5・23狭山 再審・無罪の日まで闘う

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週刊『前進』04頁(2751号04面01)(2016/05/30)


5・23狭山
 再審・無罪の日まで闘う


 5月23日、無実の部落民・石川一雄さんの不当逮捕から53年を迎えた。これを徹底糾弾し、安倍政権の戦争・改憲を打ち破って第3次再審闘争に勝利するために、全国水平同盟を先頭に各地で5・23狭山闘争が取り組まれた。東京、大阪、広島での狭山集会の報告です。(編集局)

東京
 石川一雄さんと連帯
 地域での組織化が前進

(写真 110人が狭山集会【5月21日 渋谷区】)

 東京集会は5月21日、渋谷区勤労福祉会館で開催された。主催は部落解放東日本共闘会議と全国水平同盟杉並支部。集会の成功に向けて各地域で情宣とビラ入れ、学習会に取り組んできた仲間を先頭に110人が結集、6~7月選挙決戦へ熱気あふれる集会となった。
 主催者あいさつを解放共闘の岩本正治事務局長、連帯あいさつを星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議の戸村裕実共同代表が行った。
 5・23闘争参加者への石川さんのメッセージが読み上げられた。「事実調べの実現を通して、再審開始、無罪判決という勝利の日まで、文字通り『血の一滴』まで徹底的に闘い抜かんとする私の姿勢は不変である」。石川さんは殺人罪をデッチあげた国家権力に対し半世紀を超え不屈・非妥協で闘っている。参加者はその闘志に応えともに闘う決意を新たにした。
 基調報告を満身の決意を込めて杉並支部の田中れい子支部長が行った。「狭山事件とは何か」から始めた田中さんは、死刑判決と対決して無実を叫び立ち上がった石川さんの闘いが労働者を獲得し、狭山闘争が労働者階級の団結の要となり新自由主義との攻防の最前線にあることを明らかにした。最後に「選挙決戦に総決起し大旋風を巻き起こそう」と呼びかけた。
 基調報告を受けて解放共闘の仲間が発言した。動労千葉の佐藤正和執行委員は6・5国鉄集会を訴え、動労水戸執行委員は東京高裁への狭山要請行動の報告と常磐線全線開通攻撃に被曝労働拒否で闘う決意を表明。東京労組交流センターの小泉義秀事務局長は間近に迫った「動労総連合・東京」の結成と選挙決戦で闘う拠点を建設する意気込みを語った。全学連の森幸一郎書記次長はA君不当逮捕を弾劾し闘う決意を述べ拍手を浴びた。
 杉並支部の狩野正幸書記長は今国会に提出された部落差別解消推進法案は階級性を一掃する攻撃だと喝破(かっぱ)し、これを推し安倍の改憲攻撃に屈服する部落解放同盟を厳しく批判。6・5国鉄集会の情宣活動に取り組もうと呼びかけた。
 最後に解放共闘の大西文夫事務局次長が集会をまとめ、団結ガンバローで締めくくった。

全関西
 差別の元凶は国家
 〝血の一滴まで〟に応え

 全関西狭山集会は5月21日、八尾市西郡第3集会所に105人が全関西から結集した。(写真
 5・15沖縄闘争を闘った熱気と、何よりも「勝利の日まで『血の一滴』まで闘う」という石川一雄さんの烈々とした5・23メッセージが集会全体を貫き、狭山再審勝利と6〜7月選挙決戦勝利への決起集会としてかちとられた。
 集会は主催団体の関西労組交流センターの木下浩平事務局長の開会のあいさつで始まった。基調報告を行った全国水平同盟の久原正子委員長は「差別の元凶である国家権力・裁判所を倒そうと訴える石川一雄さんの高裁での最終意見陳述を共同綱領とし、新自由主義との最前線の闘いとして、国鉄闘争を軸に労働組合が狭山闘争の先頭に立って闘おう」と訴えた。
 基調報告と石川さんのメッセージを受けて、全国水平同盟高槻支部・植木団地労働組合、京都の崇仁支部準備会と東三条の仲間、西郡支部が断固とした決意を述べた。
 討論では動労西日本、八尾北医療センター労組、水平同盟西郡支部青年部、婦民全国協、関西合同労組大阪東部支部、奈良の自治体労働者、大阪星野文昭さんを取り戻す会、全学連が戦闘的な決意を述べた。
 八尾北労組の灰垣美佐子書記長は「新自由主義と対決する予防医療・糖尿病教室にかけきって生きるための団結をつくり出し、世の中を変えていく」、西郡支部の佃文弘青年部長は「この間、一つひとつの時代認識をみんなで考え、路線論議をみんなで進め、柔軟性をみんなで養うことで前進するのだとつかんだ。八尾北医療センター労働組合と一体で団結を拡大し世の中をひっくり返す」と表明した。
 奈良の自治体労働者は下水道の民間委託=解雇攻撃に対し「(嘱託労働者の)『首は覚悟している。組合はどういうけんかをしてくれるのか。当局のやり方は許せない。人間として扱え』という思いに応えストライキへ突き進む」と宣言した。
 最後に、佃青年部長の音頭で団結ガンバローを行った。6・5国鉄集会―6~7月選挙決戦と一つになって6月12日の全国水平同盟第5回大会の成功をかちとろう。
(全国水平同盟・植村清)

広島
 ゼネストへの水路
 「権力犯罪弾劾」が原点

 広島集会は5月22日、広島市西区福島町の西地域交流センター(旧隣保館)で開催され、広島解放共闘に結集する仲間30人が集まった。(写真
 広島解放共闘の富村寛久議長(元広教組)が開会のあいさつ。石川さんの5・23メッセージが読み上げられた。事務局が、「権力の差別犯罪」「国家権力こそ部落差別の元凶」と断罪した石川さんの控訴審最終意見陳述こそ今日まで貫かれている狭山闘争の原点であり国家権力を打倒する「革命の共同綱領」と提起し、全体で確認した。
 基調提起を広島連帯ユニオンの宮原亮青年部長が行った。狭山闘争は新自由主義との最前線の闘いであり、80年代以降の狭山闘争・部落解放闘争解体攻撃が国鉄分割・民営化と一体の攻撃であることを踏まえ、オバマの広島訪問に示される朝鮮侵略戦争切迫と体制内の総屈服状況下で、国鉄決戦を軸にゼネスト・革命への全戦線・全人民の決起をつくり出す決定的な闘いとして狭山闘争があることを明らかにした。
 決意表明の最初に広島印刷事業所廃止攻撃とストライキで闘う動労西日本から大江照己委員長と同事業所の岡崎昭夫組合員が闘う決意を述べた。広島連帯ユニオンからは職場の総非正規職化に絶対反対で闘いを開始した草津病院支部が「部落解放闘争と革命の勝利へユニオンが地域に拠点を打ち立てる」と述べ、広島大学学生自治会の森田寛隆委員長は「権力と非和解で人間のすべてを取り戻す石川さんとともに職場と大学を闘う拠点にし差別・戦争と闘おう」と訴えた。広島星野文昭さんを救う会が狭山闘争と一体で星野さん奪還へ闘う決意を述べ、広島東郵便局部落解放研の労働者は「石川さんの魂を自らのものとして国家権力と闘おう」と呼びかけた。
 広島県労組交流センターの植野定雄共同代表が行動方針︱︱オバマ広島訪問阻止を朝鮮侵略戦争絶対反対の闘いとして貫徹し6・5国鉄全国集会から新しい労働者の政党建設をかけた6~7月選挙決戦への総決起する、を提起。最後に富村議長の音頭で団結ガンバローを行った。
(広島連帯ユニオン・奥村毅)

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