都庁幹部処分 小池の狙いは労組解体 豊洲問題で石原・浜渦を免罪

週刊『前進』04頁(2795号02面02)(2016/11/07)


都庁幹部処分
 小池の狙いは労組解体
 豊洲問題で石原・浜渦を免罪


●「全職員粛正」叫び
 東京都の小池百合子知事は、安倍の先兵として「働き方改革」、都の業務丸ごと民営化と労組破壊を東京から先行的に実現しようとしている。
 11月1日の記者会見で小池知事は、豊洲新市場の盛り土問題について、現副知事をはじめ8人の幹部職員に責任があると決めつけた。「全職員の粛正」の突破口として、幹部への懲戒処分を下そうとしている。
 小池知事は「情報公開」などの問題としているが、とんでもないすり替えだ。問うべきは、猛毒で汚染された東京ガスの都市ガス製造工場跡地に生鮮食品卸売市場を建設するという絶対にやってはならない行為を強行したことである。その背後には巨大利権と都労連破壊の狙いがあった。
 さらに、2011年3月11日の東日本大震災では新市場予定地で大規模な液状化・噴砂が発生した。にもかかわらずすべてを隠蔽(いんぺい)して移転計画を強行した。
 一連の経過に最大の責任を負っているのが元知事の石原慎太郎と元副知事の浜渦武生だ。このことを一言も言わないところに小池知事の正体がある。石原・浜渦を免罪しているのは、小池自身が石原や浜渦と一蓮托生(いちれんたくしょう)だからだ。
●卑劣きわまる弁解
 小池知事は「情報公開の徹底」などと言う一方で石原問題を必死に隠蔽しようとたくらんだが、隠しきれずに10月25日に都の質問書に対する石原の回答文書(14日付)を公開せざるを得なくなった。
 その内容は怒りなしに読めない。「知事就任の以前から移転先は豊洲に決めていたようだ。東京ガスの敷地とまでは聞いた記憶がない」「(東京ガスとの用地交渉について)交渉に至る経緯とその後の経過の内容は記憶にない。私自身は交渉にまったく関与していない」「(土壌汚染対策などの報告は)読んだかどうか記憶にない」など、すべてがうそとデタラメ、責任逃れである。
 10月17日付産経新聞紙上のコラム「日本よ」で石原は「築地の市場の移転先の豊洲の地にさまざまな不祥事が発覚しそのとばっちりが前々々任者の私にまで及んできて......中傷記事が氾濫(はんらん)し、心痛で健康まで損なわれた」などと述べている。なにが「とばっちり」だ。許せない。
 小池知事は石原を頂点とする不正・腐敗の全体像はあいまいにし、核心的には都労連解体を狙っている。青果棟地下からの環境基準の7倍の水銀の検出など、すさまじい汚染の実態が次々と明るみに出ている。豊洲移転は白紙撤回以外にない。
 小池知事は10月30日に政治塾「希望の塾」の開講式を開き、オリンピックや築地市場の移転問題を「スピードアップして実現しよう」と呼びかけた。小池都政との決戦はいよいよこれからだ。国鉄決戦と一体で、安倍・小池打倒へ労組拠点建設を前進させよう。

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