各地で春闘集会開く

週刊『前進』02頁(2730号02面02)(2016/03/10)


各地で春闘集会開く

仙台
 圧巻の職場闘争報告
 鈴木弁護士が記念講演

(写真 120人が結集し団結を固めた東北春闘集会【2月28日 仙台】)

 2月28日、仙台市で東北春闘集会が開催され、東北各地から120人が結集した。
 集会では、鈴木たつお弁護士が「改憲・戦争と対決する新たな労働者の政党をつくろう」と題して記念講演を行った。「経済で結果を出すと言ったアベノミクスは大崩壊した。非正規職2千万人。食えないという現実にどう立ち向かい、生きるために闘うのか」「7月参院選は改憲をめぐる本番だ。改憲絶対反対を訴えて立候補することを決断した」「労働者階級に国境はない。韓国では民主労総がゼネストに立ち上がり、新たな労働者の政党がつくられた。日本でも労働者の新しい政党をつくろう」と熱烈に訴えた。
 動労福島・橋本光一委員長が特別報告に立ち、3・31郡山工場の外注化阻止に向けてストで闘うと宣言した。
 圧巻は職場闘争の報告だ。仙台市の外郭団体で介護職員として働く仲間が「5年で雇止めになる制度を撤廃しろ! 私たちは『ゴミ』じゃない! 有期雇用制度撤廃へ一緒に声をあげよう!」と訴え、多くの参加者が目頭を熱くした。
 「組合に入ったとたんに、団交の場で解雇を通告された。不当労働行為を絶対に許さず、解雇撤回まで闘う」(動労総連合・新潟)、「3波のストを闘った。職場で一人でも仲間とともに何度でもストで闘いぬく」(全金本山労組・鈴木義和委員長)
 大型バスで参加した南部バス労組は、「長野のツアーバス事故はセウォル号事故と同じ。南部バスでも道交法違反が33件、他人事ではない。新たな規制緩和を許さず春闘を闘う」と訴えた。
 集会後、仙台市内をデモ行進した。「非正規職撤廃」「派遣法なくせ」「戦争とめよう」のコールに多くの注目が集まった。
 「2020年常磐線全線開通」を宣言し、福島を切り捨てる安倍を打倒しよう。
(みやぎ労組交流センター・谷和司)

埼玉
 不当捜索に反撃
 デモに飛び入り参加続々

 不当捜索から2日後の2月28日、埼玉労組交流センターと一般合同労組さいたまユニオンは大宮で春闘集会を開催した。
 冒頭に特別報告として、昨年9月5日にNAZENさいたまが行った楢葉町視察ツアーを「道路運送法違反」とする計4カ所の家宅捜索が、いかにデタラメな弾圧であるかが、立ち会った仲間から報告された。
 さいたまユニオンの田畑典保委員長が基調を提起した。「今回の不当弾圧の中に、朝鮮侵略戦争前夜という時代が明らかになっている」と、安倍政権の危機の深さを訴えた。実践的結論は、動労連帯高崎の組織拡大、国鉄解雇撤回署名運動の全面的展開、3・11福島現地闘争への総結集、3月春闘などの闘いを組織拡大を総括軸に闘うことにあると提起した。
 動労連帯高崎の漆原芳郎委員長代理が、出向無効確認訴訟の現状と籠原での安全崩壊の現実を報告、3月春闘の方針と決意を述べた。木村洋一書記長は、「動労連帯の迫力の前に不当労働行為ができない力関係にある」と勝利を確認し、組織拡大の決意を語った。
 加須市内の日立資本系列会社の工場閉鎖―配転・解雇攻撃と闘うさいたまユニオン組合員の民間争議、訪問介護職場で解雇攻撃と闘う介護労働者、非正規公務員の闘い、野崎興業分会の大型トラック労働者などの、激しい現場攻防の報告が続いた。
 まとめを労組交流センター代表の自治体労働者が提起。国鉄解雇撤回の新署名運動を訴えた。
 集会後、大宮駅周辺のデモに打って出た。弾圧のことを聞いたのか、乗用車から「負けるなよ!」と声がかかる。捜索を強行した埼玉県警公安3課は遠巻きに見ていたが、デモ隊の一員が近づき弾劾ビラを突きつけると、うろたえて「埼玉県警」の腕章を外した。
 「不当捜索を許さない! 押収物を返せ!」というコールに、デモ隊もびっくりするほど飛び入り参加者が相次ぎ、弾圧は完全に裏目に出た。
 大宮駅西口デッキまでのデモをやりぬき、連続する3月闘争、とりわけ3・11福島への総決起を誓い合った。

