辺野古新基地建設阻止へ反戦ストライキ組織する 12・5全学連拡大中央委 沖大自治会・赤嶺委員長の特別報告

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週刊『前進』06頁(2711号04面01)(2015/12/21)


辺野古新基地建設阻止へ反戦ストライキ組織する
 12・5全学連拡大中央委 沖大自治会・赤嶺委員長の特別報告

(写真 「ゲート前座り込み500日」の11月18日、辺野古の米軍キャンプ・シュワブ前に1200人が結集した)


 12月5日の全学連拡大中央委員会は全国大学反戦ストの決意を打ち固めた。その中で沖縄大学学生自治会・赤嶺知晃委員長(顔写真)が全体の討論をリードする特別報告を行った。(見出しは編集局)

沖縄の怒りが爆発し闘いは新たな段階に

 沖縄闘争は新たな段階に入りました!
 安倍政権は、朝鮮侵略戦争のために突破すべき攻撃として、国家暴力をむきだしにして、名護市辺野古への米軍新基地建設強行に突っ込んできました。
 10月29日の「本体着工」、11月4日の警視庁機動隊の配備、17日の代執行訴訟の提訴や辺野古3区への補助金の直接交付。しかし、辺野古現地に深々と足を踏み入れ、闘争の非和解的激化で返り討ちにあうのは安倍の方です。
 代執行は「辺野古闘争の三里塚化」への道です。代執行とは、国家権力が敗戦直後とまったく同じく、「銃剣とブルドーザー」での基地建設をやるということです。
 また訴訟は国が県民を「犯罪者」扱いし、被告席に立たせたに等しいことです。これに対して沖縄の怒りは爆発しています。さらに国が訴訟のために裁判長 (福岡高裁那覇支部)の首をすげ替えたことも怒りを呼んでいます。新たに着任した多見谷寿郎裁判長は三里塚闘争を闘う市東孝雄さんに「農地を明け渡せ」という反動判決(13年7月29日、千葉地裁)を下した極悪裁判官です。
 基地建設用工事車両の搬入を阻止する座り込みが闘われているキャンプ・シュワブのゲート前では、工事初日から逮捕者やけが人が出ており、闘いがこれまで以上に実力闘争として発展していくことは不可避です。

1200人がゲート前座り込み実力封鎖

 11月18日、「ゲート前座り込み開始から500日」となるメモリアルデー闘争に、沖大自治会の仲間が参加してきたので報告します。
 その日は「1000人集会」が呼びかけられていましたが、実際に朝7時前の時点で700人、最終的には実に1200人が集まりました。早朝6時、機動隊車両がゲートから入った後、集まった700人以上がゲート前に座り込んで封鎖。機動隊はいつもの強制排除のように姿を現すこともできません。結局、その日は一日を通して作業ができませんでした!
 現時点では「労組動員」はなく、集まっている人の多くは「団塊の世代」です。とはいえ、かつては復帰闘争、労働運動、70年闘争での全島ゼネストなどを経験したであろう方々で、戦闘的かつ労働者的な雰囲気があります。
 沖大自治会の仲間がゲートの真正面に座ろうとすると、「若い人は危険だから端に」と機動隊から守ろうとしてきました。みなが「権力、来るなら来い!」「逮捕、来るなら来い!」と実力阻止の腹をくくっています。地元のおばあである島袋文子さんも参加していました。
 口々に叫ばれる言葉も力強い! 「訴訟なんて関係ない。結果がどうあれ、ここで止める!」「キャンプ・シュワブを撤去しろ!」「基地は全部撤去しろ!」「戦争のための基地建設は許さない!」「国を守るために戦争が必要と言うなら、そんな国は滅んでもいい!」「この闘いは世界に届く」
 ここにあるのは、安倍や菅(官房長官)への激しい怒り、中途半端なものに流れない根底的怒り、「絶対に負けない! 勝つまで闘う」という不退転の決意です。緊張感の中にあふれる、闘う者の連帯感や明るさです。

職場・大学で労働者学生の総決起へ闘う

 安倍政権はこの力関係を突き崩すために、一方では階級的力の中心である労働組合を破壊しようと民営化・外注化・非正規職化攻撃に突っ込み、他方では「代執行」による弾圧の本格化を狙って踏み込んで来ています。
 だからこそ、あらゆる職場・キャンパスから、労働者・学生の総決起=ゼネストに向かって闘うこと、「政治決着」という権力との「和解路線」に幻想を抱き、現場の実力闘争をその「手段」と位置づけるのではなく、権力と徹底非和解で闘うことが重要です。
 日本共産党の「国民連合政府」路線は悪質です。これは、彼らが「急迫不正の主権侵害」を口実に自衛隊と米軍の共同作戦を認め、朝鮮侵略戦争の一翼を担う戦争推進宣言です。これを「安保法廃止の一点で共闘する」「現実的対応」とごまかしている。この大裏切りを暴露し、立ち上がる学生を獲得する闘いが決定的です。
 辺野古での激突は激しいですが、「必ず勝つ!」という決意と世界を獲得するという確信で闘っています。
 沖縄階級闘争は、11・13パリ事件後の激動情勢下で、ますます激烈化し、重要な位置を占めようとしています。

韓国労働者と連帯かけ全島ゼネストへ!

 だからこそ、闘いを本当に勝利させ決着をつけるのは、韓国ゼネストとの連帯をかけた沖縄全島ゼネストです。
 基地職場では、部署丸ごとの外注化、大量解雇・非正規職化攻撃に対する怒りが爆発し、現場から闘いが始まっています。
 11月24日には、IJBS労組(日本IBM・ビジネスサービス労働組合)の解雇撤回裁判で、那覇地裁が反動判決を下しました。しかしこの闘いは、仲宗根光洋書記長に続く青年労働者・農民の決起を続々とつくり出し、沖大生をも獲得しています。
 沖大でも、新たな学生が辺野古や11・1労働者集会に参加しています。その地平で、11月26日に沖大で京大昼休み集会に連帯し、「京大スト報告集会」を打ち抜きました。沖大生はこの情勢下で必ず立ち上がるということであり、安保国会闘争、治安弾圧粉砕の勝利、京大反戦ストライキという全学連の渾身(こんしん)の闘いが生み出したということです。
 キャンパスではパリ事件後、普段ビラを受け取らない学生が受け取っています。「応援してます」という学生や「戦争も基地もいらない。ストもやった方がいい」という学生も出てきました。しかし、「自分は週5日のバイトで深夜バイトも一つ増やすから、自分のような弱い立場の人間はかかわらない方がいい」とも。「未来共創」などという沖大が学生をバラバラにし、人生を破壊している現実、反戦の思いをつぶす現実にあらためて怒りをたぎらせています。何が「キャリア・デザイン(人生設計)」か! 「平穏な教育環境」か! こういう大学のあり方、仲地博学長体制を本当に打倒しないといけない!
 5月沖縄闘争を見据えた2016年決戦の爆発へ、本日参加できなかった仲間と議案で討論し、生き方をかけた団結をつくっていきたい。学生が大学と未来を実力で取り戻す闘い、世界の仲間と戦争を止め社会を変革していく闘いとして、沖大反戦ストライキを組織していきます!

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代執行訴訟 米軍新基地建設のために国は、「辺野古沿岸部の埋め立て承認を沖縄県知事が取り消したのは違法」として撤回を求め、福岡高裁那覇支部に提訴した。
辺野古3区への補助金の直接交付 国が新基地予定地に近い名護市の3地区へ、各区1300万円を上限に直接補助金を交付する。新基地建設に反対する名護市を通さず、頭越しに金をばらまく違憲違法な措置。

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