三里塚一斉行動 第3滑走路粉砕へ 反対する住民と熱い合流

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週刊『前進』04頁(2807号04面02)(2016/12/19)


三里塚一斉行動
 第3滑走路粉砕へ
 反対する住民と熱い合流

(写真 反対同盟と支援連の朝の打ち合わせ【12月10日】)

(写真 住民に「第3滑走路反対」を訴える宮本麻子さん)

 12月10日、三里塚芝山連合空港反対同盟と支援連は第44回の成田空港周辺地域一斉行動に立ち上がった。

新パンフ完成

 午前8時30分、天神峰の市東孝雄さん宅離れに集合し、打ち合わせを行った。最初に東峰の萩原富夫さんが「12・4緊急闘争お疲れ様でした。1月末に耕作権裁判があり、3月には強制執行を許さない裁判も始まる。気を引き締めていこう」と一同を激励した。さらに市東さんが「一昨日、厚木爆音訴訟で最高裁が逆転不当判決(自衛隊機の飛行差し止めと将来分の損害賠償のどちらも棄却)を出すなど、国側の流れが強まっている。強い者が正義だなどと認めないことをわれわれの闘いで示そう」と訴えた。
 この日は「反対同盟ニュース」第39号とともに、第3滑走路問題を全面的に暴露・批判したカラー印刷の新作パンフレットが用意された。地図・写真をふんだんに盛り込み、芝山町に3500㍍の新滑走路建設、B滑走路の1千㍍北延伸、合わせて1千㌶の敷地拡張、600戸への移転強要という計画の全体像を解説し、住民生活を根こそぎ破壊するものであることを暴いている。とりわけ騒音問題について詳しく論じ、厚木爆音訴訟でWHO(世界保健機関)ガイドラインを一審・二審判決で採用させた北海道大学大学院の松井利仁教授の研究成果を紹介している。夜間騒音による睡眠妨害は、有害化学物質と同様に人間の健康を著しくむしばみ破壊するのだ。
 農地法裁判上告棄却に対し、市東さんが農業を続ける固い意志を貫いて闘っていることも、もちろん大きく打ち出している。第3滑走路に打ち勝つ道は、市東さんのように不屈に闘うことだ。

古里を壊すな

 全員がニュースとカラーパンフを携えて、それぞれの担当地域に向かった。成田市、芝山町、多古町、横芝光町の各地区で第3滑走路の「説明会」開催が続いている。この状況に真正面から斬りこみ、反対する住民を励まし拡大するのだ。
 婦人行動隊の宮本麻子さんは成田市川上地区を中心に一軒ずつ丹念に回り、パンフを届けた。
 太郎良陽一さんは、地元での反対運動を主体的に担う人を組織するために奮闘した。
 伊藤信晴さんは、芝山町A地区で開かれた説明会の様子を住民から伝えられた。出席した相川勝重町長は、「住民は必ず増える。芝山鉄道の芝山千代田駅の近くに9階建てのマンションを建てて住民の移転先にし、人口が減らないようにする。芝山町役場と東京都心を結ぶ高速バスを充実させる」などと口約束を並べ立てたという。空港に町を売り渡すことの引き換えがそれだと言うのか。多くの参加者が不信と怒りを募らせたという。
 各地の説明会で怒りと抗議が噴出、成田空港会社(NAA)や行政を問い詰めたことが住民から語られた。住民同士の連携も進み、自主的に騒音を測定して追及する人も現れている。「空港反対だった石毛博道や相川勝重が今度は第3滑走路誘致とはなにごとだ!」という怒りの声は一層高まっている。カラーパンフに書かれた「空港のために住民のふるさとと未来を壊すな」「ここには生活がある。地図の上で勝手に線引きするな」という見出しは、住民の生活感に百パーセント合致し熱い共感を呼んだ。
 夕刻に再び市東さん宅離れに集合し、一日の行動を集約した。住民との合流の手応えとともに、さらに自主的な運動を推進する上での課題も具体的に浮かび上がり、議論が交わされた。
 最後に次回行動日を新年1月15日とし、1月9日の反対同盟団結旗開きの成功を誓い合った。

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