「待機児解消」叫び保育破壊 自・公・民・共が同調し

週刊『前進』02頁(2762号02面02)(2016/07/07)


「待機児解消」叫び保育破壊
 自・公・民・共が同調し

安全基準外し営利化を解禁

 今年3月11日、東京都中央区の事業所内保育所で1歳2カ月の男児の死亡事故が起きました。
 そのすぐ後、28日に厚生労働省は「受け皿を50万人分増やす」待機児童緊急対策を発表。31日には改悪子ども・子育て支援法が自民、公明、民進などの賛成で成立し、事故があったのと同じ企業内保育所を他企業の労働者にも開放して5万人分増やす「企業主導型」保育所が創設されました。本来、定員20人以上の認可施設には保育職員全員に保育士資格が必要ですが半数以上に資格があれば補助対象となります。企業は利潤を求め先を争って参入を始めました。
 昨年は重大事故が前年の177件から399件に増え14人が死亡しています。安全の破壊であり事故激発は必至です。労働者に責任を押し付けることなど許されません。

公立をつぶし民営化を推進

 新自由主義が保育を崩壊させ「日本死ね!」の怒りが噴出しました。追いつめられた安倍政権は保育基準の解体と非正規職化、公立つぶしと民営化を一気に進める攻撃に出ました。それに野党も同調し協力したのです。
 そもそも「待機児童」という言葉自体、小泉純一郎元首相の造語です。2001年「待機児童ゼロ作戦」で規制緩和、非正規職化・無資格化、株式会社化を進めて公的保育をつぶしにかかってきました。多様な「支援サービス」を強い、非正規職化で職場の団結が破壊されていきました。その結果、今では認可保育所でも死亡事故が激増し安全が崩壊しています。
 民主党(現・民進党)は子ども子育て支援新システムを進めて公的保育を解体してきた張本人です。日本共産党は「法律で決まれば仕方がない」として、現場の絶対反対の闘いに敵対し、共産党系の社会福祉法人が民営化の受け皿になって裏切ってきました。ある園長は「私の保育園で労働組合はつくらせない」とまで言い放ちました。本当に許せません。

闘って命育む保育奪い返せ

 闘い抜きに安全はかちとれません。「命よりカネ」の新自由主義を労働者の力で倒すことで初めて、命を育む保育を奪い返すことができます。
 安倍も野党も「保育士の処遇改善」「正規職の賃金を増やす」などと言いながら、非正規職化を進め過重労働を強いて事故の責任を現場労働者に押し付けようとしています。
 もうだまされません。公立つぶし、民営化と非正規職化、安全破壊を許さず、労働組合が中軸を担って、職場・地域から反撃を! 参院選・鈴木たつお候補の勝利をかちとりましょう。
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