〝カルデラ噴火したら終わり〟 田中規制委委員長が川内再稼働で本音

週刊『前進』04頁(2743号03面02)(2016/04/25)


〝カルデラ噴火したら終わり〟
 田中規制委委員長が川内再稼働で本音

(写真 田中俊一 原子力規制委員会委員長)

 熊本大地震で原発事故がいつ起きるかもしれないのに、なぜ政府も九電も川内原発を止めようとしないのか。原子力規制委員会の田中俊一委員長の発言を見れば、その本意は明白である。
 「(川内原発の)近所のカルデラが噴火した時はどうなるかというと、700万人の九州の人が焼け死に、全国では1億2千万人の人が亡くなるわけ。その前に原子炉は止まっているし、ある程度燃料が残ったとしても、もうそういう状況なのですよ」(2014年11月の記者会見)
 〝カルデラ噴火や大地震が起きるかもしれないから再稼働するな〟という批判に対し、〝そんな大災害が起きればどうせ死ぬのだから、残っている核燃料から大事故が起きてもかまわない〟と言っているのだ。
 原発大事故を防ぐという気などまるでない。大災害から人の命を守るという立場すらない。原発再稼働のためなら人が多数死ぬことをまず想定する、というとてつもない非人間性! 「命よりカネ」の新自由主義の極致だ。こういう連中だから、震災被災者に対する非道な仕打ちを平気でやるのだ。

福島原発事故繰り返すのか

 〝大災害でたくさん死ぬのなら原発大事故も起きていい〟と言うが、これは5年前の「3・11」を何も反省せずに居直るものだ。東日本大震災は1万8500人に及ぶ死者・行方不明者を出したが、だから福島第一原発事故が起きても仕方なかった、というのか。原発事故が起きて避難せざるを得なかったから、助けられる人も助けられなかった、というのが真実ではないのか。
 福島第一原発事故が起きた時、私たちは二度とこんな事故は起こしてはならないと誓った。ところが逆に、この惨禍を居直り、大事故を再び繰り返そうとしている。フクシマの怒りをあらためて爆発させよう。こんな資本家の支配階級は今すぐに打倒し、労働者階級が取って代わって全原発を廃炉にしよう。
 安倍政権が川内原発を稼働し続けているのは、核武装のためだ。4月1日に「核兵器の保有・使用は合憲」と閣議決定された。同日に開かれていた核サミットに意図的にぶつける形をとった。
 何万人、何十万人を殺戮(さつりく)する核兵器を自前で持ち、しかも実際に朝鮮侵略戦争で使うことを国家戦略としたのだ。だから、原発大事故が起きて何人死のうが構わない、というのが安倍や田中などの真意なのである。
 大震災下での川内原発の強行稼働という一事の中に、新自由主義の極致、福島圧殺の暴政、日帝の核武装というすべてが現れている。労働者人民の総力で、川内原発を今すぐ止めよう。安倍政権を打倒しよう。
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