3・26三里塚集会に結集を 反対同盟からのアピール

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週刊『前進』04頁(2827号03面01)(2017/03/13)


3・26三里塚集会に結集を
 反対同盟からのアピール


 三里塚芝山連合空港反対同盟の4氏から3・26全国集会への大結集を呼びかけるアピールが発せられた。これに応え、全国から三里塚に結集しよう。(編集局)

農地を守る決意は不動
 敷地内天神峰 市東孝雄さん

 みなさんの日頃からのご支援に、心から感謝します。
 私の農地をめぐる裁判は最高裁で不当にも上告を棄却され、NAA(成田空港会社)による農地取り上げ判決が確定しましたが、弁護団の先生方の奮闘によって、当面の強制執行停止決定を千葉地裁からかちとり、請求異議の裁判も始まりました。祖父の代から受け継ぎ100年耕してきた農地を、NAAは違法・脱法、不正の手段を用いて私から取り上げようとしています。国策であるなら何をやってもいいのか。そんな理不尽には絶対に応じることはできません。自分の体が続く限り、この天神峰の地で農業を続ける、その気持ちはまったく変わりありません。
 私一人でできることは限られていますが、この間、多くの方が天神峰を訪れてくださり、励まされています。みなさんがともに闘ってくれることで、勇気づけられ自分も奮起できます。福島・沖縄の闘い、動労千葉をはじめとした労働組合の闘いとますます連帯を強め、私も自分の農地を守って闘います。
 NAAはうちの南台の農地を取らないと「への字誘導路がまっすぐにできない」などと言いますが、危険を承知であんなものを造り、毎日飛行機を走らせておいて何を言うか。かつて夏目誠元社長はへの字誘導路について、「見栄えが悪い」などと言ったらしいが、見栄えのために農民の命である農地を強奪するというのか。
 最近ではNAAは私に対し、「空港になるはずだった土地に住んでいる市東は、騒音に堪えて当然だ」と裁判で言っています。NAAの私に対する暴言の数々を許すことはできません!
 農地取り上げとの闘いは、私個人のことだけではありません。完全無農薬有機野菜を届けている産直消費者のみなさんとのつながりを守ることであり、農民や労働者が生きていけない社会を許すのかどうかということです。
 3・26集会にぜひ参加してください。

安倍政権を打倒しよう
 敷地内東峰 萩原富夫さん

 市東さんに対する農地強奪の強制執行を阻止するための、請求異議の裁判が始まりました。
 そこに出てきたNAAの答弁書は、あまりにもひどいものです。かつては「二度と強制的手段を用いない」と公に表明したくせに、一審の多見谷判決を引用して「話し合いが頓挫(とんざ)した場合は別だ」「一貫して強制執行による権利の実現を想定していた」などと臆面もなく書いている。かつて空港公団の黒野総裁は東峰の住民に対して仰々しく「謝罪」の手紙を送ってきたが、すべてうそだった。誠実さのかけらもないこんな恥知らずな連中は、絶対に許せない。市東さんの農地を守る闘いの陣形を強化・拡大することが、今決定的に求められています。
 同時に、空港機能強化(第3滑走路建設、B滑走路の1千㍍北延伸、夜間早朝飛行制限の廃止)の攻撃に対して、空港周辺住民の決起と呼応し連帯してこれを粉砕しなければなりません。
 市東さん農地決戦と第3滑走路との闘いが結合した時、そこにわれわれの勝機が必ずあると思っています。
 今安倍政権のもとで、多くの青年たちは非正規職に突き落とされ、未来を奪われ、混迷の中にあります。そんな中で森友学園問題という形で、底なしの腐敗があらわになりました。本当に怒りに堪えない! 戦争に突き進む安倍政権とそれにまつわる右翼らに対し、「こいつらを倒さないと自分たちが生きていけない」という怒りが、湧き起こっている状況です。私たちも、どうすればより共感を深められるのか、考え悩み創意工夫を重ねることが大切です。三里塚は怒りを組織しその先頭に立ちます。軍事空港造りの国策と闘い、農地を守ります。
 反対同盟は市東さんへの強制執行を阻止する署名運動を呼びかけます。
 学生や青年労働者のみなさんの奮起に期待しています。3・26全国集会に大結集してください。

騒音に怒る住民と共に
 事務局員 伊藤信晴さん

 NAAは「空港機能強化」と称して、第3滑走路建設とともに、成田の深夜・早朝の飛行制限の緩和を狙っています。この間、何度も空港周辺地域に足を運んできましたが、「もうがまんも限界だ!」という騒音への住民の怒りが次々と噴出しています。この状況を切り開いたのはまちがいなく、反対同盟のねばり強い闘いです。
 市東さんへの農地取り上げ攻撃と闘いながら、それと一体で騒音問題をますます重視しなければと感じています。
 各地の市町で開かれている第3滑走路・空港機能強化の説明会では、彼らは通り一遍の「説明」をするだけで、人びとの抱える不安・疑問に答えようという姿勢がまったくありません。その前面にいるのが、元反対同盟の相川勝重町長です。そのことがますます怒りをかきたてています。
 かつては「空港ができるのは地元のためだ」という声に押されて賛成に回っていた人たちからも、「これ以上は許せない」という思いで行動を起こす人たちが相次いでいます。
 私も住民の声に耳を傾け、心を開き、それぞれが抱える生活の問題を受けとめてきました。今年度芝山町では新生児が26人、新成人は84人。このままでは廃村にいたるというリアルな危機感が高まっています。次の世代に残すために、町の現状はこれでいいのかという思いです。労働者・農民・学生がスクラムを組みともに闘えば、この現実を必ず打ち破れることを、3・26全国集会への大結集で示そうじゃありませんか。
 赤坂公園を埋め尽くし、空港のためにつくられた街である成田ニュータウンをデモ行進し、空港労働者と結びつきましょう。

資本主義に未来はない
 事務局員 太郎良陽一さん

 市東さん宅離れに決戦本部を構え、この2カ月半を闘ってきました。数多くの人びとと出会い、交流し、自分自身も変わってきたと思います。
 2月26日には、「市東さんの農地を守る会・茨城」の総会に参加しました。茨城という近いところに市東さんとつながる人たちがいることに感銘を受けました。
 3月3日にはストに突入する動労千葉の総決起集会に参加し、あいさつしました。
 農地明け渡しの不当判決が最高裁で上告棄却され「確定」したが、「請求異議裁判の一審判決まで」という形でとりあえずの執行停止をかちとりました。
 この与えられた時間の中で、もっと多くの人たちと交わり、市東さんの農地を守る強固な分厚い陣形をつくらなければならないと思います。そういう意味では、まだまだやりたいことの50分の1くらいしかできていない。行きたいところがまだまだあります。
 全国のみなさん、ぜひ時間をつくって天神峰に来てください。市東さんの畑の土に触れてください。そこで感じるものがあるはずです。
 今この資本主義社会のあり方に、憤っている人びとが増えています。原発再稼働、沖縄の米軍基地に対し、怒りが高まっています。
 自らの職場で資本の攻撃と闘っている労働者が無数にいます。こんな資本主義に未来はない! そういう怒りをすべて持ち寄って、3・26に結集してください。
 反撃の闘いを三里塚から開始しよう。
 青年・学生のみなさんは失敗を恐れず、その若さでがむしゃらにひたむきに立ち上がってください。
 市東さんの農地をともに実力で守り抜こう!

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