戦争・民営化と闘う出発点築く 6・11集会の発言から

週刊『前進』04頁(2853号02面01)(2017/06/19)


戦争・民営化と闘う出発点築く
 6・11集会の発言から

(写真 三里塚反対同盟を代表して市東孝雄さんが来賓あいさつ。福島診療所建設委員会の佐藤幸子さんからも来賓あいさつを受けた)

 「国鉄分割・民営化から30年―戦争と民営化に反対する新たな闘いへ」を掲げて開かれた国鉄闘争全国運動6・11全国集会の主な発言を紹介します。集会には中国鉄道労働者連合会、無実で獄中42年の星野文昭さんから連帯メッセージが寄せられました。(編集局)

開会あいさつ

ぼろぼろの安倍打倒へ前進を!
 全国金属機械労組港合同 執行委員 木下浩平さん

 2010年にこの会が始まって以来初めて、冒頭にデモをやっての集会です。
 共謀罪がまさに最大の決戦を迎えている中で、全国であらゆる怒りがあふれ出ています。昨日、奈良で全日建運輸連帯労組関西生コン支部や近畿トラック支部の仲間とともに、共謀罪・憲法改悪反対、近畿トラック支部の争議組合の闘争勝利の闘いを行いました。
 安倍政権は本当にぼろぼろの姿をさらしています。森友、加計、共謀罪、もうこんなやつらにこの国を一時も任せておくことはできない。この間、関西合同労組かねひろ分会への弾圧があり、起訴はされたけれど3名の仲間を保釈奪還する勝利をかちとっています。
 国鉄分割・民営化30年の闘いを貫いてきた私たちこそ、闘いの旗を職場・地域で振り、怒りの声を束ね、安倍打倒、戦争阻止へ前進したいと思います。きょうをその出発点として大成功をかちとりましょう。

関生支部から

共謀罪に反対しストライキ貫徹
 全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部書記次長 武谷新吾さん

 今朝の共謀罪廃案のデモは大成功でしたね。田中委員長に聞いたら、予定していた数の倍以上集まったそうで、警察当局が勘弁してくれという話で、ざまあみやがれということです。
 関西地区生コン支部は5月19日に共謀罪反対の2時間の時限ストライキを行い、昨日は奈良と大阪駅前でアピールし、15日も統一行動を予定しています。
 最近は学者・弁護士さんが呼びかけて、遅ればせながら労働組合が出るという情けないところが見受けられますので、闘う労働組合が先導して一気に大衆運動を組織し、共謀罪を廃案に追い込みたいと思います。

主催者あいさつ

戦争止めるのは階級的労働運動
 国鉄闘争全国運動呼びかけ人/動労千葉弁護団 葉山岳夫さん

 安倍政権は戦争体制に突入し、森友や加計という権力犯罪を国家ぐるみで隠蔽(いんぺい)しながら、共謀罪の強行突破を狙っています。朝鮮戦争と改憲、共謀罪を阻止する基軸の勢力は、国鉄分割・民営化と30年以上にわたって闘いぬいてきた動労千葉・動労水戸―動労総連合をはじめとする階級的な労働運動です。
 国鉄分割・民営化は労組つぶしを目標とする歴史的な攻撃でした。しかし、今やその破綻は明らかです。JRは転籍の攻撃を狙っています。強制出向無効確認訴訟はこれを暴きました。
 動労千葉の解雇撤回・原職復帰の裁判闘争は、不採用基準が不当労働行為であることを確定させ、この策定に斎藤英四郎設立委員長も加担したことを暴き、JR東日本が解雇に対して直接、法的責任を負うことを明確にしました。
 民主労総と連帯し、ともに闘い勝利しましょう。

