三里塚一坪裁判 土地強奪の反動判決 価格賠償の極悪手法容認

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週刊『前進』04頁(2823号04面03)(2017/02/27)


三里塚一坪裁判
 土地強奪の反動判決
 価格賠償の極悪手法容認


 2月16日、千葉地裁民事第5部で、一坪共有地裁判の判決が言い渡された。原告・千葉県の代理人は欠席のまま、午前10時30分に開廷。高瀬順久裁判長は、千葉県による一坪共有地強奪を認める反動判決を読み上げた。廷内は怒りの声で満たされた。(判決文執筆は前任の鹿子木康裁判長で、高瀬が代読)
 この裁判は、三里塚芝山連合空港反対同盟の鈴木幸司さん(故人)、いとさん夫妻が共有権を持つ駒井野の一坪共有地について、千葉県が明け渡しを求めて2006年に訴訟を起こしたもの。県は、「成田国際物流複合基地」なる貨物施設整備計画のために一坪共有地を奪い、一帯を造成して成田空港会社(NAA)に売り渡すという。鈴木さんが買収に応じないことに対し、全面的価格賠償(共有権の持ち分を無理やり金銭に換算し賠償金とし土地を奪う)という極悪なやり口をとることを判決は認めた。
 閉廷後、近くの会場で開かれた報告集会で、最初に顧問弁護団事務局長の葉山岳夫弁護士が、弾劾声明を読み上げた。
 一坪共有地運動は「三里塚周辺に土地を持つ会」という組合が、成田空港建設に反対する目的で土地の提供を受け、組合財産の「合有」としてきたものである。判決は、会が民法上の組合であることを頭ごなしに否定し、全面的価格賠償方式という共有物強奪の例外的やり口をあっさり認め、巨額の損失を計上して投げ出された事業を持ち上げ、成田空港の「公共性」を強弁するという、一字一句認めることができないものだ。
 しかし、反対同盟は10年を超えてこの裁判を粘り強く闘いぬき、空港関連事業の一角を破綻に追い込んだのだ。
 続いて弁護団全員が発言して判決を断罪し、動労千葉の中村仁さんが連帯発言を行った。
 最後に司会の伊藤信晴さんが、前々日の民事第5部・高瀬裁判長のもとでの審尋で、市東孝雄さんの農地に対する明け渡し判決強制執行の停止を「保証金200万円納付」との条件でかちとったことを報告し、緊急のカンパを要請した。さらに、3月2日の千葉市内デモと強制執行阻止・請求異議裁判、3・26全国総決起集会(成田市)への総結集を呼びかけ、全員が熱い拍手で応えた。

保証金カンパの送り先
 郵便振替 00130―0―562987 三里塚芝山連合空港反対同盟
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