市東さんの農地を奪うな 5・25千葉地裁 請求異議裁判・デモへ

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週刊『前進』04頁(2843号03面01)(2017/05/15)


市東さんの農地を奪うな
 5・25千葉地裁 請求異議裁判・デモへ

(写真 4月24日、耕作権裁判に先立ち、市東さん【前列中央】ら三里塚反対同盟を先頭に千葉地裁を包囲するデモ)


 全世界で革命の雷鳴がとどろく中で、三里塚闘争も、日帝・安倍政権による闘争圧殺攻撃との決戦中の決戦を迎えている。何よりも、市東孝雄さんの農地をめぐる強制収用阻止決戦だ。昨年の最高裁上告棄却をのりこえ、千葉地裁に受理させた請求異議の訴え(請求異議裁判)が白熱点を迎えている。5月25日、千葉地裁民事第5部(高瀬順久裁判長)で開かれる第2回弁論に全力で駆けつけよう。新たな署名運動を前進させ、同日の第1次提出(5月23日集約)に向け全力で集めよう。これは朝鮮戦争切迫情勢下での「城内平和づくり」を打ち破る闘いだ。

強制執行阻止へ署名を広げよう

 市東さんの農地法裁判は、昨年10月25日の最高裁決定で上告が棄却され、農地明け渡しの判決が確定した。市東さん側は同11月30日に「請求異議の訴え(請求異議裁判)」を千葉地裁民事第5部(鹿子木康裁判長=当時)に提出し受理された。同時に起こした「強制執行停止申立」(仮処分申請にあたる)も受理された。
 判決は確定したが、その執行自体が再び裁判で争われるという画期的な地平が切り開かれている。「請求異議の訴え」が受理されることはきわめてまれで、2009年に撤去が強行された天神峰現闘本部の時も却下された。受理させたこと自体に、きわめて大きな意義がある。なぜ門前払いできなかったのか。
 第一は、この裁判があまりにもデタラメで、最低でも訴えを受理する形をとらなければ強制執行は不可能だということだ。第二は、戦後最大の土地収用だという重さである。強制執行は、市東さんの全農地1万8千平方㍍のうち、約4割にあたる7300平方㍍を奪うことになる。これ自体が前代未聞、農民殺しの国家犯罪だ。さらに、家の前の離れ、作業場、農機具置き場、育苗ハウス、野菜貯蔵庫などすべての生産手段を奪おうとしている。まさに「農地は命」と訴えてきた市東さんを生きられなくする攻撃だ。三里塚闘争50年の地平、動労千葉をはじめとした労働者階級との労農連帯、広大な支援陣形と実力闘争による反撃にこそ正義がある。
 ここに、日帝国家権力の弱点がある。請求異議裁判の早期打ち切り・強制執行を許してはならない。強制執行阻止の署名を全力で集め、「強制執行不許可」の判決をもぎりとろう。

ついに始まった周辺住民の反撃

 一方、「空港機能強化」=第3滑走路に対する周辺住民の反撃がついに始まった。とりわけ深夜早朝の飛行時間延長に関しては、99%の騒音下住民が反対している。横芝光町の中台区、木戸台区では部落決定で「断固反対」の看板が立ち、成田市、芝山町、多古町、横芝光町、山武市の100カ所での部落別説明会のすべてで住民の怒りが噴出。「4時間しか眠らせない気か」「3年前の飛行制限緩和の時の『なしくずしに飛行時間延長はしない』という確約はどうした」という声が相次ぎ、第3滑走路そのものについても「頭の上300㍍を50万回も飛ばすのか」「空港間競争など住民の生活には関係ない」「成田空港がつぶれて何が悪い」などの声が噴出した。「空港あっての地域の繁栄」のデマが打ち破られ、住民の自主的決起の芽が育ちつつある。

反戦の砦を守り朝鮮戦争阻止を

 2013年5月19日に、故萩原進事務局次長の提起で始まった月1回の周辺一斉行動は、5月14日の行動で5年目=49回目に入った。この地道でねばり強い闘いが地域住民との団結をつくり出し、今回の決起へとつながった。毎回2500部の反対同盟ニュースを携えた地をはうような戸別訪問の力で「真実はどこにあるのか」を伝えきってきた。始まった住民の決起は市東さんの強制執行阻止決戦の巨大な援軍である。
 成田空港圏自治体協議会(9市町)は4月19日、「深夜早朝便の一部見直し」を国交省と成田空港会社に申し入れる決定を行った。反対同盟と連携した周辺騒音下住民の怒りが、行政側を追いつめている。とりわけ深夜早朝の飛行時間延長は許しがたい「飛行制限の規制緩和」であり、日帝経済の延命のための新自由主義攻撃そのものだ。
 朝鮮戦争のために反戦・反権力の砦(とりで)を破壊しようとする日帝・安倍政権の攻撃と全面対決し、強制執行実力阻止へ闘争態勢を強めよう。強制執行阻止署名を集め切ろう。軍事転用のための第3滑走路を実力で阻止しよう。千葉地裁に迫るデモに立とう。
(斉田猛)

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◎新やぐら裁判
 5月22日(月)午前10時30分開廷 千葉地裁
5・25請求異議裁判・デモ
 5月25日(木)午前9時 千葉市中央公園集合
 千葉市内デモ~署名提出
 10時30分開廷 千葉地裁

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