労働運動の変革めざして

ロシア革命勝利の教訓に学ぼう
 国鉄闘争全国運動呼びかけ人 鎌倉孝夫さん

 国鉄分割・民営化から日本の新自由主義が始まり、それから30年たって全世界的な人間社会の破壊と戦争の危機が生じています。
 情勢の特徴の第一点は、新自由主義の主役の金融資本はあらゆるところを収奪するということです。それへの抵抗を国家の暴力を使って抑え込む。
 第二点は、新自由主義は全世界的に破綻していますが、資本は自らは新自由主義をやめず、悪あがきをする。労働分野の徹底的な規制緩和をする。労働組合の賃上げ闘争自体が、独占禁止法違反にされかねない。
 第三点は、ほとんどの国家が準戦時体制と言える状況になっていることです。「敵は外から来る、その回し者が国内で暴れているから対処しなければいけない」という雰囲気をつくり、戦時国家体制に国民を動員する。共謀罪は政府の政策に反対する思想自体を犯罪にするものです。
 今年はロシア革命100年です。レーニンは「資本と国家こそ労働者農民の敵だ。戦争をやめさせるためには、労働者農民が国家権力を掌握するしかない」と労働者を導き、革命を成功させました。これを教訓化しなければならない。
 国鉄闘争全国運動は、戦争を阻止する労働運動をつくり出す大きな力になると私は確信しています。

北海道でついに動労総連合結成
 自交総連SKさくら交通労組執行委員長 河野晃興さん

 6月10日、ついに動労総連合・北海道を結成しました。委員長に長尾信一さん、副委員長に成田昭雄さんが就任し、解雇撤回闘争の生き証人2名を核に4・9政治和解を打ち破って闘いの火がともりました。
 JR北海道は昨年11月、維持困難10路線13区間を発表し、「2020年に全道で列車の運行が不可能になる」と道民を脅迫する一方、国の支援は求めない姿勢です。切り捨てるだけ切り捨て、新幹線などの利権は残して東日本の傘下に入るつもりではと感じます。分割・民営化は最初から、そういう悪だくみだったのではないでしょうか。
 JR北海道では若年層の退職者が年間100人を超えています。矛盾は現場にあり、必ず怒りは爆発します。ともに闘いましょう。

1047名解雇撤回へ

(写真 右から動労千葉争議団の高石正博さん、中村仁さん、動労総連合1047協議会の羽廣憲さん、小玉忠憲さん、国鉄闘争全国運動・新潟の阿部啓輔さん)

解雇撤回を必ず資本に強制する
 動労千葉争議団 中村仁さん

 民営化は一握りの資本のためだけにしかなっていない。一つも労働者のためにならないのが民営化です。
 私たちは今、国鉄分割・民営化が不当労働行為だったということを認めさせ、その闘いを大きくしていかなければならないと思っています。解雇撤回を絶対かちとり、自分たちの職場だった現場に戻りたい。戻りたいという意志だけではなくて戻らせる、資本に強制させたいと思っています。
 安倍政権を打倒し、労働者が誇りをもって生きられる職場、社会にしていく。自分たちの職場から声を束ねて大きい声にしていきましょう。

1047協議会結成を宣言する
 動労総連合・九州委員長 羽廣憲さん

 私からは動労総連合1047協議会について、ここで宣言したいと思います。
 昨日は動労総連合青年部が結成され、北海道でも動労総連合が立ち上がりました。大きく前進する熱い決意で、私たち解雇者は動労総連合1047協議会を結成することにしました。分割・民営化を許さず、この国のあり方を絶対に変えるため全力でがんばります。

全労組に署名と物販持ち込もう
 国鉄闘争全国運動・新潟 阿部啓輔さん

 私たちはJRの中にストライキを貫徹する全国的な組織を形成することに成功しています。そしてついにJRが不当解雇に深々とかかわっていたことを明らかにしました。この地平を全国の労働組合に持ち込もうではありませんか。
 動労千葉物販で、署名用紙と返信用の封筒をセットにして訴えたら2けたの職場から署名が届きました。 また、動労千葉の物販を長く取り組んでくれた分会が、本部から分離・独立しました。4・9和解以降、分会が動労千葉物販を取り組むかどうかをめぐり本部と熾烈(しれつ)な議論をしたそうです。国鉄闘争は労働組合を変える力があると実感しています。

第2の分割・民営化と闘う

(写真 動労千葉、動労水戸、動労東京が外注化粉砕をはじめJRの第2の分割・民営化との闘いを報告し、組織拡大への決意を語った)

