京大弾圧粉砕のお礼と決意

週刊『前進』04頁(2735号03面01)(2016/03/28)


京大弾圧粉砕のお礼と決意

(写真 釈放の直後、迎えに来た学友に胴上げされる斎藤郁真君 【3月18日 京都府警東山警察署前】)

 京都大学反戦ストライキへの「威力業務妨害」デッチあげ弾圧を粉砕し、3月18日に全学連6学生の不起訴釈放の大勝利がかちとられました。斎藤郁真・全学連委員長と作部羊平・京都大学同学会委員長から支援・連帯へのお礼と闘いの決意が寄せられました。(編集局)

「新たな戦前」打ち破った
 全学連委員長 斎藤郁真

 反戦バリケードストライキ弾圧をはね返し、京都大学同学会の作部羊平委員長や私を含む6人の学生は3月18日、全員釈放(無罪!)をかちとって奪還されました。多くの支援や連帯、本当にありがとうございました!
 今回の弾圧粉砕闘争は、歴史に残る大勝利です。昨年9月に安保関連法が強行採決され、「日本が世界のどこでも戦争できる」ことが「合法」とされました。
 今年3月29日の施行と一体で、米日韓軍事同盟は急速に強化されています。在韓米軍司令官カーティス・スカパロッティが「朝鮮半島で衝突が起きれば第2次大戦に匹敵する事態になる」と述べながら、朝鮮半島周辺で史上最大規模の米韓合同軍事演習を行っています。追い詰められた北朝鮮キムジョンウン体制はさらなるミサイル発射で応え、韓国で反戦闘争に立ち上がる民主労総や学生の必死の思いを裏切っています。日本は軍隊慰安婦問題をめぐる当事者を無視した「合意」を踏み台に、朝鮮戦争に参戦しようとしています。
 このような情勢の中で、大学での反戦ストが戦後史上初めて「業務妨害」「迷惑行為」として、「違法」とされようとしたのです。多くの労働者・学生がその危機を感じとり、今回の弾圧を「京都学連事件」「滝川事件」になぞらえたのは当然です。
 6学生の奪還によって「新たな戦前」は出鼻をくじかれました! 国家権力はメディアを動員して「21世紀最初の大学ストライキ」を宣伝する役割すら果たしてくれました。最高に爽快です。
 勝利の要因は第一に、何よりも京大生自身の決起です。弾圧の最大の目的は「見せしめ」であり、団結破壊です。ストライキ当日は参加しなかった学生やストライキの「やり方」には批判的な学生まで、この弾圧に怒り、立ち上がりました。
 また、6学生奪還署名は全国で2500筆を超えましたが、その大部分は京都の労働者・学生・市民でした。権力の思惑をはるかに超える団結の拡大と怒りの決起こそ弾圧を粉砕した力です。
 第二に、怒りを組織し、闘いを最先頭で担った全学連の仲間たちの決起であり、それを支えた全国の労働者の決起です。これなくして弾圧を粉砕する力は形にはなりませんでした。弾圧に対して萎縮するのではなく、労働者・学生を信頼し団結して総反撃に転じる。これこそ階級的労働運動路線の真骨頂です。
 第三に、6学生の獄中における完全黙秘・非転向の闘いです。完黙は、国家権力との対決を貫き、獄外で闘う仲間を信頼する姿勢を貫くことであり、活動家の魂を守り、団結をつくる闘いです。獄内外の団結をつくり出す力になれたと思います。
 私たち全学連は、全国大学での学生自治会建設・大学ストライキの復権へ向かって一層突き進み、この勝利を時代の転換点にしていく決意です。労働者が主人公の社会をつくるために、ともに進みましょう!

反戦バリスト闘って誇り
 京都大学同学会委員長全学連副委員長 作部羊平

 多くの方の力添えをいただき、6人全員の釈放をかちとったことを本当に嬉しく思います。
 国家権力は、昨年の10・27京大反戦バリストを「威力業務妨害罪」として私たちを逮捕しました。留置所では檻(おり)の中に閉じ込められ、取り調べに行く時には手錠をかけられます。その取り調べでは「お前たちは間違っている」「ただの捨て駒だ」「学生に支持されていない」と転向強要が行われ、とことん人間性や共同性を否定されます。
 しかし私たちには不安は一切ありませんでした。何より、星野文昭さんと暁子さんのメッセージに感動しました。私たちには全国で支え、ともに闘ってくれる仲間、すべてを任せられる仲間がいる。この確信があったからこそ、完全黙秘・非転向を貫くことができました。
 今回の罪名は「威力業務妨害罪」です。威力を用いて業務を妨害した。ストライキで戦争を止めるとか、原発を止めるとか、あるいは解雇や処分を撤回させるとか、私たちが生きるために実力闘争に立ち上がることそのものに対して、〝お前たちは犯罪者なんだ〟と言ってきたわけです。
 だからこそ「こんな弾圧は絶対に認めない」「警察権力・京大当局、安倍政権こそがぶっ飛ばされるべきだ」という怒りが職場や街頭で爆発し、わずか18日間で2500筆を超える釈放要求署名が集まりました。
 14日の勾留理由開示公判では、1回目は数十人の機動隊を使って傍聴者全員を退廷させながら、2回目は怒りに圧倒されて1人も退廷させられませんでした。こうした闘いが敵を徹底的に追い詰め、起訴すれば膨大な人民が決起するという恐怖から釈放せざるを得なかったのです。
 安倍政権・国家権力には何の確信もありません。取り調べで公安刑事は「警察は公的に法律で認められているが、お前たちは『私的』に強制力を用いたから犯罪だ」「暴力を学生は支持しないぞ」と言ってきました。自分たちが支配者の座に居続けるために、どうかストライキをやめてくれ、学生は立ち上がらないでくれと懇願しているのです。
 京大当局は国家権力と完全に一体化して刑事告訴し、再び公安警察らしき人物を学内に招き入れ、4人の京大生を呼び出しました。しかし「刑事告訴した」と宣言することもできず、3月17日に予定していた情報公開連絡会も中止して学生の前から逃亡しています。
 私たちは、あらためて京大反戦バリストをやりぬいたことを誇りに思います。同学会中執と全学連が先頭に立って示した「力」と「団結」は、国家権力の全体重をかけた弾圧を打ち破る無数の決起につながりました。新たな京大生の決起も生まれています。
 この「労働者・学生は必ず立ち上がる」という確信を胸に、私たちは必ず第2の京大反戦スト、全国大学反戦ストに立ち上がります。
 支援してくれたすべてのみなさん、本当にありがとうございました。

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