焦点 自公も野党もまったく同罪 舛添の辞任で幕引きを許すな

週刊『前進』02頁(2758号02面05)(2016/06/23)


焦点
 自公も野党もまったく同罪
 舛添の辞任で幕引きを許すな


 東京都知事の舛添要一は、労働者人民の怒りに追い詰められ、ついに打倒された。舛添は15日の辞職表明後は記者会見も行わず、17日の定例会見も拒否し、20日に予定されていた2回目の集中審議も取りやめた。腐敗・不正の事実について何も明らかにしていない。辞任したことで追及をすべて打ち止めにして闇から闇に葬るつもりだ。私的に使った公費は返さないばかりか給与全額を返上する条例案も撤回した。さらに、2200万円もの退職金(わずか2年4カ月の期間で)と380万円のボーナスも受け取るという。すべて都民の税金だ。冗談ではない! 使った公費を全額返せ! 直ちに監獄に行け!
●自公の責任逃れは許せない
 自民、公明は、舛添を延命させようとしてきた張本人だ。自民党都議は舛添と「9月まで知事を続ける」という密約まで交わし、公明も同意していた(産経新聞6月16日付)。しかし、人民の怒りは自民、公明の想定をこえて爆発し、何万件もの怒りの声が殺到した。参院選への影響を恐れて公明が13日に不信任決議案提出を決めた。自民党都議らは舛添に「辞職する考えさえ示してくれればすぐに辞職に追い込むことはしない」などと、日付を入れずに辞職願を出すよう説得したが舛添は拒否。最後は15日朝、安倍が電話し「いま退けばまだ再起の芽はあるかもしれないから」などと辞職を迫った(日経新聞6月16日付)。自民、公明は最初から最後まで責任逃れ、人民をだまして参院選をのりきろうという魂胆なのだ。
 猪瀬直樹前知事の贈収賄問題による辞任を受けて行われた14年2月の都知事選で、舛添を推薦したのは自民党都連、公明党都本部、そして連合東京だ。安倍自身が2月2日、銀座で舛添と並んで演説し、支持を訴えた(写真)。舛添をつくり出したのは安倍だ。
 共産党も同罪だ。都議会第3党の共産党は当然、舛添の腐敗・不正は知っていた。だが4月に週刊誌で暴露されるまで一切闘おうとしなかった。さらに忘れてならないことは連合東京が舛添を推薦したことだ。連合幹部は労働現場では民営化・外注化・非正規職化を推進している。自らの責任をほおかむりしている腐った与野党をぶっとばし新しい労働者の政党を登場させることが待ったなしだ。
●安倍政権こそ最大の元凶だ
 安倍政権こそが「1%」が人民を支配し、資本がもうけるためだけの政治を行い、汚い金と利権をむさぼっている。舛添の腐敗の根本はここにある。今年1月に賄賂問題で辞任した前経済再生担当大臣・甘利明は、まぎれもない犯罪を行っていたにもかかわらず5月に不起訴処分となり、再び政治活動を始めた。労働者人民をどこまで愚弄(ぐろう)しているのか!
 舛添は、この甘利と同じく民営化と労組破壊・公務員バッシングを最先頭で推進してきた。第1次安倍内閣の厚生労働大臣として「社会保険庁にはあしき労働慣行のがんがはびこっている。そうしたことも含めゴミを一掃する」(07年6月15日)という安倍の方針を実行し、社保庁労働者へのバッシングの先兵となった。「(年金を)横領した連中は牢に入ってもらう」(07年8月)とわめき、社保庁の現場労働者を「犯罪者」呼ばわりした。舛添にこの言葉をそのまま返してやろう!
 大臣就任後には事務職を残業代の支払い対象から外す「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション制度」について、「名前を『家庭だんらん法』にしろと言ってある」と言い換えを指示し、法案を推進した。また、都知事選の街頭演説でも「東京を国家戦略特区にしてどんどん金もうけを」と叫んだ。安倍の「働き方改革」を最先頭で実行してきたのだ。
●利権とわいろの東京五輪
 舛添は「リオに旗を受け取りに行きたい」などと戯れ言を言い続けたが、「大資本のために労働者を犠牲にするな」という労働者の怒りでリオ五輪自体がぶっとばされる寸前だ。東京五輪は2億2300万円ものわいろで招致し、ゼネコンなど大資本が利権に群がっている。
 14年都知事選で舛添と真っ向から対決し、「東京五輪はいらない」を掲げて闘ったのが鈴木たつお弁護士だ。参院選に勝利し革命をやろう。

このエントリーをはてなブックマークに追加