清水丈夫選集第6巻を刊行 鮮明な時代認識と情勢論

週刊『前進』04頁(2779号04面05)(2016/09/12)


清水丈夫選集第6巻を刊行
 鮮明な時代認識と情勢論

新自由主義への大転換期つかむ

 「74〜75年世界恐慌後の内外情勢」と題する清水丈夫選集第6巻が刊行されました。久しぶりの第8回目の配本です。革共同の清水丈夫議長が執筆した「世界史的激動期の到来と反帝国主義・反スターリン主義」をはじめ5本の論文を掲載しています。1979年1月から80年1月の『前進』や『共産主義者』に掲載された論文です。
 序文は刊行委員会が執筆し、巻末には収録5論文の解説を掲載しています。
 74〜75年恐慌によって、戦後帝国主義世界経済はついに過剰資本・過剰生産力の矛盾を爆発的に露呈しました。帝国主義の戦後発展は全面的に行きづまり、75年のアメリカのベトナム侵略戦争敗北とあいまって、米帝の絶対的優位は大きく掘り崩されます。
 このなかで、中東や東アジアをはじめ全世界の労働者階級人民の大反乱が開始されます。
 歴史的没落の過程に入った米帝のあがきが、カーター政権(77年1月成立)による対スターリン主義対決=帝国主義間争闘戦貫徹の政策を生み出します。本書では、ドル防衛をはじめとした米帝カーターの経済政策・軍事外交政策の実証的批判が全面にわたって展開されています。
 この帝国主義の危機の激化が、80年代冒頭に米帝レーガン、英帝サッチャー、日帝・中曽根といった新自由主義者を歴史の舞台に登場させるのです。80年代、新自由主義政策へとかじを切ることによって、帝国主義は危機脱出の出口を求めて凶暴化していきます。
 本書で清水議長が指摘しているとおり、戦後世界体制はガタガタに揺さぶられ、時代は大きく動きました。「最弱の環」に転落する日帝、スターリン主義の根本矛盾の露呈と中ソ対立などの矛盾が新たな戦争として爆発します。この矛盾は同時に、全世界の労働者民衆の憤激をもたらし、韓国・光州蜂起やイラン革命などの革命的情勢をたぐりよせていくのです。
 清水選集第6巻の全体を貫く精神は、革共同の時代認識と内外情勢把握が綱領的・路線的高さをもって具体的かつ鮮明に示されているところです。帝国主義とは何か、スターリン主義とは何か、戦後世界体制とは何かなどをとらえる点において、今日の新自由主義とその破産、新自由主義との闘いを組織する上でも普遍的価値をもっています。

革共同50年の闘いの基礎築く

 本論文の精神は、革共同の50年史『現代革命への挑戦』(上巻4章)に示されるように、現在の革命的共産主義運動の中に日々継承・発展させられ、日本革命―世界革命を切り開く革命的時代認識となっています。
 清水議長の提起は、日帝ブルジョア支配階級、そしてカクマルをはじめとした反革命との50年を超える闘いの土台・背骨となり、全国の同志の闘いを根底で支えてきました。新しく革共同に結集した同志も清水選集をぜひ読破してほしいと思います。
 第6巻は、B6判352㌻、本体2200円+税。清水選集刊行は、11月国際共同行動への檄(げき)となる画期的事業です。今後、第7巻、第8巻を刊行する予定です。ぜひ活用してください。
このエントリーをはてなブックマークに追加