東京中部
 〝職場で団結拡大〟
 動労千葉・中村さん招き

 2月27日、東京・新橋で中部地区の春闘集会が開かれた。冒頭に韓国・民主労総ゼネスト闘争を記録したビデオを上映し、同日ソウルで闘われた第4次民衆総決起大会・汎国民大会との連帯を確認した。
 最初に動労千葉争議団の中村仁さんがあいさつ。解雇撤回闘争が国鉄分割・民営化による解雇を不当労働行為と最高裁に認定させ、本丸であるJR資本に対し直接の闘いを再度たたきつけるところまで進んだことを報告し、CTSでの一方的な就業規則の変更攻撃に対して「絶対阻止」で闘う姿勢を明らかにした。
 主催者を代表して東京中部ユニオンの原由美子委員長が「生きていけるだけの賃金よこせ。死ぬまで非正規、ふざけるな。もう黙っていられない、職場を越えて団結しよう」と安倍への怒りを込めて訴えた。
 銀座局の郵政労働者は、郵政民営化から丸8年の職場の現実を語り、非正規労働者の怒りと団結して闘いぬく決意を語った。新東京郵便局の労働者は、指の切断や鉄パレットによる骨折など年末年始に職場で起きた4件の重大事故を報告し、人減らし合理化による労働強化と総非正規職化による職場の団結破壊を弾劾した。
 福島の被曝の現実を伝えるドキュメンタリー映画「A2―B―C」上映会で出会った元除染労働者は、福島での自らの体験を語り、安倍政権が進める帰還強制のデタラメさを指摘した。参加者はあらためて3・11福島行動参加の決意を固めた。
 最後に、青年労働者が「職場の仲間、地域の仲間と団結を広げよう」と訴えて団結ガンバローでしめくくった。

金沢
 北陸に拠点労組を
 動労総連合の結成へ決意

 2月28日、金沢勤労者プラザで北陸16春闘国鉄集会(主催・集会実行委)が開かれ、20人の労働者・学生が参加した。
 集会冒頭、郵政の青年労働者が基調を提起し、「動労総連合を北陸の地に建設し、16春闘を闘って、北陸に拠点労組を建設しよう」と訴えた。
 続いて、動労西日本の山田和広書記長が講演を行った。「広島印刷事業所廃止に対して、動労西日本は絶対反対で闘っている。実力での職場の闘いが資本との力関係を決めるし、労働者を獲得する」「動労千葉の16年間の外注化阻止の闘いは、外注化は止められることを示した」「この間のJR青年労働者交流会での議論は決定的だった」と動労総連合建設の展望を示した。
 富山通運解雇撤回闘争を闘う北陸ユニオンは特別アピールで、「動労総連合建設を軸に、解雇絶対反対で闘い、労働者の誇りをとり戻す」と訴えた。富山大学の学生は、安倍政権の戦争攻撃と闘う学生自治会の再建の決意を表明した。
 参加者からは「国鉄新署名運動を地域の労働組合で取り組む」「JR関連の労働者を組織しよう」などの活発な発言が出された。
 討論の最後に動労西日本OBの出口威さんが訴えた。「国鉄分割・民営化と派遣法が現在の非正規職や派遣労働を生みだした。しかし、新自由主義は破綻している。動労千葉の闘いは、新自由主義に勝てるという意識を作り出した。まず自分が一歩を踏み出そう」
 4月の動労総連合北陸の結成に向けて、団結ガンバローで奮闘を誓い合った。

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