11・6日比谷野音に総結集し労働法制大改悪を粉砕しよう 田中動労千葉委員長が渾身の訴え

週刊『前進』02頁(2786号01面01)(2016/10/06)


11・6日比谷野音に総結集し労働法制大改悪を粉砕しよう
 田中動労千葉委員長が渾身の訴え

(写真 ゼネスト3日目、意気高く闘う鉄道労組【9月29日 ソウル】)


 10月1日、11・6全国労働者総決起集会に向けた第3回実行委員会が東京で開かれ、「あと1カ月、11・6日比谷野音を満杯にしよう!」と誓い合った。実行委での動労千葉の田中康宏委員長の訴えに応え、奮闘しよう。(編集局)

就業規則改悪に反撃

 11・6まで1カ月。一緒になって1カ月間を走りきって、絶対に成功させたい。
 韓国・民主労総が9月27日に公共運輸労組の無期限のゼネストに入りました。これがどれほど大変なことなのか。執行部は逮捕されたままです。11・6日比谷野音を満杯にすることが、民主労総に連帯する一番の道だと思います。
 CTS(千葉鉄道サービス)の就業規則改悪が今日、強行されました。就業規則改悪との闘争を闘って、こうした闘いの中に戦争を止める労働運動をつくり出していく力があるんだと確信することができました。
 CTSの就業規則改悪は、労働者を会社が選別して、無期雇用に転換する労働者以外は雇い止めにする、無期雇用になっても月給制から時給制に変えるという攻撃です。2月に突如です。これを見た途端、認識が一変しました。これと対決する闘いには普遍性がある。ゼネストの芽はここにあることをつかんだのです。
 動労千葉の組合員には、「CTSの就業規則改悪を粉砕するためにJR本体の組合員がストライキに入ってほしい。この問題はすべての労働者の未来にかかわる問題だ」と必死になって訴えました。春闘ではJR本体の労働者がCTSの就業規則改悪阻止を掲げて2波のストライキに入りました。正規と非正規が持続した団結をつくり、気持ちをひとつにして闘うことは、簡単ではない。賃金は倍くらい違う。でも、こういうふうに闘えば、正規と非正規の団結が現実にできることを学びました。
 今の社会は新自由主義・資本主義の崩壊過程にある。矛盾のるつぼで、人が人として生きていけない。社会すべてが津久井やまゆり園事件のような現実に置かれている。労働運動はここまで後退している。しかし、その現実の中から労働者が団結を回復し、新自由主義をぶっ倒す闘いを具体的に構想することができると、就業規則改悪反対の闘いをとおしてあらためて確信しました。
 この闘いの渦中で、繁沢敬一副委員長に対し、定年後の再雇用先として本人希望を無視した錦糸町駅が提示されるという問題が起きました。動労千葉は今年度、20人が定年退職を迎えます。再雇用を希望しても、通勤できない職場を示されて、辞退せざるを得ない組合員も出ました。その中で、繁沢副委員長には徹底抗戦を貫いて、納得できる職場が提示されるまでは再雇用の契約を結ばないという闘いをしてもらいました。
 さらに、3月のダイヤ改定後、運転士に対する異常な背面監視・締め付けの問題が浮かび上がってきました。運転席の後ろからスマホで動画を撮られ、一瞬、ハンドルから手を離した部分だけ切り取られて、「居眠りしていた」「指差喚呼(しさかんこ)してなかった」とインターネットで流される。
 先日も近鉄奈良線で、車掌が乗客に詰問されて、高架から飛び降りて自殺を図る事件が起きた。JRでも状況はまったく同じです。運転士には生理的限界を超えた労働強化が押し付けられている。「この現実と闘わなければ、JR本体での組織拡大は無理だ」という声が組合員から出ました。
 執行部は総力で全支部オルグに入り、6月の定期委員会で反合・運転保安闘争の再構築という方針を出しました。現場からは「俺が乗務している工事用臨時列車をストライキに入れてくれ」という意見が出た。工事用臨時列車の運転席は夏場は50度近くになる。その業務に携わった組合員が脳梗塞(のうこうそく)で倒れている。組合員は「これだ」と決意をひとつにして、臨時工事列車の指名ストに立った。
 7月にはさらに新たな事態が起きました。JRは検査修繕・構内運転の外注化を進めるために、動労千葉の幕張支部の破壊を狙って、東労組の組合員を幕張車両センターに送り込んできました。12月にはゴリゴリのカクマルも送り込まれようとしている。これは、転籍強要も射程に入れた攻撃です。
 2月以来の闘いで、CTSの現場には「職場に闘う労働組合が必要だ」という意識が形成された。これはひとつの到達点です。しかし、まだ組織拡大には至っていない。だから、考慮に考慮を重ねて、9月30日と10月1日のCTS抗議闘争を組みました。
 労働者の怒りは満ちている。それを丸ごと組織して労働運動を再生する道は必ずある。仲間を組織し、11月集会にともに進んでいきたい。この間の闘争から、その確信をつかみとりました。

