の道を開くサービス産業発展基本法も今定期国会で野合処理しようとし、パククネ政府になって民主主義を破壊する先頭に立った国家情報院の権限を拡大するテロ防止法も合意してしまった。
 農民の生存権を要求して民衆総決起に出たペクナムギ農民が、殺人放水銃によって重体に陥ったにもかかわらず、大統領は謝罪の一言もなく、警察庁長官はいまだに居座ったままであり、関係者らは何の処罰もなしに、今日再びデモに参加した国民を照準にしている。とんでもない世の中にしておいて、言葉を発することができないように口をふさぐということだ。
 コメの値段を引き上げてやると言っていた大統領は、犬の餌代にもならないような暴落した米価に対し、生存のための主食用コメ輸入禁止の要求に知らん顔を貫き通し、追加コメ開放につながるTPP(環太平洋経済連携協定)加入に拍車をかけている。農民が死んでいこうがいくまいが、この政権と野党は何の検証もなしに韓中FTA(自由貿易協定)批准案を野合処理し、取るに足りない支援基金のはした金を成果とし、国民を欺瞞している。
 露店弾圧中断と循環式開発を要求する貧民の叫びも無視された。この3週間、木浦(モッポ)、星州(ソンジュ)、京仁(キョンイン)アラベッキルなどで露店弾圧が強化され、投機建設資本の私腹を肥やすための強制撤去が継続して強行されている。今この瞬間にも、ソウル麻浦(マッポ)区巡和洞では、法でも禁止されている冬季撤去が進行中だ。
 それだけではない。一部地方自治体で推進された「青年手当」は、この「ヘル(地獄)朝鮮」政府と与党によって「犯罪」と規定され、遮られており、国立公園ケーブルカー計画も、新規原子力発電所建設中断と老朽原子力発電所廃棄の要求も、この政権によって徹底的に無視されている。
 親日独裁を美化するための歴史教科書国定化も依然として強行されており、政府自ら告示強行前の世論に押されて執筆基準と執筆委員を一つひとつ公開すると言ったが、手のひらを返すように言葉を換えて、執筆委員さえ公開していない。
 日本の再武装と韓半島再侵略の試みを容認し続けており、1人も救助できなかったセウォル号惨事の真相究明のためのセウォル号特別調査委の活動も、政府の脚本と与党主演の無力化の試みに遮られ、305人がこの世から消えてなくなった惨事の真実究明に一歩も近寄れずにいる。

第3次総決起へ

 この国の大統領という者は、民衆の怒りが表れた去る11月14日、何の成果があるのか知ろうとしても分からない「外遊」から10日を超えて戻った後、政権の失政に対して怒った国民をIS(「イスラム国」)として罵倒(ばとう)する常識以下の言動で国民を驚かせた。
 殺人鎮圧に対するただの一言、ペクナムギ農民に対するただの一言もなしに、集会主催側の中に統合進歩党の解散に反対した団体が多いというとんでもない理由で「従北」に追い込み、「体制転覆勢力」と規定しながら公安弾圧の手綱をつかんでいる。
 こうした者をどうして大統領と呼び、大統領の資格があるといえるのか! 国民が反対する歴史教科書国定化を押し通して、民主主義を破壊しながら、民生を援助する意思もなく、公安弾圧に没頭するつもりならば、そのまま退くのが良いだろう。
 私たちの闘争はこれからだ。パククネ政権の反民主、反民生、反平和の暴政に対抗して、より大きな闘争をつくっていこう。第1次、第2次民衆総決起の成果を集めて、今こそ民衆の怒りを全国に広げていこう。12・19大規模全国同時多発の第3次民衆総決起など、国民行動を展開して、労働改悪強行の試みに対する民主労総のゼネストに歩調を合わせ、闘争を持続していこう!
 また私たちは、これ以上、民衆の生存を、危機に陥った民主主義を、保守野党に任せられない。パククネ政権とセヌリ党を審判すると同時に、闘わない野党、政権の労働改悪、韓中FTA強行に野合する介添え保守野党に対抗し、労働者、農民、貧民など民衆が中心になった進歩民衆政治を始めよう!
 政権の暴圧は、その政権の最後が近づく兆しであり、暗闇は夜明けが近づく直前が最も深い。皆一緒に力を集め、ペクナムギ農民を救い、殺人政権、反民主政権、反民生政権のパククネ政権を退陣させるために、最後まで闘っていこう!
 ペクナムギを救え!!
 殺人鎮圧を糾弾する!!
 公安弾圧を中断しろ!!
 労働改悪を阻止しよう!!
 パククネは退け!!

2015年12月5日
民衆総決起闘争本部
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