水銀7倍検出=豊洲移転撤回を 小池知事の都労連解体と闘おう

週刊『前進』02頁(2790号01面02)(2016/10/20)


水銀7倍検出=豊洲移転撤回を
 小池知事の都労連解体と闘おう

(写真 9月28日、都庁前で「豊洲移転撤回を」と訴える東京西部ユニオンの北島邦彦副委員長)


 小池都知事は2020年東京オリンピックに向けて労働者・労働運動への大攻撃をしかけてきている。小池知事の掲げる「東京大改革」の最大の狙いは、安倍政権・経団連と一体の「都の働き方改革」であり、都営地下鉄を先端とした都の丸ごと民営化と都労連の解体である。全労働者の未来をかけ東京の労働運動をめぐる大決戦に立とう。
 小池―安倍打倒の闘いは、現在、朝鮮戦争の切迫下で闘われている韓国・民主労総の「成果年俸制・成果退出制」絶対阻止のゼネストと一体の闘いである。民主労総と連帯し、11・6労働者集会に巨万の結集をつくり出そう。
 またしてもとんでもない事実が明らかになった。東京都は10月15日、豊洲新市場の青果棟の地下3カ所で採取した大気から国の定める指針の最大7倍の水銀が検出されたと発表した。水産卸売場棟の地下2カ所でも指針値を上回った。
 環境基準を超えるベンゼンとヒ素が検出された8回目の地下水モニタリング調査とあわせ、豊洲の予定地は絶対に生鮮食品の市場にしてはならない場所であることがいよいよはっきりした。水産仲卸棟と水産卸棟を結ぶ連絡通路の地下は汚染物質の除去がなされず、環境基準を超えるシアン化合物やベンゼンなどの汚染物質が残っている。
 一連の事実に最も追い詰められているのが小池知事である。移転などもはや論外であることがはっきりしながら、今なお小池知事は絶対に「移転撤回」を言わない。最終的には自民党と同じく豊洲移転を狙っており、労働者の怒りが根底から爆発することを恐れているのである。

石原は免罪し「都職員粛正」

 小池知事は「今回の事態を招いた最も大きな要因はガバナンス(統治)、責任感の欠如だ」(9月30日記者会見)と事態をすりかえ、最大の主犯である石原慎太郎元知事を免罪した。その一方で、10月5日の都議会で「退職者も含めて懲戒処分などしかるべき対応をとる」と述べ、12日に中央卸売市場市場長の更迭を発表した。「全職員を粛正」「情報公開を徹底」と叫んで労組破壊に向かおうとする正体をついにあらわにし始めた。
 都の内部調査報告書で、盛り土計画の空洞への変更を決めた責任者は不明と結論づけたのは、石原の責任をごまかし免罪するためである。石原は、公開の場での聞き取りを拒否し、文書回答でも責任逃れに終始している。断じて許せない!
 一番の問題は、最大の汚染地帯に生鮮食品市場を移転しておぞましい利権をあさろうとした石原や自民党、ゼネコンなどの犯罪行為だ。豊洲移転関連予算が都議会で1票差で可決された2011年3月11日、まさにその日に東日本を襲った大震災で豊洲の予定地は液状化し、土壌や地下水は混ざり合い、移転などあり得ないことが突きつけられた。しかし石原知事はその事実を隠蔽(いんぺい)し再調査も行わずに3月末に東京ガスと土地売却契約を結んだ。これを前後する過程で盛り土の計画変更も行われた。
 豊洲移転は労働組合の問題である。築地市場を廃止し、80年以上にわたり培われてきた市場で働く労働者や仲卸の共同性を破壊し、労働者の誇りを奪う。自民・公明から日本共産党までオール小池与党となった都議会と対決する労働者の闘いこそが求められている。
 豊洲移転は白紙撤回せよ! 豊洲移転を突破口に都の丸ごと民営化と都労連破壊へ向かう小池知事を倒そう。

東京都丸ごと民営化を狙う

 小池知事が設置した都政改革本部の中心に前大阪市長・橋下徹のブレーン・上山信一(慶応大教授)がいる。上山は大阪市特別顧問であった時に「国鉄は自分で改革できなかった。だから中曽根によって分割・民営化されることになった。今の日本は国鉄とそっくり同じだ」と主張し市営地下鉄・バスや上下水道の丸ごと民営化を狙った。しかし現場労働者の絶対反対の闘いが、すべてが団結権破壊の不当労働行為であることを暴き出し、橋下―上山を打倒した。
 小池知事―上山は今、都営地下鉄24時間化、大合理化・民営化、東交の解体へ向かおうとしている。新型車両導入はメンテナンス部門外注化の攻撃であり、安全破壊である。現場労働者は合理化による労働強化、駅管区制による労組破壊に怒りを燃やしている。
 闘いの焦点は労働組合の団結をめぐる攻防だ。国鉄闘争の発展と現場からの絶対反対の闘いで、攻撃は粉砕できる。
 小池知事はまた、羽田空港の国際線発着枠を拡大し、安全を無視し住民生活を破壊する都心低空飛行を強行しようとしている。住民の怒りの決起が始まっている。労働組合が絶対反対の闘いに立つことが決定的だ。
 11・6労働者集会は国鉄分割・民営化に絶対反対を貫く動労千葉をはじめ3労組が呼びかけ、JRに1047名解雇撤回を迫る闘いであり、安倍―小池知事の労働法制改悪と改憲を打ち破る労組の大隊列をつくり出す闘いである。ゼネストで労働大改悪に立ち向かう民主労総と日本の3労組が国際共同行動を呼びかけている。ここに職場から労働者の大結集をつくり出すことが小池―安倍を打倒する力となる。都労連労働者を先頭に11・6に総決起し、労組拠点を建設しよう。都労連ストライキを復権しよう。

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