分社化と転籍に全力で闘いぬく
 動労千葉副委員長 関道利さん

 外注化で強制出向されてから4年9カ月がたちました。出向無効裁判は6月7日に結審を迎えました。外注化と強制出向の矛盾を暴き、職場の実態を直接突きつける闘いが、会社を反論もできず開き直るしかないところに追い詰めました。
 その一方で6月9日に会社は再雇用制度を抜本的に見直す提案を行いました。エルダー社員の業務範囲の拡大と言って、JR本体にもエルダー社員を配置するというのです。これまでの次元を超えた全面外注化・分社化、転籍攻撃が始まったということです。われわれは反撃に立ちます。職場から外注化粉砕、組織拡大へ全力で闘いぬきます。

地方の声を代弁する闘い始まる
 動労千葉木更津支部 佐野正幸さん

 第2の分割・民営化攻撃の核には「選択と集中」と称して進められている地方交通線の切り捨てがあります。本年のダイ改で、昼間帯にはついに館山方面から千葉駅までの直通列車がなくされました。
 私たちは地方交通線の廃止により地方の生活と通勤通学が困難になることを訴えてストライキを含む闘いを展開し、館山市など地域住民の方たちが闘いに合流してくれました。「内房線と地域を守る会」が設立され、地方の声を代弁して闘いが開始されています。

選別解雇できる制度撤廃へ闘う
 動労千葉幕張支部(CTS) 北村武さん

 来年4月からの無期雇用に向けた面接が行われており、今年が決戦になっています。会社が選別して解雇できるという制度そのものを撤廃させる必要があります。また、65歳まで働ける労働条件をつくらなければ、無期雇用になっても意味がない。CTS(千葉鉄道サービス)には500〜600人ぐらいいるんですが、年間150〜200人が辞めていく職場です。外注化阻止・非正規職撤廃を掲げ、組織を拡大して職場を変えていきたい。

常磐線富岡延伸を絶対阻止する
 動労水戸委員長 石井真一さん

 動労水戸は福島第一原発事故以来、常磐線の全線開通に反対し、被曝労働拒否の旗を掲げて闘ってきました。浪江延伸に反対する現地闘争では、4月1日の浪江駅での記念式典を完全に粉砕しました。
 JR東日本、安倍政権は原発の南側の富岡駅まで10月に延伸しようとすでに工事を始めています。運転再開に反対し闘いぬきたい。
 大洗の原子力研究所で被曝事件が起きました。労働者の命を安易に考え、「放射能は安全だ」と言う安倍政権に労働者の怒りを結集して闘いぬきます。
 外注化の崩壊が始まっています。青年労働者の怒りを結集して、青年労働者が生き生きと働ける職場をつくっていきたい。
 ロシア革命から100年です。動労総連合と一体で全世界にボルシェビキをつくろうではありませんか。

ストでの反撃が全支部員の意志
 動労東京交通機械サービス八潮支部

 職場は東京臨海高速鉄道の下請けで、作業内容は車両の清掃です。電車の出区時間に合わせて作業しなきゃいけないんで、休憩時間もない条件で労働していてみんなかなり疲れています。交通機械サービスは団交にまったく応じようとしない。すごい低賃金で、労働基準法違反みたいになっています。一番やらなければならないこととして、深夜手当の大幅な確保へ、一生懸命がんばっています。
 都庁議事堂レストランでの非正規の女性の方の解雇は、八潮支部としても許せないことなので、解雇した張本人の小池に弾劾の声明を送りつけました。
 ストライキで反撃することを闘争宣言としたいと思います。

韓国・鉄道労組から

(写真 韓国・鉄道労組ソウル地方本部のパクソンス本部長【左】がウォンミョンス組織局長とともに登壇、韓日労働者の熱い連帯を訴えた)

