韓国民主労総 7・20ゼネストへ進撃 日韓労働者の連帯闘争を 〝「命より金」の社会終わらせる〟

週刊『前進』02頁(2764号02面01)(2016/07/14)


韓国民主労総 7・20ゼネストへ進撃
 日韓労働者の連帯闘争を
 〝「命より金」の社会終わらせる〟

(写真 建設労組は「労働災害根絶」「8時間労働」などを求めて無期限ストに突入し、全国から2万人がソウルに結集して大集会を開いた【7月6日】)

(写真 鉄道全面民営化の発表に直ちに記者会見を行い、絶対阻止を宣言する鉄道労組【7月7日 ソウル駅】)


 韓国では、民主労総(全国民主労働組合総連盟)が、「1%」の財閥大資本が支配する社会を労働者階級のゼネストによってひっくり返そうと決起している。この闘いは昨年、パククネ政権による労働法制の大改悪攻撃を完全破産に追い込み、今年4月の総選挙では政府与党を惨敗にたたき込んだ。追い詰められてますます凶暴化するパククネ政権に対し、7月20日に第1次ゼネスト、9月に公共部門の無期限ストを含む第2次ゼネスト、11月に全民衆総決起が呼びかけられている。これと連帯し、戦争に突き進む安倍とパククネを日韓労働者の共同闘争で打倒しよう。

労組が全人民の結集軸に

 民主労総は現在、「働いても抜け出すことができない貧困、金がなくて人生を放棄し夢をあきらめなければならない野蛮な社会を停止させるための、最小限の要求」として、次の五つを掲げている。
 ①パククネ政権による解雇の自由化、全労働者の非正規職化などの「労働改悪」攻撃の廃棄、②労働時間の大幅短縮、③労働者の団結権・団体交渉権・争議権という労働基本権の保障、④最低賃金の時給1万㌆(約900円)への引き上げ、⑤「財閥の倉庫を開けろ」のスローガンに示される、社会を崩壊させてきた財閥の責任追及だ。
 そして「人間の顔をした資本はいない。だからお前たちに物乞いはしない。私たちの夢を、私たちの奪われた労働を、私たちの命と生存のための要求を、執拗(しつよう)な闘争でかちとるのだ」と宣言し、労働者の団結の力に一切を依拠して闘っている。
 そこにあるのは、新自由主義のもとで進行した労働者への途方もない搾取と生命・生活の破壊に対する、我慢の限界を超えた巨大な怒りだ。パククネがやろうとしているのはアベノミクスとまったく同じ、一握りの大資本が生き延びるために労働者を一層の低賃金・強労働と総非正規職化・貧困の地獄にたたき込み、最後は戦争に動員しようとするものである。
 だが韓国の労働者階級は闘う労働組合のもとに団結し、資本家階級と国家の総力を挙げた攻撃を真っ向から押し返し、逆に全人民の怒りを総結集してパククネ打倒・労働者権力樹立へ一直線に突き進んでいる。
 危機に立つパククネは7月4日、昨年11・14民衆総決起闘争の後に不当逮捕されて獄中にとらわれている民主労総ハンサンギュン委員長に、懲役5年の重刑判決(一審)を下した。民主労総の闘いが社会の「99%」の怒りを体現し、全人民の結集軸となっていることに心底から恐怖し、あらゆる手段で圧殺しようとする必死のあがきにほかならない。

鉄道の民営化絶対阻止へ

 パククネ政権はさらに7月6日、鉄道の全面民営化を打ち出した。鉄道民営化は97年の通貨危機とIMF管理以来、歴代の政権が絶えず仕掛け続けた攻撃であり、その最大の狙いは労働組合つぶしだ。2013年末にはKTX(高速鉄道)の民営化に反対して鉄道労組が23日間の大ストライキに決起し、世論の支持を圧倒的に獲得した。パククネは慌てて「社会的合意のない民営化はしない」と口にするところに追い込まれた。そのペテンを今や公然とかなぐり捨てたのだ。
 今回発表されたのは、国家財政の不足を理由に今後10年間で19兆8千億㌆の民間資本を投入し、全国の鉄道網14路線の建設を行うというものだ。線路の維持・補修・管理業務なども丸ごと民営化・外注化する。さらに民間資本の収益確保のために、鉄道公社がその路線に使用料を支払う、乗客への特別の高額運賃設定も認める、というとんでもないものだ。
 鉄道労組は直ちに記者会見を行い、この攻撃は公共鉄道を完全に破壊して財閥の金もうけの手段に変え、何よりも鉄道の安全を深刻な危険にさらすものだと弾劾した。そしてかつての23日間ストをも上回る大ストライキで絶対に阻止すると宣言した。
 現在すでに、極限的な人員削減と外注化・労働者の非正規職化が進む中で、いたるところで安全が崩壊し、労働災害が激発している。5月28日にはソウル地下鉄2号線の九宜(クイ)駅で、ホームドアの修理作業をしていた19歳の非正規の青年労働者が、ホームに入ってきた電車とドアの間に挟まれて死ぬ惨事が発生した。安全の根幹に関わる業務が何の技術も持たない複数の外注会社に下請けされていた結果だ。
 しかもソウル地下鉄とソウル市が外注業者に人件費を極限まで減らせと要求する中、人員不足のために危険な作業をたった一人でやることを強制された。それも午後6時という退勤ラッシュの時間帯にだ。これで事故が起きないはずがない。青年労働者はまさに「命より金」の新自由主義によって虐殺されたのだ。
 今や「労働者を殺すことで肥え太る」最末期の資本主義への怒りは全労働者にあふれている。鉄道労働者の民営化・外注化絶対阻止の闘いが、パククネを打倒し全社会を変革する革命への道をさらに押し開くのは間違いない。それは同時に、帝国主義とスターリン主義によって生み出されている朝鮮半島での新たな戦争の切迫と対決し、これを阻止する決定的な力だ。この闘いに徹底して学び連帯して闘おう。

このエントリーをはてなブックマークに追加