8・9長崎 〝改憲と核武装許すな〟 安倍の平和式典出席を弾劾

週刊『前進』02頁(2772号02面03)(2016/08/18)


8・9長崎
 〝改憲と核武装許すな〟
 安倍の平和式典出席を弾劾

(写真 爆心地公園前で安倍に怒りのこぶし【8月9日 長崎】)

 「安倍は長崎に来るな!」「改憲を阻止するぞ!」「日本の核武装を許さないぞ!」。被爆から71年目の8月9日、長崎市内の城栄公園から出発したNAZENナガサキを始めとする全国のNAZENのデモ隊は、平和式典に参加しようとする安倍の車列を目の前に、真っ向から弾劾をたたきつけた。デモは朝鮮侵略戦争を労働者の国際連帯で阻止しようと全力で訴えて、爆心地公園まで進んだ。式典会場近くでさらに安倍に怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。原爆被害者の遺族や全国からの労働者と合流し、原爆投下の11時2分に一緒に黙祷(もくとう)した後、午後の集会への参加を訴えた。

核兵器と原発直ちになくせ

 同日午後1時30分、「川内原発ただちに止めろ/核廃絶!改憲と戦争の安倍政権を倒そう!被爆71周年8・9長崎集会」が開かれた。朝鮮侵略戦争の切迫と安倍の改憲攻撃、またオバマ広島訪問後の情勢下、全国で被爆者が労働者の闘いと結びつき立ち上がっている。今回の長崎闘争は、被爆者の怒りと決起の新たな始まりを示した。
 集会の冒頭、主催者を代表し被爆71周年のメッセージとして被爆者の城臺美彌子(じょうだい・みやこ)さんが発言。「今、憲法は安倍政権によってなきものにされようとしている。再び戦争の道を歩むのか。そうならないように、核兵器も原発も改憲も阻止し、福島の棄民政策をはねのけ、断固として闘うべく、市民・労働者が力を合わせて進んでいきたい」と、戦後最大の決戦の到来を明らかにした。
 動労福島の橋本光一委員長が講演し、「動労福島が帰還強制絶対反対の力ある勢力として登場したことは決定的」「原発を止めるとは被曝労働拒否の闘いを職場でやること」「原発労働者が労働組合に結集し、闘いの最先頭に立てば原発は止められる」と訴えた。
 広島連帯ユニオンの壹貫田康博書記長が8・6ヒロシマ大行動について報告。「オバマ広島訪問阻止闘争と8・6ヒロシマ大行動は、核戦争をなくし、人間的な共同性を取り戻す闘いとなった。韓国・テグの民主労総の仲間とひとつになり、労働組合の団結を基礎に闘った。伊方原発再稼働を絶対阻止し、福島と連帯して闘おう」と訴えた。
 集会の後半には、福島を訪問した女性が、ふくしま共同診療所や、今も変わらない仮設住宅の厳しい現実、そこで必死で生きる人びとの姿、帰還を強制する行政の対応などを報告した。
 今年7月に長崎で行われた保養のビデオが上映され、保養に参加した家族の感想が紹介された。
 長崎の被爆3世は、原爆と原発は一体であり、安倍政権がやろうとしている戦争と改憲に絶対に反対すると述べた。
 NAZEN福岡が「川内原発を直ちに止めろ」と題して発言し、労働運動の組織化と反原発闘争を一体で進めることの重要性を力強く訴えた。
 動労千葉、動労福島、動労総連合・新潟、動労西日本、動労総連合・九州の労働者が登壇し、代表して動労千葉の中村仁執行委員と動労総連合・九州の羽廣憲委員長が発言した。中村執行委員は「非正規とつながり、労働者が労働を奪還する闘いを進めれば、原発も絶対に止められる。日韓で全世界に呼びかける11月集会に1万人を集め、安倍を倒そう」と呼びかけた。
 羽廣委員長は「2月に動労総連合・九州を結成した。JR九州、九州電力、安倍と対決し勝利するまで闘いはやまない。被曝労働強制と外注化に反対し、JR九州の株上場に絶対反対し闘う」と表明した。
 さらにレイバーユニオン福岡、関西労組交流センター、全金本山労組、全学連が発言。全学連は天皇ビデオメッセージを激しく弾劾するとともに、京大無期停学処分粉砕を熱く訴えた。
 NAZENナガサキの橋里耕悟事務局長がまとめを提起し、「安倍政権の被曝強制・帰還強制は殺人的行為だ。福島の怒りを共有しよう。戦争と改憲を止めるのは労働組合・労働者の団結した力だ。川内原発を直ちに止めよう。伊方原発再稼働も殺人的行為だ。11月の東京とソウルを結ぶ労働者国際連帯闘争へ。獄中42年目を迎えた星野文昭さんと連帯し闘おう」と力強く呼びかけた。
 これに先立つ8日には、NAZENナガサキによる長崎市内デモと街頭宣伝が行われた。

前日のデモと街宣も大反響

 「朝鮮侵略戦争反対! 核をなくせ! 安倍打倒!」を訴え、中華街からアーケードを貫く市内デモに、多くの長崎市民が手を振って応えた。夕方の街頭宣伝では、同時に多数の人びとが署名する状況が絶えず続いた。
 今年の長崎闘争は、朝鮮侵略戦争情勢とそのもとでの天皇制反革命と対決し、安倍の改憲と核武装攻撃を許さず、労働者民衆が共同性を取り戻し、国際連帯を貫き社会を変革するための歴史的な行動となった。被爆者の怒りを組織し、新たな被爆者運動をつくり出す重要な闘いとなった。8・6―8・9闘争の勝利の上に11月労働者集会へ全力で突き進もう!
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