ロシア革命と「労働の奪還」論 2017年をプロレタリア世界革命の年に マルクス主義学生同盟中核派

週刊『前進』04頁(2817号04面03)(2017/02/06)


ロシア革命と「労働の奪還」論
 2017年をプロレタリア世界革命の年に
 マルクス主義学生同盟中核派

(写真 プチーロフ工場の労働者がメーデーデモに参加【1917年4月】)

 世界大恐慌が米トランプに象徴される保護主義・排外主義を台頭させている。第3次世界戦争の危機だ。一方で韓国・民主労総ゼネスト、アメリカ・反トランプデモと階級的労働運動の登場という革命情勢が到来している。ロシア革命100年の今年、動労千葉・動労水戸の闘いからつかみとった「労働の奪還」論を武器にプロレタリア世界革命を引き寄せよう。

闘いでつかんだ自己解放の思想

 「1%」の資本家が「99%」の労働者民衆を搾取する新自由主義のもと、労働が問題になっている。非正規職化や派遣労働の拡大、能力主義が労働者を分断する。低賃金で生きていけない。過重労働と競争・分断が人間性を破壊し、労働者を自殺に追い込んでいる。
 しかし、労働こそが人間の歴史と社会をつくってきた。マルクスだけが労働は歴史形成の根源的行為であり労働者は革命的存在だと認めた。レーニン率いるボルシェビキとロシアの労働者は、労働者こそが戦争を止め、資本主義を打倒し、社会と歴史の主人公となることを誇り高く示した。
 動労千葉・動労水戸は、激しい民営化・外注化阻止闘争の中から「労働の奪還」論を生み出した。スターリン主義による国際共産主義運動の歪曲(わいきょく)と疎外を打ち破り、労働者の団結した力への無限の確信とその世界史的使命を鮮明にさせている。

労働者の共同性が社会を動かす

 人間は自然に働きかけ、自然を加工して生産物をつくる労働で生活を再生産して生きてきた。労働による物質的生活の生産が人間生活の土台だ。それは、搾取と階級対立のない原始共産制社会から、階級社会の奴隷制社会、封建制社会、資本主義社会まで変わらない。同時に、人間労働は他者との協働すなわち社会的活動として行われる。人間は労働を通して人間生活を満たすだけでなく、自分自身も変化させ歴史をつくってきた。
 資本主義生産関係は世界市場の登場と巨大な生産力、巨万の賃労働者をつくり出した。労働は資本の価値増殖の手段にされた。
 しかし今や資本家は社会を運営する能力を失い、民営化・外注化で労働と社会を破壊している。
 3・11東日本大震災と原発事故は多くの人民の命を奪い、職場も家もすべて奪った。しかしその極限状態でも労働者は手を取り合い、創意と共同性で生き延びた。逆に震災後の仮設住宅は共同性を破壊し、孤独死が相次いだ。労働者の共同性が人間社会を運営してきた根源的な力だ。労働を奪還し、人間が人間らしく生きられる社会の建設に進もう。

ロシア革命でのレーニンの挑戦

 今から100年前の1917年、歴史上初の労働者革命に勝利したレーニンとボルシェビキは、第1次世界戦争で荒廃し経済的に破綻したロシア社会を労働者人民の信頼と共同性の力で再建していった。レーニンが依拠したのは政策や技術ではなく、社会的生産を担う労働者であり、労働者間の共同性と信頼=自己解放性だった。レーニンはその思想を「労働規律」と語っている。
 「労働者の手中権力が強化されたこんにちでは、万事はプロレタリア的規律とプロレタリア的組織性にかかっている」「奴隷社会においては、奴隷制の笞(むち)が唯一の規律であったし、資本主義社会には飢餓が規律の力であった」「すべては搾取する者と搾取される者の間の関係をあらわしたものである」「社会主義革命が始まって以来、規律は、まったく新しい原則の上にうちたてられなければならない。労働者と貧農の組織を信頼するという規律、同志的な規律、万人を尊敬するという規律、自主的に創意を発揮して闘うという規律である」(レーニン全集27巻「労働者・農民・兵士および赤軍代表ソビエト第5回全ロシア大会への人民委員会議報告」、1918年7月)
 レーニンは労働者階級の共同性と労働者・貧農への信頼に一切をかけ、共産主義社会の建設に挑戦した。ロシアでの内戦を赤軍や労働組合に依拠して戦うと同時に「後進国ロシア」国内での資本主義的・封建主義的イデオロギー、低い識字率と文化水準、国家管理能力の未習熟問題を、広範な労働者と結びついた労働組合の共同性、信頼、自己解放の闘いの中で、階級的自覚と歴史的使命への自覚をつくって突破した。
 レーニン死後、スターリンは一国社会主義論と官僚主義で労働者の共同性と自己解放性を否定し、世界革命を放棄した。しかし現在、スターリン主義による歪曲をのりこえ、「労働の奪還」論で労働現場の闘いの中から社会の主人公としての労働者の誇りを復権し、国際連帯の闘いが前進している。

民営化・外注化の新自由主義倒せ

 民営化・外注化こそ新自由主義の最大の攻撃だ。労働と人間を破壊する新自由主義への怒りが、生きるための団結と共同性を生み出す。労働現場に階級的リーダーが一人いれば、労働は資本主義社会を変える誇り高いものに変わる。「労働の奪還」論は必ず1千万労働者人民と結びつき、プロレタリア革命を引き寄せる武器になる。
 「プロレタリアートは従来の世界秩序の解体を告げるのであるが、その際それはただ自分自身のあり方の秘密を表明しているだけである。……プロレタリアートが私有財産の否定を要求するとき、それは社会がプロレタリアートの原理にまで高めたものを……社会の否定的帰結としてプロレタリアートのうちに体現されているものを、社会の原理にまで高めているにすぎない」(マルクス『ヘーゲル法哲学批判序説』)
 「労働の奪還」論の中に、資本主義を否定し革命を求める思想と運動、そして共産主義の萌芽(ほうが)がある。
 「戦争か革命か」――「労働の奪還」論を武器に組織しよう。労働者の団結―国際連帯で戦争を終わらせ、資本家の支配を打倒し、プロレタリア革命へ突き進もう!
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