安倍・舛添を参院選決戦で打倒し拠点建設-ゼネスト・革命の勝利へ 新しい労働者政党が今こそ必要

週刊『前進』04頁(2755号01面01)(2016/06/13)


安倍・舛添を参院選決戦で打倒し拠点建設-ゼネスト・革命の勝利へ
 新しい労働者政党が今こそ必要 


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 6月5日、都内で6~7月参院選決戦勝利総決起集会が熱烈に開催され、全参加者一丸となった必勝の決意が打ち固められた。木崎冴子同志の基調報告を掲載します。(編集局)

共産党の許しがたい大転向

 1カ月の選挙決戦が始まった。安倍政権は「1億総活躍プラン」を打ち出した。日本共産党は民進党などとの野党共闘について〝04年共産党新綱領に従い、社会主義的変革ではなく、資本主義の枠内での改革であり、私有財産の保障が基本となる。日米安保の破棄や自衛隊の解消は持ち込まない。天皇制を含め憲法の全条項を守る〟と、文書で公然と確認した。参院選に立つ全政党は、労働者階級の生きんがための怒りの決起を抑え込み、革命だけは認めない、革命だけは圧殺することで同質である。日共スターリン主義はその先兵役を買って出ているのだ。
 しかし、全世界は世界革命の前夜にある。1917年ロシア革命から100年、一貫して帝国主義の全世界的打倒が階級闘争の中心テーマにすわってきた。スターリン主義の裏切りで帝国主義は延命し続けたが、30年にわたる新自由主義は破局を迎えている。伊勢志摩サミット〜オバマの広島訪問・演説の全過程と全世界的なプロレタリアートの決起は、戦争・核戦争に延命を託す帝国主義者どもをプロレタリア世界革命で打倒する情勢を告げ知らせている。

勝利を開く「労働の奪還」論

 革共同と日本の労働者階級は日本革命・世界革命の思想と路線を確立し、ついに新自由主義を打倒するマルクス主義として、「労働の奪還」論を打ち出せる地平に到達した。
 「労働の奪還」論は、動労千葉・動労水戸―動労総連合を先頭にした国鉄決戦の苦闘と実践の中から生まれた。動労千葉の反合理化・運転保安闘争路線と動労水戸の被曝労働拒否闘争は、労働の現場から打ち立てられた現代のマルクス主義である。帝国主義・新自由主義の崩壊局面で画然と見えてきた労働の破壊、人間の破壊という現実を、階級的労働運動路線に基づくマルクス主義でとらえ返し、党の革命以来の闘いの前進で「労働の奪還」論をつかんだ。
 「労働の奪還」論は労働者階級自己解放論の核心を鮮明にした。プロレタリアートは自らの中に無限の可能性を持ち、労働を通して目覚めていく。労働とは、自然に働きかけ他者を通し人間的共同性を通して自己を実現し社会をつくりどこまでも豊かに発展していく。「労働の奪還」論とは労働論であり人間論であり革命論としてある。新自由主義のもとで労働は極限的に分断され資本の餌食とされてきた。労働を奪還するということは自己解放そのものだ。フランスの電力労働者が送電を止めているが、貧困で電気を止められたところには供給している。これが労働の奪還である。労働を奪い返すことは本質的かつ根底的決起であり、暴力革命論そのものである。労働の奪還をすえることで暴力革命は普遍的に位置づき、全プロレタリアートの解放に転じることができる。
 こうしたマルクス主義のとらえ方は革共同が労働者階級とともに打ち立てた。例えば協会派は、普遍的客観的基準を適用していけば社会は発展するという。だから資本となれあい談合し「お互いに納得する」ものへもっていく。体制内そのものであり階級闘争でもプロレタリア自己解放でもない。スターリン主義は、生産力の発展で人類の歴史は進歩する、社会の富が増えればそれがしたたり落ちて豊かになるとする。生産力主義でありブルジョア思想そのものである。スターリン主義によるマルクス主義の歪曲は、プロレタリア自己解放の否定に核心がある。
 2点を強調したい。
 一つは、新自由主義のもとで金融全面自由化とバブル経済化が進行し、労働の疎外・破壊が限界を超える一方、金融資本が極限的に肥大化した。資本は労働と生産の現場、労働過程に関心がない。外注化・分社化、非正規職化の揚げ句、マネーゲームにうつつをぬかしている。JRの経営構想がその象徴だ。労務政策も資本の先兵である経営法曹会議の弁護士任せである。株価の変動が最大の関心事であり完全な無責任だ。労働者にとっては労働を奪還することが生きることであり革命そのものである。マルクス主義の歴史的復権をかちとる時が来た。
 もう一つは、労働の奪還を中心軸にすえることで民族・国籍・国境をこえたプロレタリアートの階級的団結と世界単一の労働者党建設を引き寄せることができるということである。
 パリコミューン、ロシア革命、労働者権力樹立の経験と歴史を思い起こそう。パリコミューンは『共産党宣言』『資本論』の成立、それときびすを接した第1インターナショナルの創成が背景にあった。ロシア革命は『帝国主義論』『国家と革命』が思想となり武器になった。
 19世紀〜20世紀のマルクス主義の創成・確立のもとで労働運動と革命的共産主義運動の世界史的発展がかちとられてきた。革共同と日本の労働者階級はその全蓄積と歴史を反帝国主義・反スターリン主義のもとで継承・発展し、「労働の奪還」論を打ち出した。6〜7月選挙決戦はマルクス主義を1千万人のものにする大挑戦だ。

