農地守り第3滑走路粉砕を 戦争と農民圧殺の安倍を倒せ

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週刊『前進』02頁(2800号01面03)(2016/11/24)


農地守り第3滑走路粉砕を
 戦争と農民圧殺の安倍を倒せ

(写真 10・9三里塚全国闘争で反対同盟を先頭にデモに出発)


 国家権力による農地強奪攻撃に対し実力で闘ってきた三里塚は、今も空港の完成を阻み、日帝の航空政策、軍事空港造りを危機に追い込んでいる。成田空港は、天神峰、東峰地区の農地・住宅・神社・墓地・開拓組合道路などの未買収地をよけて誘導路が不自然に曲がりくねり、欠陥空港の姿をさらしている。
 市東孝雄さんは天神峰の専業農家で、空港施設に囲まれた農地で完全無農薬、有機栽培の農業を営んでいる。市東家の農地は、祖父の代から100年耕してきた。長男の孝雄さんは父・東市さんから農業と空港反対闘争を受け継いだ。

強制執行を絶対に許すな

 土地収用法にもとづく事業認定はすでに失効しているので、「公共事業」の名で農地を強制収用することは不可能になっている。ところがNAAは、民事裁判に訴える形で市東さんから農地を奪う攻撃をかけてきた。①農地法裁判、②耕作権裁判の二つの裁判だ。
 ①農地法裁判は、字(あざ)天神峰、字南台の農地についてNAAが、「千葉県知事の許可を得て、小作者である市東との賃貸借契約を解除する。土地を明け渡せ」というものだ。
 ②耕作権裁判は、同じく南台の農地のうちNAAが賃借地と決め付けた以外の部分について「市東がNAAの所有地を不法に耕作しているから明け渡せ」というものだ。
 盗人猛々しいとはこのことだ! 市東さんが耕す農地すべてに耕作権がある。
 NAA(=空港公団)は耕作者である市東家に無断で旧地主から秘密裏に底地を買収し、15年もたってからその事実を明かし、訴訟を起こした。農地法に根本から違反するこの一事で、買収も賃貸借契約解除も無効である。さらにNAAは、旧地主と東市さんが交わしたとする「同意書」「境界確認書」とその添付図面を唯一の証拠として提出したが、これらは偽造文書だった!
 農地法裁判一審二審では、NAAの違法・脱法を不問に付して市東さんに対し明け渡しを命じる極悪の反動判決が出され、最高裁は上告を棄却し判決が確定した。NAAは早くも「への字に曲がった誘導路を直線化したい」と強制執行の脅しをかけている。だが千葉地裁で耕作権裁判が継続している以上、「直線化」の見通しはない。

住民600戸移転迫る計画

 本紙2799号幸崎論文で示したとおり、第3滑走路計画は「成田の年間発着回数は遠からず50万回に増える」というデタラメな見込みにより、芝山町を中心に3500㍍の新滑走路を建設するというものだ。合わせて現在のB滑走路を1千㍍北に延長し、3500㍍にする。空港の敷地面積は1千㌶拡大され、2400㌶になる。敷地に直接かかる200戸と騒音で400戸、計600戸の住民に移転を迫るというとてつもない地域破壊計画である。
 朝鮮侵略戦争切迫情勢のもとで、日帝は軍事空港造りを成田で進めようとしている。反戦の砦(とりで)である三里塚闘争50年の底力に恐れをなし、第3滑走路と軌を一にしてかけられてきた攻撃が市東さんへの上告棄却だ。
 市東さんの決意をわがものとして闘おう。労農連帯、国際連帯の力で農地強奪・強制執行を粉砕しよう。12・4三里塚に結集を!

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