米日韓が軍事同盟強化 北朝鮮・中国への戦争準備 マティス訪韓・訪日と安倍訪米

週刊『前進』04頁(2819号03面01)(2017/02/13)


米日韓が軍事同盟強化
 北朝鮮・中国への戦争準備
 マティス訪韓・訪日と安倍訪米

(写真 裁判所前での事前集会では最前列に「イジェヨン【サムスングループの事実上のトップ】拘束」のボードが掲げられた【2月4日 ソウル】)

 米トランプ政権の新国防長官マティスが2月2〜4日、就任後初の外遊として韓国と日本を訪問した。10日には安倍が訪米し日米首脳会談が行われた。その最大の狙いは米日韓軍事同盟の強化であり、それを通じて韓国労働者民衆の闘いを圧殺することだ。国境を超えた労働者の連帯で、戦争へ突き進むトランプ―安倍―パククネを倒そう。

サード配備強行を再確認

 マティス米国防長官の訪韓・訪日と続く安倍訪米・日米首脳会談は、韓国で始まった革命に対する米日帝の恐怖と焦り、それを圧殺するための朝鮮侵略戦争への激しい衝動を示している。
 韓国の労働者民衆は今、大統領の弾劾―退陣にとどまらず、社会を根本から変える壮大な闘いのただ中にいる。そしてその団結の中心に、ストライキで闘う民主労総がいる。始まった革命は、韓国のみならず東アジア―世界全体の労働者階級人民に未来を指し示すものとして発展している。
 こうした中で大統領職務を代行する首相ファンギョアン、国防部長官ハンミングらと会談したマティスは、「北朝鮮の脅威」に対し「攻撃は必ず打ち負かす。いかなる核兵器の使用に対しても効果的かつ圧倒的な対応をとる」と述べ、在韓米軍への高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD=サード)配備を推進していくと強調した。
 これは北朝鮮のみならず、サード配備に反発し、台湾問題や南中国海をめぐってアメリカと対立を深める中国へのけん制でもある。駐韓ロシア大使も3日、「サード配備がなされれば自国の安全のために一定の措置を取るほかはない」と明かすなど、東アジアにおける軍事的緊張は一層高まっている。
 この攻撃はまた、今年末までに行われる予定の在韓米軍基地の移転とも一体である。北朝鮮への先制攻撃を準備すると同時に、朝鮮半島以外の地域にも在韓米軍を派遣できるようにすることが狙いだ。
 また、3月の米韓合同軍事演習「キー・リゾルブ」と「フォール・イーグル」を強化・拡充することでも合意した。

戦争阻む闘いが続く韓国

 こうした動きの真っただ中で、韓国・ソウルでは4日、14回目となるキャンドル集会が40万人の結集で行われた。「韓米日軍事同盟粉砕」を掲げてサード配備に反対する慶尚北道・星州(ソンジュ)住民の闘いも8カ月目に入った。ロッテゴルフ場敷地へのサード配備も、財閥への怒りに直撃されて足踏みしている状況だ。
 これに先立つ1日、パククネに代わる保守勢力の結集軸に浮上していた前国連事務総長パンギムンが、大統領選への不出馬を表明した。支配階級が分裂し危機を深める中で、労働者民衆の怒りがさらに激しく噴出するのは必至だ。朝鮮半島における革命は日本革命と一体であり、それは必ず東アジア―全世界での革命の扉を押し開くものとなる。こうした闘いが、米日帝と韓国の支配階級を追いつめているのだ。

辺野古基地建設を許すな

 続いて訪日したマティスは安倍、防衛相稲田らと会談。「日米とも防衛力を一層強化する必要がある」との発言に、安倍も「日本は防衛力を強化し、自らが果たし得る役割の拡大を図っていく」と応えた。「力による平和」と称して新たな戦争を準備するトランプの方針に対応し、日帝もまた独自の軍事大国化と朝鮮戦争への参戦を準備するということだ。
 またマティスは、日帝が中国に対して「領有権」を主張する釣魚島(尖閣列島)は日米安保条約5条の適用範囲だと明言。沖縄への米軍新基地建設をめぐっても「解決策は二つしかない。一つは辺野古で、もう一つは辺野古だ」と基地建設強行を宣言した。
 来る10日の日米首脳会談は、米日韓軍事同盟による朝鮮戦争のための戦争会談だ。絶対に許せない。労働者の国際連帯こそが戦争を阻止する道だ。闘いに立ち上がる韓国・アメリカの巨万の労働者階級人民と固く団結し、朝鮮戦争を始まる前に絶対に止めよう。
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