民営化反対貫く同志こそが希望
 全国鉄道労組ソウル地方本部本部長 パクソンスさん

 30年を超える間、終始一貫して解雇反対、鉄道民営化反対を叫ぶ同志たちこそ日本の鉄道労働運動、日本労働運動の希望です。
 13年にパククネ政権が水西(スソ)発KTX民営化を試みた時、韓国の鉄道労働者は23日間ストライキを展開し、阻止しました。16年にパククネ政権が労働組合を破壊し、労働者を奴隷のように働かせるために、公共部門に対する年俸制を強要した時、公共機関労働者はゼネストを展開し、反対しました。鉄道労働者は74日間の揺るぎないストライキ闘争で、年俸制導入を挫折させました。鉄道労働者はパククネ政権弾劾でも先頭に立ちました。
 イミョンバク、パククネ政権は、本線機関士を除いたすべての部門を子会社に転換させ、究極的に民営化する計画を推進しました。しかし鉄道労働者は、連続したストライキでこれを遅延させ、挫折させました。
 韓国鉄道労働者は今年、団体協約更新闘争を控えています。
 民営化や解雇、年俸制に賛成するならば、その労働組合はすでに労働組合ではなく単なる会社の手先です。私は、動労千葉のように民営化反対をあきらめない同志たちがいるならば、日本の鉄道もいつかまた公共機関としてよみがえる時が来ると考えます。
 特に、今回安倍政権が進めている共謀罪の法案は絶対に阻止しなければならないと考えます。その理由は、韓国には共謀罪に似た国家保安法という法律があり、多くの市民や労働者を弾圧してきたからです。共謀罪は国家保安法よりもいっそう悪らつな法です。
 みなさんが進む正しい道が日本労働運動を大きく変えていきます。ともに労働運動の正しい道を進んでいきましょう。国際連帯で互いに勝利し、励まし、応援し合いましょう。

決意表明

青年部が総連合の最先頭に立つ
 動労水戸/動労総連合青年部副部長 照沼靖功さん

 昨日、ついに動労総連合青年部を結成することができました。つくったからにはとことんやり続ける覚悟です。すべての青年労働者が「闘っても勝てない」というところから、「闘わなければ生きていけない」へ転換する時代が来ています。動労総連合のように30年以上も絶対反対を貫き、軸をぶれさせず闘っている労働組合が必要です。
 JRがやろうとしていることはホールディングス化です。国鉄分割・民営化とJR総連カクマルの裏切りに最後的な決着をつけ、分割・民営化で壊された社会を根底からひっくり返す。その闘いができるのは動労総連合であり、その闘いを引き継ぐ青年部です。
 青年部の一人ひとりが主体になって総連合全体の先頭に立つ組織にしたいと思います。

大坂さんは無実 共に弾圧粉砕を
 全学連委員長 斎藤郁真さん

 京都大学同学会執行部選挙に勝利しました。闘いを全面的に発展させて全国大学での反戦ストライキに進んでいきたいと思います。
 共謀罪攻撃と一体で、大坂正明さんへの「殺人罪」デッチあげが行われています。国家権力の意図は、「渋谷暴動闘争のような闘いは組織的犯罪だ」ということにあると思います。
 71年渋谷暴動闘争の時のデモ隊の責任者であった星野文昭さんは、警官殺害の指示を出したとデッチあげられ、42年間無実を訴えながら徳島刑務所に収監されています。なんと物的証拠は1個もなく、拷問的な取り調べによってデッチあげられた、うその供述調書のみです。星野さんは無実であり、大坂さんもまた無実です。
 こういう弾圧がなぜ星野さんと大坂さんに集中したのか。それは「沖縄返還協定批准阻止」を掲げ、沖縄ゼネストと連帯した渋谷暴動闘争が歴史的な闘いだったからです。「日本に復帰すれば憲法9条のもとで米軍基地がなくなるんじゃないか」という沖縄県民の思いを逆手にとって基地を永久化するペテン的返還に反対し、71年11月10日に沖縄全島ゼネストが爆発し、その4日後、この闘いに連帯して闘われました。一切の集会・デモが禁止され、機動隊はガス銃を水平撃ちしてデモに襲いかかった。
 労働者が生み出した富を私物に変え、労働者を使いつぶし、学生にもそういう未来を送れと大学の中で軍事研究まで始まっている。こういう今の時代の中でこそ、渋谷暴動闘争のような闘いが必要です。共謀罪、戦争に突き進むこの国を止めるために、渋谷暴動闘争のような闘いが今こそ必要な時に、この歴史を否定してただの「組織的犯罪」にするために、今回の弾圧がしかけられているのです。
 すべてのみなさんに、大坂さん、星野さんの無実、そして弾圧されている仲間の奪還のために、支持と連帯を訴えます。

このエントリーをはてなブックマークに追加