韓国ゼネストに続け

 民主労総は9月27日、公共運輸労組が無期限のストライキに入りました。民主労総は徹底して原則的に、そして柔軟にひたむきに労働者を組織し、大衆的にこの闘争を打ち抜いています。訴えの一言一言が、すべてを獲得するという意志と決意に満ちています。この姿に学ばなければいけない。
 11月集会は東北アジア―朝鮮半島をめぐる戦争の危機と対決する集会です。アメリカのランド研究所が「中国との戦争を今、開戦すべきだ」という報告書を出し、「外交問題評議会」は「北朝鮮への空爆を開始すべきだ」という報告書を出した。10月10日からは、史上空前の規模の米韓合同軍事演習が始まります。「戦争が起きる前に戦争を止める」と、民主労総は切実な思いをこめて11月国際共同行動を提起した。だから11月集会を絶対に成功させたい。
 11月集会は、安倍の「働き方改革」―戦後労働法制の解体攻撃と対決する集会です。この攻撃は、国鉄分割・民営化型の攻撃の全社会への拡張です。正社員ゼロ化・解雇自由化、就業規則を万能化し、就業規則の一方的改悪で労働者のすべての権利を奪うということです。
 全世界で、労働法制大改悪に対するゼネストが始まっています。フランスでは全産別がストに入り、インドでは1億5千万人がゼネストに立った。
 日本では安倍政権が「同一労働同一賃金」「非正規職という言葉を一掃する」「最低時給1000円」などとペテンを唱え、それに連合も全労連もマスコミも迎合している。でも、安倍がやろうとしていることは、正社員ゼロ化と全労働者を最低時給にするということです。これをやったら社会は崩壊する。それに対する怒りに火をつけ、ゼネストをやらなければならない。11月集会は、この攻撃に反撃を開始する集会です。
 労働法制改悪に対し、理屈で法律を批判しても闘いにはなりません。現実のほうが先行しているから、現実に闘いを起こさない限り、批判にはならない。逆に、どんなに小さくても闘争を起こせば怒りは結集する。国鉄分割・民営化に勝ち抜いてきたわれわれこそが、本当にこの闘いを組織できる存在です。

都労連の闘いが勝負

 11・6集会は東京で開きます。東京で勝負しなければ勝てません。焦点は小池都知事と対決し打倒することです。小池は築地市場の豊洲移転問題について、「盛り土問題の責任者は誰か分からない」という報告書で、早くも幕引きを始めています。彼女の正体は何なのかを、都労連の労働者に徹底的に暴き出さなければいけない。大阪の橋下徹のブレーンだった上山信一を引き入れ、国鉄分割・民営化と同じことをやろうとしているのが小池です。都議会での所信表明演説では「働き方改革」と言った。安倍政権と同じです。東京都を丸ごと民営化し、労組を破壊する。これと真正面から闘い、東京都の労働運動を復活させることを、11月集会のもうひとつの柱にしたい。
 11月集会に3労組で取り組んできて、もう19年になります。民主労総のハンサンギュン委員長が獄中から発したメッセージの一節に、〝民主労総20年。20年たったら、自らすべてを変えなきゃいけない。その挑戦が民主労総に問われている〟とあります。11月集会も19年。自らを変え、時代に食らいついていかなければならないと思います。
 残りの1カ月、全員が組織者となり、全力で職場・地域、知人・友人をオルグしましょう。国鉄新10万筆署名をその武器に活用してください。「国際連帯で戦争が始まる前に止めよう」と、街頭だけでなくぜひ職場の仲間に訴えてほしい。「戦争が迫っている。これをどう止めるか」を職場で真剣に訴えて、組織してほしい。11・6の成功へ、全力での取り組みをあらためてお願いします。

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