訪韓闘争を闘って

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週刊『前進』04頁(2799号02面02)(2016/11/21)


訪韓闘争を闘って

労働者に国境はないと実感
 動労西日本書記長 山田和広

 動労西日本からは、私と印刷事業所廃止阻止闘争当該の岡崎昭夫さん、近畿支部の原田隆司支部長と東元さんの4人で参加した。
 私は今回で5回目の訪韓闘争参加になるが、11・12民衆総決起は、これが労働者階級の力かと思うほど、ものすごい100万人の総決起だった。動労総連合各単組の旗を見た韓国の労働者民衆から大注目。何人もの人から「ありがとう」と何度も声をかけられ、感激して抱きしめてくる人もいて、びっくりした。一緒に「パククネ退陣!」「安倍打倒!」と声を上げた瞬間、労働者に国境はないという言葉を実感することができた。
 しかし、深夜まで続いた決起は国家権力によって暴力的に解散させられたのも事実だ。これだけの決起がありながら、どうして解散してしまったのか。日本の9・19安保関連法成立阻止闘争を思い出した。労働者の党が先頭に立って革命まで牽引(けんいん)するということがないと、労働者民衆が総決起してもデモ行進で終わってしまう。国家権力・支配階級を打倒した後の方針まで明確に一致していないと、革命にまでいかないということがよくわかった。マルクス主義の学習が重要であることを実感した。
 11・12民主労総全国労働者大会でチェジョンジン委員長代行は、「11月中にすべての職場をストライキでとめる」方針を提起した。これは動労総連合を全国につくる闘いと一体だ。動労西日本、動労総連合・新潟、動労神奈川での解雇撤回・非正規職撤廃闘争を軸に、青年労働者の決起をつくり出そう。絶対反対のストライキで闘い、朝鮮侵略戦争を止めよう。

ゼネスト打ち抜く労組の力
 京都 自治体労働者 中郷良太

 パククネ政権打倒に韓国全土から労働者民衆が決起し、光化門前の道路を実力で占拠し埋め尽くした100万人集会に参加できたことに深く感動しています。万余の怒りで埋め尽くした労働者とともに、数万人の大学生がキャンドルを片手に決起したのを自分の目で見たことによって100万人集会のすごさを感じました。労働法制改悪攻撃に民主労総がストライキで先頭に立って闘ってきたことが、韓国全土から労働者や学生を引きつけたのだと思います。実際に、釜山から1人で参加した教師を目指している大学生も、「今の状況は許せない」と参加していました。労働者や学生が団結すれば、社会に訴えることができ、権力者による支配構造を変えていけると確信しました。
 今回、セウォル号沈没事故の真相究明を求めて遺族が座り込んで抗議を続けている光化門広場を訪問しました(写真)。利益を追求し安全対策を徹底してこなかった結果の事故であることを韓国政府に認めさせた上で、事故の背景にどんな力が加わっていたのか、はっきりさせるまで闘うことを支持します。
 「平和の少女像碑」や「チョンテイル像」などを訪れ、闘争の歴史を学ぶことができました。この経験を礎に、地域や職場など自分の足元での団結を固め、今後の闘いに生かしたいと思います。
 最後に、ゼネストを打ち抜く労働組合の存在について、あらためて実感しました。特にわれわれ自治体労働組合が正規・非正規の分断を革命の路線で打ち破り、団結していく。これが朝鮮侵略戦争阻止! プロレタリア革命の道だと痛感致しました。

自らが歴史をつくる主体だ
 広大学生自治会委員長 森田寛隆

 労働者階級の行動が歴史をつくるのだと、感動をもって実感した訪韓闘争でした! 民衆総決起闘争では、機動隊が制圧するはずだった光化門前までもが解放区になりました。近くに居合わせた学生によると、光化門前が民衆の行動によって解放されたのは60年代以来のことだと。自らが歴史をつくる主体なのだと誰もが体感していました。
 「パククネ退陣」にとどまらず「財閥も共犯だ!」というスローガンが掲げられていました。革命を訴える内容だと思いました。
 各地の現地闘争激励行動では日々の階級闘争の激しさを学びました。東洋セメントで資本がやってきたことは正規・非正規労働者間の賃金格差、組合結成に対する解雇、職場集会に対しては50億㌆もの損害賠償請求。労働者を人間とも思わない攻撃に絶対非和解で闘う23人が組合に残り闘っている。こうした不屈の闘いが、階級全体の力関係を形成しているのだと思いました。セウォル号遺族も少女像前で闘う学生も民主労総と同じように籠城闘争で闘っていることは象徴的でした。いずれも警察権力と対決してその場を占拠し、解放区をつくり出していました。
 理念交流会は、新自由主義との対決は世界中でひとつの闘いだということが浮き彫りになり、討論ではどの国においても労働者党が必要だということが出されました。
 訪韓闘争で得た教訓を、自らの組織者としての変革にまで昇華させて大学ストライキを巻き起こしたいと思います。

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