米2労組が国際共同行動に参加 RWUとATUの闘い 貨物1人乗務協約案を否決

週刊『前進』04頁(2795号01面03)(2016/11/07)


米2労組が国際共同行動に参加
 RWUとATUの闘い
 貨物1人乗務協約案を否決

(写真 職場の安全闘争をアピールするRWU【2013年】)

(写真 4月1日、シカゴ中心街でのデモ行進の先頭に立つシカゴ教組と都市交通労組【ATU】)


 アメリカのRWU(鉄道労働者統一委員会)とシカゴ都市交通労組の中心的活動家が11月東京―ソウル国際共同行動に参加する。
 RWUは、職能別に多数の組合に分断されている鉄道労働者の団結の回復を目指す組織だ。
 アメリカの貨物列車は非常に長大でコントロールが難しく、十分な乗務員数がないと安全は守れない。しかし鉄道会社は次々に人員削減を進めてきた。2014年、最大の鉄道労組SMARTは全米第2位の巨大鉄道会社BNSFとの間で、ついに1人乗務を認める労働協約案を締結した。これに対しRWUは反対運動を組織し、組合員投票の圧倒的反対で協約案の否決をかちとった。11月国際共同行動に参加するウォレスさんはRWU運営委員であり、またBNSFの車掌として闘いの先頭に立った。
 16年のRWU大会では、この勝利が徹底的に議論され、①〈労働者の行動の分析に基づく事故防止〉という資本のキャンペーンは労働者への責任転嫁であり、資本の利潤追求こそ根本的な事故原因であることを大衆的に明確にした。②この闘いで、機関士と車掌など他職種との団結を強化した。③しかし、この勝利をRWU拡大に十分に生かしきれなかったと総括した。真の勝利は組織化―権力の奪取によってこそかちとれる。
 また今年は、カリフォルニア州議会で1人乗務禁止の立法もかちとった。
 「世界的な都市間競争」を旗印にし、物流拠点・産業都市からIT・金融都市への転換を目指すシカゴの都市再編=労組破壊は、全米・全世界のモデルになっている。チャータースクール(公設民営校)化と学校統廃合、そして地下鉄・バス路線の廃止・運行本数の激減は、労組破壊と同時に地域を破壊し、住民を大量に追い出して都市再開発を推進するものだった。

シカゴ教組のストに連帯し

 これへの反撃を主導しているのが教職員組合と都市交通組合だ。シカゴ教組では、当局に協力した旧執行部を打倒し、2010年に戦闘的組合をよみがえらせた。都市交通の労働者はATUローカル241(合同都市交通労組第241支部、シカゴ市バス)とATUローカル308(シカゴ都市交通)の両方で、屈服的なATU本部の介入と闘って団結を強化した。
 今回来るスレーターさんは、ATU241の最大拠点=北部車庫の職場委員として、職場闘争・職場の団結を強化し、12年のシカゴ教組ストへの連帯についての討論を職場内で組織した。当局は今年初めに彼を解雇したが、北部車庫の労働者とローカル241の全副委員長(3人)の支持、さらにローカル308内での同様の支持によって、この10月に解雇撤回をかちとった。
 支配階級・国家権力の総力をあげた労組破壊と闘ってきた日米韓の交通労働者を先頭に、画期的な国際的団結をつくり出そう。

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