関西生コン支部・武谷新吾書記次長に聞く 共謀罪をたたきつぶそう労働組合が先頭に立つ時

週刊『前進』04頁(2853号03面01)(2017/06/19)


関西生コン支部・武谷新吾書記次長に聞く
 共謀罪をたたきつぶそう労働組合が先頭に立つ時

(写真 共謀罪反対のデモの先頭に立つ武谷書記次長。昼からの国鉄闘争全国集会に先立って行われた【6月11日 銀座】)


 共謀罪法案への怒りと闘いが全国で燃え上がっている。その渦中で6月11日、国鉄闘争全国運動は国鉄集会に先立ち、共謀罪粉砕の銀座デモに立った。このデモの後、共謀罪廃案に向けての決意と、この攻撃に労働組合としてどう立ち向かっているのかを、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部の武谷新吾書記次長にうかがった。(編集局)

共謀罪廃案掲げストライキ決行

 ----関西生コン支部の共謀罪廃案を掲げたストライキは、どのように闘われたのですか。
 共謀罪法案が衆院法務委員会で採決された5月19日、全職場・13地域で2時間の時限ストライキをやりました。スト中にはそれぞれがミニ・ミキサーパレードなどに取り組み、夕方はJR大阪駅に結集してアピールをしました。
 昨日6月10日には大阪駅前と奈良駅前に生コン関係の共闘労組も含めて結集し、街頭宣伝に取り組みました。6月15日にも統一行動を予定しています。
 ----今日の銀座デモは、関西生コン支部の提案によって実現されました。この行動を呼びかけた思いについて、お聞かせ下さい。
 今日のデモは大成功しましたね。韓国のように労働組合がアピールし、火付け役になって大衆運動を引っ張るために、現場の行動が大事ではないかと、動労千葉や全国金属機械労組港合同との会議で提起しました。労働組合の存在感が薄れ、労働運動に求心力がない状況を、私たちの行動で変えなければならないと思ったんです。
 共謀罪は戦争の露払いです。安倍から見たら、闘う労働組合は全部「組織的犯罪集団」であり「テロリスト」。共謀罪は廃案に追い込むしかありません。
 ----関西生コン支部はこれまでも要所要所で政治的課題を掲げたストライキを闘ってきましたね。
 経済闘争、思想闘争、政治闘争は三位一体だというのが武建一委員長の教えです。関生には先輩たちが政治闘争をずっと闘ってきた伝統があります。一番最初の政治ストは1970年代のベトナム反戦ストです。これで武委員長は解雇されたけれど、解雇撤回闘争に勝利して職場に戻りました。2003年にはイラク戦争反対で2時間の時限スト、15年の安保戦争法に対してもストをしています。
 関生は中小零細企業と共闘して大企業と対峙していますが、今年の春闘では、生コン経営者会との集団交渉で「共謀罪廃案」を要求しました。経営者も「平和あっての経済活動だから協力する」となって、共謀罪反対の決議を上げた。先輩たちの蓄積があり、中小の経営者も一定理解しつつある状況です。

弾圧をはねのけゼネコンに勝利

 ----武谷さん自身も不当な弾圧をかけられ、それと闘った経験がありますね。
 05年の大谷・旭光事件です。この時は中小との共闘が前進し、総仕上げの時でした。大阪地区の生コン協同組合への加入を誓約していた2社に、その誓約を履行するよう説得したことが「威力業務妨害」「強要未遂」で刑事事件にされました。
 この弾圧で武委員長は1年4カ月勾留されて、一審で実刑判決が出た。運動はいったん、大きな後退を余儀なくされました。06年に武委員長が保釈された後、巻き返して、関西一円の全ゼネコンの建設工事を止めた2010年の139日間のストライキに至ります。この闘いで、中小企業を協同組合にあらためて結集させ、セメントメーカーにはセメント価格の値上げをさせず、ゼネコンには生コンの買いたたきをさせない仕組みをつくりました。

あきらめず行動を積み上げよう

 ----関生支部は森友学園疑惑の追及にも取り組んできましたが、安倍政権の現状をどう見ていますか。
 森友学園疑惑は、連帯議員ネットワークの木村真・豊中市議が独自に調査を続けたことでこれだけの問題になりました。
 今から11年ほど前ですが、森友学園の塚本幼稚園の労働者が「辞めさせてくれない」とうちに相談に来ました。塚本幼稚園に組合結成の通知をしに行ったら、菊の紋があって「天皇陛下万歳」と言っている。びっくりしました。この問題では、きちっと辞めさせて解決金も取りました。
 森友、加計学園事件で安倍がやったことはパククネと同じ。韓国だったら間違いなく罷免(ひめん)されている。安倍はあせっています。韓国のようになったらかなわんと思っているから、なりふり構わずにきている。
 関生支部は組織拡大のチャンス、中小企業者、農民も含めて組織し、一緒に闘える時が来ていると見ています。特に沖縄は安倍のアキレス腱(けん)です。沖縄では憲法の上に日米地位協定がある。だから体を張って闘うしかない。これは関生支部の闘いと共通しています。
 ----共謀罪廃案に向けて、特に訴えたいことをお聞かせ下さい。
 あきらめずに行動を積み上げましょう。闘う労働組合が先頭に立ち、共謀罪の本質を暴くオルグを粘り強く行って、一気に大衆運動を組織し、共謀罪をたたきつぶしましょう。

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