韓国 パククネの罷免と処罰求め 青年先頭に100万決起

週刊『前進』04頁(2825号02面03)(2017/03/06)


韓国
 パククネの罷免と処罰求め
 青年先頭に100万決起

(写真 3月上旬から始まる新学期を前に多くの青年・学生が駆けつけ、「開講前に弾劾を」と声を上げた【2月25日 ソウル】)

 パククネの就任から4年目となる2月25日、民衆総決起闘争と第17回汎国民行動が開かれた。光化門広場は労働者民衆で埋め尽くされ、パククネの弾劾と罷免(ひめん)を求める100万人の怒りの声が響き渡った。
 「おまえたちの世の中は終わった!」——民衆総決起のスローガンに凝縮された労働者民衆の怒りは限りなく深い。
 労働者には貧困、財閥には巨大な利益——それがパククネ政権4年間のすべてだ。この4年間で家計の借金は史上最大を更新し、青年の失業率は13年ぶりに8・2%に達した。製造業の職場は10万カ所も減少し、遅配賃金は総額1兆3千億㌆でこれも史上最大だ。一方で財閥と政権が癒着し、労働改悪と労組破壊を強行してきたのだ。
 民衆総決起で登壇した起亜自動車の社内下請け分会長は「看板を変えるだけの政権交代は必要ない」と、パククネ政権と一体で労働改悪を進めてきた野党を鋭く批判。 「財閥の金庫が満杯になっていくとき、青年はカップラーメンも食べられずに死んでいった。非正規職、整理解雇、労働弾圧のない新たな世の中を労働者と青年がともにつくる」と、労働者の闘いによって社会を根本から変えようと訴えた。
 民主労総のチェジョンジン委員長代行は「私たちが闘わなければ何も変わらない。今こそ民衆が主体となった闘争を始めよう」と訴えた。大学生や露天商、農民などの代表も発言に立った。
 その後の汎国民行動では、パクチョンヒ(朴正煕)政権と財閥を美化する国定歴史教科書に反対する教育労働者、医療の民営化阻止へ闘う医療労働者などが登壇。参加者はレッドカードを掲げてパククネ弾劾を求め、集会後には青瓦台と憲法裁判所へのデモを行った。

米日帝の戦争阻む固い決意

 重要なのは、朝鮮半島―東アジアにおける戦争を絶対に許さないという怒りがこの闘いの大きな原動力となり、その先頭に青年・学生が立っていることだ。とりわけ、軍隊慰安婦問題をめぐる「韓日合意破棄」が大きなテーマとなっている。
 韓国の外交部は先月、日本政府の圧力のもとで釜山のみならずソウルの日本大使館前にある少女像の撤去までも要求したが、怒りの決起はいっそう拡大している。3月1日からは北朝鮮のキムジョンウン(金正恩)「斬首作戦」も想定した戦争行為そのものとして過去最大規模の米韓合同軍事演習が行われているが、こうした闘いが真っ向から立ちふさがり、新たな戦争を阻んでいるのだ。
 憲法裁判所の審理は2月27日に終わり、3月上旬にも判断が行われる見込みだ。パククネはこの日の最終弁論でも、代理人を介して「私益追求のために権限を行使したことはただの一度もない」と訴追内容をすべて否認。特検による事情聴取にも拒否を貫き通した。
 こうした中、極限まで追いつめられた極右勢力は「アスファルトに血が流れ、惨劇を見ることになる」と主張するなど、公然と軍事クーデターや戒厳令宣布を訴えている。25日にソウルで極右勢力が開催した集会は「アカを殺せ!」という叫びが上がる異様なものとなった。1980年の光州蜂起のときのように軍隊を出動させ、むき出しの暴力で労働者の闘いを文字通り血の海に沈めろという悲鳴だ。絶対に許せない。これは、圧倒的な労働者の怒りの決起の前に、自らの正当性をまったく示せない支配階級の最期の姿だ。
 韓国労働者階級は今まさに、これまでの朝鮮プロレタリアートの誇り高い闘いの歴史を引き継ぎ、一切に決着をつける時を迎えている。鍵を握るのは日本における闘いだ。韓国労働者との連帯にかけ、安倍政権を必ず打倒しよう!
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