職場で闘い11月大結集へ 動労千葉 遮光カーテン認めさせた 運転士への背面監視許さず

週刊『前進』04頁(2775号02面01)(2016/08/29)


職場で闘い11月大結集へ
 動労千葉 遮光カーテン認めさせた
 運転士への背面監視許さず

(写真 運転士の判断でカーテンは下ろせるとの団交確認を報じる日刊動労千葉 )

 外注化・合理化による安全の破壊を原因としたJRの重大事故が続発している。さらにJRは、この間、運転士に対する背面監視や締め付けを強化し、運転士を精神的不安に追い込む攻撃を激化させてきた。これは重大な事故をもたらしかねない。反合理化・運転保安闘争を路線の柱に据えて闘いぬいてきた動労千葉は、この攻撃に果敢に反撃し、大きな勝利を切り開いた。

反合・運転保安闘争貫き

 韓国・民主労総ソウル地域本部と動労千葉、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同の4労組は、今年の11月を東京とソウルを結び、日韓労働者の共同の行動として闘うことを呼びかけた。これは、切迫する朝鮮侵略戦争を阻止するとともに、新自由主義攻撃と対決する階級的労働運動をよみがえらせる闘いだ。
 民主労総は、パククネ政権による「労働改革」に、昨年来、数波のゼネストで立ち向かってきた。日本でも安倍政権は、戦争・改憲の攻撃を激化させるとともに、「働き方改革」「1億総活躍」を叫んで労働法制の大改悪に踏み込んでいる。これは、正社員をゼロにし、すべての労働者を非正規職にたたき込もうとする攻撃だ。これに総反撃するゼネストが、日本においてこそ求められている。その基礎となるのは、資本と非和解的に対決する階級的労働運動を、職場によみがえらせることだ。
 動労千葉は関生支部や港合同とともに、その実践の先頭に立っている。
 動労千葉が発行する組合機関紙「日刊動労千葉」8135号(7月21日付)は、JR東日本千葉支社との団体交渉で、以下の3点を確認したと報じている。「①安全上支障がある場合、指令に連絡した上で、運転士の判断でカーテンを閉めても構わない。②背面からの撮影を禁止する旨のステッカーを貼る等の対策を検討する。③インターネット上の不適切な画像や映像に関しては、本社危機管理室が対応しており、今後も削除等を要請していく」
 この間、JRによってあおられた一部の乗客が、乗務員を背後から撮影し、その映像をインターネット上に流す事例が頻発している。その映像を使って「運転士が居眠りしていた」「スマホを操作していた」などのキャンペーンが行われ、大手マスコミもそれに依拠した報道を繰り返している。こんなことを放置すれば、運転士は精神的に追い詰められ、安全運行は破壊される。2005年4月25日、JR西日本の福知山線・尼崎―塚口間で起きた大事故も、運転士がJRの極限的な締め付けに追い詰められた結果、生じたのだ。
 こうした事態を防ぐには、運転士が自らの判断で乗務員室の遮光幕(カーテン)を閉める以外にない。ところがJR東日本は、「カーテンを開けることは乗客へのサービスだ」「写真も動画も撮影自由」「乗務中の労働者に肖像権はない」という態度をとり続けた。JRの管理者自身が乗務員室の背面に立ってカーテンの開閉をチェックしたり、運転士の一挙手一投足を監視することまでやった。
 起きている事態は、現場労働者が「分割・民営化前と同じ雰囲気」と言うほどすさまじいものだ。分割・民営化前、カーテンを下ろす運転士には、処分や「JR不採用」の脅しがかけられた。マスコミは「国鉄労働者は怠けている」という「ヤミ・カラ・タルミ」キャンペーンを連日のように垂れ流した。それと同等の攻撃が、再び襲い掛かってきたのだ。
 これに対し動労千葉は、6月26日の第75回定期委員会で、ストも辞さずに闘う方針と態勢を確立した。「これは国鉄採用者の退職後の労務政策を見据えた労働組合全面解体の攻撃だ」と喝破した動労千葉は、徹底反撃に立った。7月14日の団交では、怒りをたぎらせてJRを追及し、「サービスよりも安全が大事」「カーテンを下ろすのは運転士の判断」という回答を引き出した。
 他方でJRは、カーテンを下ろす場合は「指令に連絡した上で」とし、カーテンを下ろした「事情は聞かせてもらう」として、あくまでこの問題を運転士への締め付けの手段として残そうとしている。しかし、乗務員室のカーテンは、光の乱反射などを防ぎ、安全運行を確保するための安全機器のひとつとして設置されたものだ。何千人の命を預かって乗務している運転士が、その開閉を自らの判断で行うのは当然のことだ。
 動労千葉は「安全確保のために迷わずカーテンを閉める」を掲げ、日常的に反合・運転保安闘争を闘いぬいている。

外注化粉砕する組織戦に

 動労千葉が車両の検査・修繕業務の外注化に絶対反対で闘っているのも、反合・運転保安闘争を貫いているからだ。
 JR東日本は12年10月、検修業務の外注化を強行した。これ自体はすさまじい攻撃だが、JRが外注化を提案したのは00年だ。動労千葉の闘いは10年以上もJRの攻撃を遅らせてきた。JRが狙う業務全般の外注化と外注会社への労働者の転籍強要は、まだ達成できていない。
 だからJRは、検修業務を担う幕張車両センターに、動労本部青年部書記長やJR総連青年婦人部長を歴任したカクマル分子・川又吉正をエルダー社員として送り込み、動労千葉幕張支部の組織破壊をたくらんでいる。
 また、来年定年を迎える繁沢敬一副委員長に対し、エルダー制度による再雇用先として錦糸町駅を提示し、本人希望の京葉車両センターから追放する攻撃をかけている。
 動労千葉はこれらの攻撃に対し、組織の維持・強化・拡大をかけた激しい攻防戦に突入した。
 職場で徹底的に闘えば、資本に矛盾を強い勝利の展望をこじ開けることはできる。動労千葉の闘いはそれを実証している。あらゆる職場でこうした闘いを貫き、労組拠点を形成して、11月巨万の結集を実現しよう。

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