国際連帯で朝鮮戦争阻む 軍隊慰安婦問題の「日韓合意」は米日韓軍事体制づくりの攻撃だ 体制崩壊の危機にあえぐ金正恩 北朝鮮の核実験弾劾する

週刊『前進』04頁(2713号01面01)(2016/01/11)


国際連帯で朝鮮戦争阻む
 軍隊慰安婦問題の「日韓合意」は米日韓軍事体制づくりの攻撃だ
 体制崩壊の危機にあえぐ金正恩 北朝鮮の核実験弾劾する


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 激動の2016年が日韓労働者のストライキをもって幕を開けた。動労水戸は鉄道業務の外注化・非正規職化と青年組合員に対する不当な強制配転(ライフサイクル)に反対して1月4日、断固としてストライキに決起した。韓国の民主労総は賃金ピーク制導入、解雇の自由化など労働改悪に反対して8日にゼネストを構えて闘っている。こうした闘いが、米日帝国主義による朝鮮侵略戦争策動と真っ向から対決して貫かれている。職場生産点を拠点にした労働者の団結と闘いこそが戦争を止める力だ。本紙は今号からいよいよ週2回発行体制に移行する。1千万人と結合する新たな労働者党建設の気概に燃えて、この大事業に挑戦する。全党・全労働者階級の力でこの挑戦に勝利し、プロレタリア世界革命へ進撃しよう。

国鉄決戦・7月選挙戦に総決起し革命勝利へ

 欧州・アメリカを始め全世界で労働者階級が「このままでは生きられない」と、ストライキに立ち上がっている。2016年はストの波が全世界をおおう年となるだろう。新自由主義の破産がもたらす戦争と非正規職化・貧困に対して、労働者階級は絶望やあきらめではなく、ゼネストと革命をもって未来を切り開こうとしている。
 だから労働者階級にとって、大恐慌と戦争の時代はけっして暗黒の時代ではなく、歴史的破産と崩壊の危機を深める帝国主義を打倒する時代であり、世界革命を完遂する時代なのだ。1917年のロシア革命以来100年の闘いを積み上げて労働者階級はついに帝国主義を打倒し勝利できる時代を迎えているのだ。
 帝国主義の末期的危機のもとで、労働者階級はわずかばかりの賃金すら削られ、生存を脅かされている。資本主義は社会を維持し再生産する力を、もう失っているのだ。こんな社会に未来はない。私たち労働者階級の力で、戦争も失業も搾取もない、未来に希望を持てる新しい社会をつくろう! 労働者階級は、革命において鉄鎖以外に失うものは何もない。獲得するものは全世界だ。いまや世界中で圧倒的な多数を占める非正規・青年労働者と学生こそが、世界革命の主体だ。
 昨年2015年を全力で闘い、労働組合をよみがえらせる闘いをやりぬいてきた革共同と動労千葉、動労水戸、階級的労働運動派は、昨年をこえる戦闘的決意と革命的方針をもって新年を迎えた。年初から世界同時株暴落やサウジアラビア・イランの国交断絶、北朝鮮の核実験強行など、大恐慌と戦争情勢の深まりを示す重大事件が次々と起きている。これに動労水戸と民主労総のストライキが真っ向から対決して闘われている。
 革共同政治局1・1アピールで宣言したとおり、2016年は「世界革命への大挑戦」の年であり、「世界戦争参戦と改憲を狙う安倍を国鉄決戦と7月選挙決戦で打倒する」決戦の年である。革共同は日本・世界の労働者階級と深く結びつき、新自由主義的帝国主義を打倒し、労働者権力の樹立へ本格的挑戦と準備を進める。1千万人と結びつき、その力でプロレタリア革命をなんとしても成し遂げる決意だ。
 今こそ、すべての労働者とりわけ青年労働者と学生の皆さんが革共同に結集し、革命の事業をともに担うことを心から呼びかける。勝利はわれわれのものだ。

