5・23狭山闘争に立とう 権力犯罪暴く下山鑑定 石川さんと共に再審へ

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週刊『前進』04頁(2843号03面02)(2017/05/15)


5・23狭山闘争に立とう
 権力犯罪暴く下山鑑定
 石川さんと共に再審へ

(写真 2・2東京高裁包囲デモ)


 5月23日で狭山事件(1963年に埼玉県狭山市で起きた女子高生誘拐殺人事件)で石川一雄さんが不当逮捕されてから54年目を迎える。「今年こそ再審無罪を」と訴える石川さんと連帯して再審の扉をこじ開けよう。東京、関西、広島で集会やデモが闘われる。石川さんの決意に応えて狭山闘争に立ち上がろう。

万年筆のねつ造暴いた下山鑑定

 狭山事件は権力犯罪である。証拠開示でかちとった新証拠である下山鑑定は、有罪証拠の万年筆が被害者のものではないことを暴いた。万年筆は警察によって石川さん宅に仕掛けられ、起訴の決め手とされた。下山鑑定は、被害者の万年筆のインクと同じものを使い、検察鑑定と同じ方法で実験を行った。そして、インクを入れ替えた場合でも以前のインクの成分が検出されること、万年筆には被害者のインクの成分はまったくなかったことを証明した。
 下山鑑定が可能になったのは、被害者のインク瓶(びん)が証拠開示され、その商品名を特定できたことによる。検察は50年にわたって領置していた被害者のインク瓶を隠してきた。それは、検察鑑定書でも「証拠の万年筆と被害者の万年筆のインクは異質」としていたからだ。裁判所はそれを「インクを入れ替えたから」と居直っていた。これらすべてが下山鑑定であばかれた。この権力犯罪を断じて許さない。
 全証拠開示は星野闘争が切り開いた地平であり、インク瓶開示は、狭山闘争と星野闘争が積み上げた証拠開示なのである。下山鑑定の事実調べが勝利の道だ。

一人の決起が階級全体を獲得

 狭山事件は、60年安保闘争の高揚に対する階級分断攻撃としてあった。「戦後は終わった」と日帝が敗戦帝国主義としての制約を取り払っていく過程で、労働者階級を分断し団結を解体し、闘いを圧殺する攻撃だった。石川さんの逮捕と激しい部落差別キャンペーン、部落解放運動の体制内化、そして日韓条約へ向かう過程での在日朝鮮人運動に対する分断と圧殺攻撃。狭山闘争は、石川一雄さん自身のたった一人とも言える決起から開始され、石川さんを犯人にデッチあげた権力と差別を絶対に許さないと労働者が次々と立ち上がった闘いである。それは、権力と非妥協で不屈に闘う石川さんの存在があったからだ。
 新自由主義の破綻のもとでは、労働者は人間としてまともに扱われない。だから仲間への差別や分断への怒りは激しい。敵の差別・分断が激しくなればなるほど、その攻撃は、すべてを奪い返さずにはいられない労働者階級の革命性を目覚めさせる。激しい非正規職化攻撃が労働者を団結させ決起させるものとなる。

狭山闘争でゼネスト―革命へ

 安倍は、米帝トランプとともに朝鮮侵略戦争に踏み込む中で、共謀罪を制定し改憲をやらなければもたない危機にある。戦争と革命の時代、一人にかけられる攻撃は階級全体への攻撃である。星野文昭同志の闘いのように、一人の存在と決起が階級全体を獲得し団結させ、ゼネストを切り開くものとなる。今日の狭山闘争はそうした闘いだ。
 差別の根拠を労働者自身に求める部落差別解消法は、解放運動体を戦争推進の手先にし、労働者を戦争に動員する攻撃だ。
 重大な局面を迎えた狭山第3次再審闘争は、戦争と労働法制全面解体との激突―17―18年決戦のただ中で闘われている。全世界で労働者が決起している。民主労総を中心にゼネストで闘う韓国をはじめ世界は革命情勢だ。この闘いを圧殺するための朝鮮侵略戦争を始まる前にとめよう。狭山闘争を爆発させ、国鉄闘争を軸に労働者階級の団結を強化・拡大し、分断と差別の社会を根底からつくりかえよう。狭山闘争でゼネスト―革命を実現しよう! 下山鑑定の事実調べ―再審、全証拠開示をかちとろう。

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石川一雄さん不当逮捕54カ年糾弾 狭山第3次再審闘争勝利!
5・23狭山集会
■東京
 5月23日(火)午後7時 全水道会館(文京区本郷1―4―1 JR水道橋駅東口1分)
 主催・部落解放東日本共闘会議、全国水平同盟杉並支部
■関西
 5月21日(日)午後2時 植木団地(高槻市川添1丁目18―1)
 午前11時~ブース企画、午後3時30分~デモ
 主催・全国水平同盟、関西労組交流センター
■広島
 5月21日(日)午後2時30分 いきいきプラザ(広島市西地域交流センター/西区福島町1―19―12)
 主催・部落解放広島共闘会議

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