池田自衛隊裁判勝利へ 安倍戦争政治を許さず国と自衛隊の責任追及

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週刊『前進』04頁(2819号03面02)(2017/02/13)


池田自衛隊裁判勝利へ
 安倍戦争政治を許さず国と自衛隊の責任追及


 自衛隊のイラク派兵の任務で負傷し、その後も自衛隊からパワーハラスメントによる退職強要を受けた元航空自衛隊3等空曹・池田頼将さんを原告とする国家賠償裁判において、弁護団は、名古屋地裁が認めなかった「警務隊記録」文書提出命令をめぐり、現在名古屋高裁で抗告審を闘っています。

イラク派兵で負傷後、パワハラ・退職強要

 2006年4月、当時航空自衛隊小牧基地に所属していた池田さんは、「第9期イラク復興支援隊」として、クウェートに派遣されました。その年の7月4日、池田さんが現地の基地の中で開催された米軍主催のマラソン大会に参加した際に、米軍の契約した民間軍事会社の大型バスに追突されて重傷を負ったのです。
 池田さんが全身の痛みや不眠などを訴えていたにもかかわらず、現地では十分な治療や検査が行われませんでした。そのため池田さんは帰国を希望しましたが、自衛隊はそれを受け入れず、公務災害の認定も認めなかったのです。
 公務災害認定による療養補償給付をやっと認めさせましたが、自衛隊は池田さんと医者に不当な圧力をかけ、療養補償給付の打ち切りを意味する「症状固定」を認めさせて給付を打ち切りました。
 その後も自衛隊内で池田さんに対する傷害事件が起きますが、自衛隊側は池田さんを悪者扱いして通信隊から追い出すなどのパワハラ行為を行い、退職に追いんでいったのです。
 12年9月26日、池田さんは、後遺障害が残ったのは自衛隊の違法な扱いによるものだとして国家賠償を提訴しました。

治療も拒否し隊から追放した違法を追及

 自衛隊裁判つぶしのさまざまな弾圧をうち破り、現在、東京の高山俊吉弁護士を弁護団長に、愛知の秋田光治弁護団事務局長、増本陽弁護士、三重の加藤寛崇弁護士が新しい弁護団を結成して闘っています。
 池田さんの受けた打撃と障害は、単に咀嚼(そしゃく)機能にとどまらず、事故を起因とし、その後の自衛隊のパワハラによって受けた精神的苦痛にもよるとして、新たな訴えを追加立証して闘ってきました。
 自衛隊による六つの違法行為があります。一つ目は、派遣先の基地内で開催されたマラソン大会に参加する自衛隊員がいるなら、自衛隊はその隊員の安全を確保しなければならないのに、それを怠ったということです(安全配慮義務違反)。
 二つ目は、事故後に派遣先クウェートの基地で適切な治療を受けさせなかったことです。池田さんのけがの状態からすれば帰国をさせるべきだったのに、させなかったことも含みます。
 三つ目は、帰国後においても適切な治療を受けさせるべきだったのに、それをさせなかったことです。
 四つ目は、一切の前提として、公務災害認定を不当に遅らせたことです。
 五つ目は、公務災害が認定されたにもかかわらず、自衛隊側からの圧力で治療と療養補償給付を打ち切ったことです。
 最後に、他の自衛隊員による池田さんへの傷害事件と、それに対する自衛隊側の一連の対応が、自衛隊による組織的なパワハラだということです。「イラク復興支援隊」として派遣された先でけがをして帰ってきた池田さんを、自衛隊としては不都合な存在として、組織的なパワハラを加えて退職に追い込んだ。これが六つ目の違法行為にあたるということです。

〝隊員は将棋の駒ではない〟との訴え

 昨年開催された東海労働者集会において、国賠裁判原告の池田元3等空曹は次のように訴えました。
 「裁判では国や自衛隊はどこまでもウソをついてきます。PKO(国連平和維持活動)も『イラク復興支援』もウソのかたまりでした。現地では『石ころにつまづいても公務災害』と説明されましたが、認定されませんでした。仕事も思うようにできないのに現地に残されました。帰国してからも次第に問題隊員扱いされ、医者にも圧力をかけて公務災害の療養補償給付を打ち切ってきました」
 「今、南スーダンに派遣されている隊員も、前提条件である原則が崩れているのに残されたままです。自衛隊員は将棋の駒ではありません。『自衛のため』とウソをついて隊員や家族を犠牲にする安倍の戦争政治を許せません」
 「自衛隊をやめさせられたときにもいろいろ嫌がらせを受けましたが、今、全国からこの裁判に注目しているという声が自衛隊員やOB、そして多くの労働組合と市民団体から寄せられ始めています」
 「国を相手にした裁判は、日常的な監視や不当な弾圧にさらされながらになっていますが、隙を与えないように身をひきしめて闘っていきますので、これからの裁判の傍聴など、ご支援よろしくお願いします」
 労働者と兵士の団結で朝鮮戦争を阻止しよう! 全国での国鉄闘争と一体で闘おう! 戦争と非正規職しか生み出さなかった資本主義を労働者と兵士の団結で打ち倒そう! 「池田裁判をともに闘う会」への参加と裁判への圧倒的な支援・傍聴をお願いします。
 民営化は悪だ! 国鉄闘争勝利へ! 安倍政権の改憲・戦争、労働法改悪と闘おう! 韓国民主労総ゼネストに続こう!
(東海合同労組)
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