8・6広島の発言より 国際連帯で核戦争阻止を

週刊『前進』04頁(2771号03面01)(2016/08/15)


8・6広島の発言より
 国際連帯で核戦争阻止を

(写真 警察権力や右翼の妨害を敢然とはねのけ決意表明する被爆2世・中島健さん【8月6日 広島市】)

 8月6日、広島で「被爆71周年8・6ヒロシマ大行動」が闘われ、戦争・改憲・核武装を狙う安倍政権打倒と11月総決起へ決戦の火ぶたが切られた(本誌前号で既報)。6日朝の原爆ドーム前アピール集会での被爆2世の発言、午後の大集会での被爆者と被曝労働拒否を闘う労働組合の発言の要旨を紹介します。(編集局)

被爆者の訴え

福島の人びとに寄り添って
 ヒロシマ大行動共同代表 吉原美玲子さん

 私は8歳の時、爆心地から1・5㌔のところで被爆し、熱線で大やけどを負いました。生き残った被爆者の一人として、8・6ヒロシマ大行動にずっと参加し、きょうもここに立っています。
 私は今、福島のことが一番頭にあります。たくさんの人が内部被曝をしています。一番心配されていた子どもたちの甲状腺がんが、疑いも含めて173人も見つかっています。政府や福島県は原発事故の影響ではないと言いますが、私たちはそういう発言には断固反対しなくてはなりません。
 私は被爆当時の母のことを思い出します。愛するわが子がひどいやけどをして横たわる姿を見てどんなに悲しかったか。福島のお母さんたちも、わが子が甲状腺がんになった悲しみ、これからがんが見つかるかもしれない不安の中で生きています。私たちはそういう人たちに寄り添いたいと思います。ふくしま共同診療所をこれからもみんなで支えましょう。
 5月27日、アメリカのオバマ大統領が広島に来ました。核の発射ボタンを携えて来たことに、私の周りでも驚きの声が上がっています。また7月10日の参院選後、安倍政権が改憲を叫んでいます。これに対してみんなで声を大にして抗議し、行動していきましょう。

日韓労働者で平和つくろう
 NAZENナガサキ 城臺美彌子さん

 午前中のデモ行進に力をいただきました。ありがとうございました。
 私は爆心地から2・4㌔で被爆し、10日後に長崎を離れました。私の同級生は長崎を離れられず、その後亡くなりました。当時24万人いた長崎市民は1年後に16万人になり、71年後の現在、生存する被爆者は4万人近くまで減りました。平均年齢80歳、白血病や多重がん、骨の異常などで多くの人が入院中です。
 戦後2年目に日本国憲法ができたことを知り、当時小学生の私は喜びに飛び上がりました。先生は私たちに「みんなよう聞け。もう日本は永久に戦争をしない。爆弾も空襲ももう終わりだ」と教えました。ところが今、安倍政権は憲法をそっちのけにして集団的自衛権を容認し、安保法制を制定しました。今年の長崎平和宣言の起草に際しては、ある団体から「侵略・加害・反省・謝罪」の四つの言葉を入れるなと申し入れがあり、集団的自衛権や安保法制への疑問の言葉も市長宣言から消されました。
 今こそ私たちは憲法の中身を知り、それがどう変えられようとしているのかを学ばなければなりません。きょうは韓国の方も見えています。日本の労働者のみなさん、一緒になって平和をつくるために頑張りましょう。

被曝労働拒否する

伊方原発の再稼働を阻む
 愛媛県職員労働組合 委員長 宇都宮理さん

 自治体労働者は今、民営化攻撃、戦争、原発再稼働推進と闘っています。これらはすべて組合つぶしの攻撃です。原子力の災害が起こった時には安全な業務などは絶対にあり得ない。みんな被曝覚悟です。労働者を犠牲にするという点で、戦争と一緒です。
 愛媛では昨年11月、再稼働に向けた訓練に対して県庁前で抗議行動を行い、3月と7月にも集会を行いました。7月17日には愛媛の中心地で集会を行い、私たちも「県庁の中から原発に反対しています。原発労働者もその家族も本当は嫌なんだ。上層部は再稼働を推進しても、県職員や原発労働者は違う」と力いっぱいアピールしました。
 今、高浜原発が止まっています。川内原発も停止が要請されようとしている。伊方だけが再稼働に向けて動いています。
 しかし私は、愛媛で原発が動くとはまったく思っていません。愛媛には金曜行動の闘いも、ゲート前の闘いもある。県民の多くが反対している。私たち労働組合もいる。また愛媛で集会をやりたいと思っています。
 フランスの労働者がストライキによって原発を止めました。私たちもストで原発を止めて、戦争にも反対していく。それが当面する目標です。

常磐線の全線開通許さない
 動労水戸副委員長 高野安雄さん

 JR常磐線の全線開通へ向けた動きが始まっています。7月12日に小高―原ノ町間の運転が再開し、被曝労働拒否の闘いも新たな段階に入りました。福島原発のすぐ横の線量が一番高いところに列車を走らせる、こんな暴挙はない。全線開通を絶対に阻止したい。
 避難者が国や自治体から見捨てられる中で、地元住民との対立もあおられています。私たち動労水戸は避難者が多く暮らすいわき市に事務所を構えていますので、避難者を守りぬく取り組みを、ふくしま共同診療所と一緒にやっていきたい。
 常磐線全線開通のために工事をやり、列車を走らせているのは、大半がJR東労組の組合員です。組合は何をやっているのか。安倍の全線開通宣言を受けて、東労組の地本委員長とJR水戸支社の支社長が「困難な施策だから、支社と地本で最優先課題として取り組んでいく」と確認したという。組合員は誰も、そんなところを列車を走らせたくないし、工事にも行きたくないのに、組合が強制する。こんなのは組合ではありません。
 韓国の民主労総から、11月集会を世界の労働者に呼びかけようと提起されています。11月集会の1万人結集へ全力で頑張りましょう。

被爆2世から

朝鮮戦争阻止へ闘いぬく
 反戦被爆者の会 中島健さん

 きょうの闘いの目的は明瞭です。朝鮮侵略戦争を絶対に阻止する。全国の労働者が決起して一切の戦争協力を拒否し、帝国主義を倒して、韓国や世界の労働者民衆とともに新しい社会をつくっていくということです。
 今から66年前の1950年8月6日、広島ですべての集会が禁止され、街中を機動隊や米軍が徘徊(はいかい)する中で、峠三吉を始めとする被爆者が決起し、〝朝鮮の人びとの頭上に核兵器を落とさせない〟と激烈に闘いました。在日朝鮮人のある被爆者は「占領目的違反」で7年もの実刑を受けました。
 その当時、できたばかりの総評は「朝鮮戦争支持・北朝鮮非難・連合軍支援」の決議を上げました。しかし今、私たちがつくり出してきた国鉄闘争を先頭とする全国の闘いは、労働組合の戦争賛成を許さず、連合を分裂させるところまで追い詰めています。そして5月27日のオバマ来広反対の闘いは、多くの被爆者の怒りを解き放ちました。
 安倍は今、日本の核武装化を狙い、原発再稼働や核燃サイクルの推進を強行している。現代の戦争は必ず核戦争になる。だからこそ絶対に戦争は許さない。みなさんとともに闘いぬく決意です。

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