共産党の「条件付き再稼働反対」は賛成への大裏切り 労組の闘いで全原発廃炉へ

週刊『前進』02頁(2830号02面02)(2017/03/23)


共産党の「条件付き再稼働反対」は賛成への大裏切り
 労組の闘いで全原発廃炉へ

 日本共産党の志位和夫委員長が原発の再稼働に賛成と言い放った。絶対に許せない。しかもその暴言を吐いたのは、2011年3・11福島第一原発事故から6年目を迎えた3月11日の国会前集会の場だ。

 志位は発言で「4野党の間で、再稼働そのものについては立場の違いがあるかもしれません」と前置きした上で、「福島原発事故の徹底的な検証、避難計画の策定、地元自治体の同意----この三つがなければ再稼働は認めないなど、『条件付き再稼働反対』という線ならば、野党間での合意は可能」と断言した。
 志位は本心を隠そうとして、言葉使いが不自然で苦しまぎれな言い方をしているが、再稼働反対に「条件付き」などというのはありえない。それは再稼働を認めることだ。志位は再稼働に賛成したのだ
 3月11日は労働者人民にとって歴史的な日である。「3・11」は〝福島第一原発事故を絶対に忘れない!〟と怒りを新たにする日だ。再稼働を許さず全原発を廃炉に追い込み、原発政策を進めてきた自民党政府・資本主義を打ち倒そうと決意を固める日である。志位はこの日に、それとはまったく逆方向に進むと宣言した。
 この事態は、共産党が〝朝鮮侵略戦争賛成〟に転向したことと同じだ。2015年の戦争法との闘いの渦中で、共産党は「国民連合政府の実現」なる理屈をつけ、朝鮮半島への侵略戦争に積極参戦する役割を果たすと宣言した。今回もまた「野党間の合意」という理屈で、「再稼働賛成・原発賛成」を公然化させたのだ。
 共産党はそもそも「核の平和利用」に賛成の立場だ。それが、3・11以降の労働者人民の怒りと闘いに圧倒され、〝このままでは党が存立できなくなる〟と、「再稼働反対・原発反対」であるかのように装ってきた。だが今、そんなごまかしは通用しなくなった。安倍政権による「自主避難者」への住宅補助打ち切り・住宅からの追い出し攻撃の激化、子どもの甲状腺がんと疑いが185人(良性結節1人、12月31日現在)にもなった。そして2号機格納容器内が650シーベルトもの高線量である現実は、すべてを〝3・11〟の原点に回帰させつつある。
 福島の人びとを先頭に、帰還強制と原発再稼働政策を進める安倍政権に根底から怒りが噴き出している。朝鮮半島での核戦争反対の闘いと一体で、今こそ韓国のように労働組合が軸になり、安倍政権打倒の数百万の決起を実現させることが必要だ。その瞬間に、共産党中央は、「再稼働賛成・原発賛成」を掲げ、闘いを圧殺しようとしているのだ。
 再稼働阻止・全原発廃炉を「野党共闘」などに託すのは第2の福島原発事故への道だ。動労水戸のように、労働組合が被曝労働拒否で闘うことこそ原発をなくす道、生きる道だ。京都府職員労組舞鶴支部の長岡達也さんは、3・11反原発福島行動の集会で「自治体労働者が被曝労働を拒否して避難計画への動員を拒否する。それだけで避難計画は破綻し、再稼働の条件は崩壊します」と、闘いで得た確信を語った。
 共産党員と支持者の皆さん。「再稼働賛成」を公然と主張し始めた共産党と決別し、再稼働絶対反対・原発絶対反対で、ともに闘いましょう。

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