「日韓合意」で戦争体制構築を狙う安倍を倒せ

 昨年12月28日にソウルで日韓外相会談が開かれ、日本軍軍隊慰安婦問題で合意した。その骨子は、①安倍首相は「おわびと反省」(まったく口先だけの!)を表明して10億円を韓国政府が設立する元慰安婦支援の財団に拠出する、②在韓日本大使館前の少女像を撤去する、③この合意で軍隊慰安婦問題は「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」――というものだ。
 日帝支配階級とブルジョア・マスコミ、さらに日本共産党は、これを「歴史的な合意」「日本政府が責任を認めた」などとべたほめしているが、そのようなものではまったくない。実際に、当事者である元軍隊慰安婦が直ちに怒りをもって弾劾し、韓国労働者人民の怒りも爆発している。
 第一に、これは日帝が国策として推進した極悪の戦争犯罪=軍隊慰安婦政策を、日本政府が自ら明らかにして心から謝罪し賠償することを拒否したものである。1965年の日韓条約と請求権協定で「すべて解決済み」と開き直り、日帝の戦争犯罪・戦争責任をほおかむりし、元慰安婦の「人権回復」と「歴史回復」の要求をすべて抹殺するものである。
 それにしても、「最終的かつ不可逆的に解決を確認」とは、なんという傲慢(ごうまん)な言いぐさか! 安倍は翌日、「今後この問題について一切、言わない。昨日をもってすべて終わりだ。もう謝罪もしない」と開き直った(12月30日付産経新聞)。これこそが極右・安倍の本音だ。ペテン的な「おわび」とわずかなカネで、侵略戦争の歴史と責任を消し去ることなど、断じて許されない。そんなことはできるはずもない。少女像の撤去要求などは、逆に安倍政権がどれほど朝鮮人民による日帝の侵略戦争責任追及・慰安婦問題追及の闘いを恐れているかを示している。
 第二に、これは米日韓の政府が北朝鮮転覆の侵略戦争を狙って仕組んだ戦争政治であり、新たな戦争行為である。今回の「日韓合意」は、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)体制の崩壊が切迫し、米日韓が戦争を本格的に準備していることを示すものである。対立する日韓に関係修復を迫ってきたアメリカ政府は直ちに「日韓合意を歓迎する」と声明を出し、早期に日米韓首脳会談を開催し、北朝鮮転覆の侵略戦争に向けて日米韓軍事同盟体制を強化しようとしている。
 残存スターリン主義の大破産と米帝のすさまじい戦争重圧のもとで、北朝鮮は体制崩壊の危機を深め、追いつめられている。多数の政府・軍幹部を粛清=処刑し(100人以上とも言われる)、6日には反人民的な核実験を強行した。怒りをこめて弾劾する。こうした絶望的な軍事行動が、米日帝の戦争策動にさらなる口実を与えている。日帝・安倍政権は「集団的自衛権」を発動して朝鮮侵略戦争に参戦し、自衛隊を朝鮮半島に上陸させようとしている。
 この策動と真っ向から対決して、韓国・民主労総はゼネストをもってパククネ政権打倒に向かって闘っている。民主労総と固く連帯し、国際連帯と職場生産点を基礎にした階級的労働運動の力で米日帝の朝鮮侵略戦争を絶対に阻止しよう。

天皇と安倍に屈服する共産党を弾劾し闘おう

 「日韓合意」を全面賛美する日本共産党は1月4日、天皇が出席する国会開会式に党として初めて出席し、志位委員長ら幹部6人が起立して天皇を迎えた。このかん労働運動とゼネストに敵対する「国民連合政府」の提唱や、「急迫不正の時には自衛隊と日米安保を活用する」と表明した日本共産党は、いまひとつ戦争協力に向かってかじを切った。欧州に戦争の危機迫る1911年にドイツ社民党の一部がそれまでの慣例を破って議会で「皇帝万歳」を唱え、その後ドイツ帝国主義の戦争に党全体が協力していった歴史の再現である。
 「労働者は祖国を持たない」「万国のプロレタリア、団結せよ」という国際連帯の立場を真っ向から踏みにじり、資本家階級の利益のための強盗戦争に労働者階級を差し出す日本共産党スターリン主義を断じて許すな! 職場で街頭で日本共産党の新たな転落と裏切りを怒りをこめて暴露・弾劾し、闘う労働者階級の強固な団結を、国鉄決戦と階級的労働運動の前進の中でしっかりとつくり出そう。
 16年決戦の勝利の道は鮮明である。動労総連合の全国的建設を軸とする国鉄決戦と、7月選挙決戦に総決起することである。日帝・安倍政権は公明党や大阪維新の会・橋下徹らを取り込んで、7月衆参ダブル選挙で改憲勢力3分の2を確保し、改憲に突き進むことを狙っている。7月選挙はこれとの一大決戦だ。『前進』新年号が提起する時代認識と路線で闘い、絶対に勝利しよう。外注化・非正規職化、労働者のすさまじい貧困と闘う16春闘を戦闘的に闘いぬき、ストライキを闘う労働組合を建設しよう。
 冬期カンパと特別財政決戦に決起し、労働者階級の中に広大な『前進』読者網を建設しよう。

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