朝鮮侵略戦争切迫下の闘い

 選挙決戦で「新しい労働者の政党をつくろう」と真正面から訴えよう。情勢は労働者階級の政党と革命を求めている。
 一つは、朝鮮戦争の危機に対し、韓国・民主労総と連帯して日本革命・朝鮮革命の勝利へ断固闘おうということである。
 オバマの広島訪問と演説は朝鮮戦争・核戦争の宣言である。安倍も4月に「核の保有および使用は認められる」と言った。3〜4月に31万人を動員した米韓合同軍事演習は「作戦計画5015」の核臨戦態勢のもとでの一個の戦争行為だった。日帝・自衛隊が深々と関与し、沖縄、横田、佐世保が米軍の戦略的出撃拠点になった。フィリピン、オーストラリア、インドネシアでの米日一体の作戦と連動し、対中国包囲網として展開された。6月下旬には初の米日韓でのミサイル訓練が行われようとしている。
 朝鮮戦争の狙いは民主労総の破壊にすえられている。ロシア革命以来の世界革命への道は東アジア(日本、朝鮮、中国)が焦点になってきた。韓国・民主労総はハンサンギュン委員長のもとで、パククネ政権―財閥と資本家の政府打倒へ労働者民衆を率いて蜂起的に総決起している。この闘いはプロレタリア世界革命の先端にある。同時に日帝植民地時代、戦後革命期以来の血みどろの闘いの歴史に「最終的な革命的決着をつける」闘いとして発展している。
 1950年6月に始まった朝鮮戦争は53年4月の休戦協定、休戦状態のまま今日に至っている。48年4・3済州島(チェジュド)蜂起〜49年中国革命を背景に朝鮮戦争が勃発し、第2次大戦級のすさまじい戦争になった。死者は300万〜400万人、朝鮮半島、特に北半分は焦土と化した。米帝にとっては350万人の兵力を投入し「勝利で終わらなかった戦争」と言われてきた。
 日帝はその成立以来、東アジアを生命線、土台にしてきた。1910年韓国併合、31年に始まる15年戦争。朝鮮人民、中国人民はこの日帝と対決し、その打倒を求めて大量の血を流しながら闘い抜いてきた。今度こそスターリン主義を倒し勝利をもぎとる時が来ている。動労千葉は民主労総と10年を超える団結を築いてきた。世界革命の勝利へ発展させるカギは日本のプロレタリアートが握っている。日本における階級的労働運動の拠点建設とゼネストを実現する。その中で新しい労働者の政党を世界単一の党として建設する。この歴史的大挑戦として参院選を闘おう。

『前進』を膨大な労働者に!

 いま一つは、G7サミットが金融・財政のみならず、労働者への階級戦争を競い合う場になったことである。6・5国鉄全国集会の共同声明にある戦後労働法制の抜本的改悪とは労働法制の原理的転換である。憲法9条と緊急事態条項、そして労働法制解体をめぐる改憲攻撃が、今次選挙戦の最大の激突点になっている。
 労働法学者が「ゼネストが起こっても不思議ではない」と言っている。日帝・新自由主義の出口のない危機が根底にある。「失われた20年」で日本は世界のトップからビリになった。安倍は第1次政権が倒れた後、顔面蒼白(そうはく)になってブレーンと官僚を集め、いかに日本を「再興」するかを練ってきた。そして第2次政権発足と同時に四つの会議をつくった。経済財政諮問会議と産業競争力会議、規制改革会議、国家戦略特区諮問会議であり、安倍、菅義偉官房長官らのもとに竹中平蔵を中心に新自由主義の経済学者、経営者を集めてきた。
 ヒトラーが権力を取り電撃的に国家改造に突き進んだのと同じだ。労働者をどうだますかであり激変に次ぐ激変で判断不能にたたき込む。「世界で一番企業が活躍しやすい国をめざす」とは、争闘戦と戦争そのものだ。競争力や経済成長に最大の価値を置き、労働法的規制は少ないほどよい、際限などないとする。労働法制の原理的転換―国家改造攻撃に対置すべきは革命以外にない。
 国鉄決戦は国鉄分割・民営化以来の攻撃に立ち向かってきた。動労千葉はCTS(千葉鉄道サービス)の就業規則改悪を阻止し、動労水戸は被曝労働拒否闘争を全社会的な大闘争に発展させつつある。4大産別で階級的労働運動派が労組権力奪取へ大前進している。朝鮮侵略戦争と闘い戦後労働法制解体と闘うことが現代革命のプロセスそのものである。
 選挙戦の3大方針を軸に勝利に突き進もう。
 第一に、宣伝・扇動戦の飛躍である。『前進』を労働者階級人民のもとへ届けよう。若い力とエネルギーで全都の街頭を制圧しよう。街頭で主流派になろう。
 第二に、拠点建設の闘いである。動労東京の結成を力に、連合の分裂・崩壊という歴史的情勢下で、階級的労働運動と国鉄決戦で労組拠点を打ち立てよう。地域拠点―地域細胞をつくりだそう。
 第三に、1千万人との結合をかちとろう。安倍と東京都知事・舛添要一の腐敗と居直り、新自由主義への怒りが満ちあふれ、既成の全勢力の没落と崩壊が進行している。階級的労働運動を推し進め、2010年代中期階級決戦の勝利とプロレタリア世界革命に向かって総決起しよう。

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