共謀罪 絶対許さない 都議選・北島勝利で大反撃へ 斎藤郁真 全学連委員長アピール

週刊『前進』02頁(2854号01面01)(2017/06/22)


共謀罪 絶対許さない
 都議選・北島勝利で大反撃へ
 斎藤郁真 全学連委員長アピール

北島くにひこさん
 1959年、山口県岩国市生まれ。中央大学法学部卒業。広告会社で労働組合運動を始める。一貫して非正規職労働者の組織化と反戦・反原発運動で志を貫く。元杉並区議会議員、一般合同労組東京西部ユニオン副委員長、都政を革新する会事務局長。

北島くにひこの主張
■戦争・民営化の小池都政を倒そう
■杉並から、新しい労働者の政党を
◆共謀罪と改憲に絶対反対!
 国境をこえた連帯で戦争とめる
◆豊洲移転は白紙撤回!
 いのちを奪うな。食の安全を守ろう
◆保育の民営化を許さない!
 小池の「東京丸ごと民営化」反対
◆東京オリンピックは返上!
 原発推進と利権の道具はいらない
◆被ばくさせない!
 都庁レストラン福島署名解雇を許さない
◆闘う労働組合の力で!
 小池都政の都労連つぶしに反撃を

 6月15日、共謀罪法案を参院本会議で強行成立させた安倍政権に対し、早朝から参議院議員会館前で怒りの抗議闘争が行われた。全学連の学生や仕事を休んで駆けつけた労働者が次々とマイクをとって共謀罪強行を弾劾し、安倍打倒へ徹底的に闘う決意を表明。前日から夜を徹して抗議した人びとも合流した。粛々と審議に応じて共謀罪成立に手を貸した民進党や日本共産党にも激しい抗議がたたきつけられた。今こそ新しい労働者の政党の鮮烈な登場が圧倒的に求められている。国会前集会での全学連・斎藤郁真委員長と東京都議会議員予定候補・北島くにひこさんの訴えを紹介します。(編集局)

斎藤郁真 全学連委員長アピール

(写真 6・15国会前で訴える斎藤委員長)

私たちの団結の力を示す時だ

 共謀罪の強行成立、絶対に許せません。なぜ安倍政権は、あんな強行採決をやらなくてはならなかったのか。その背後にあることをもう一度とらえる必要があると思います。
 なぜ僕らが「共謀」すること、団結することを犯罪とする法律をつくるのか。安倍にとっては、僕らが「共謀」することがきわめて不都合だからです。「安倍一強」と言われる状況が実はきわめて不安定な土台の上に乗っかっているということを安倍自身がよく理解しているからこそ、みんなが話し合うこと自体を犯罪にしなくてはいけない。そういう非常に追い詰められた姿としてこの共謀罪があります。だから闘いはこれからです。私たちの「共謀」の力を、団結する力を、安倍政権に対して思い知らせる時がきたということです。
 歴史上、人びとの闘いによって事実上使えなくなった法律はいくらでもあります。かつて元・防衛大臣の石破茂が「デモはテロだ」と言いました。労働運動、学生運動、市民運動......果たしてそれはテロですか? 労働者が解雇撤回を求めて運動することがテロですか? 原発という何十年も行われてきた国家犯罪に対して、「命を守れ」と怒りをもって闘うことがテロですか? それらに弾圧をかけた瞬間に共謀罪は死にます。誰の信認も得られないからです。ブラック企業を断罪する労働運動に〝テロ等準備罪〟と言ってみろよ! やってみろよ! その時に共謀罪を無効化する決定的なチャンスが来ます。いま拡大している団結を大事にして、闘いに立ち上がっていきましょう。

目の前の「常識」打ち破る闘いを

 私は法政大学を退学処分になっています。法大ではビラまきや立て看板、学生が集会をやること、それら全部が許可制になっていて、実際には禁止されています。私はそんなルールはおかしいと訴えて実力で集会をやりました。これに対して法大当局は、「大学の秩序を乱す行為だ」「組織的な業務妨害だ」と私を無期停学処分にしました。それでも私は従わず、多くの仲間とともにさらに活動を続けたことをもって、退学処分になりました。
 私は法大法学部政治学科に入学したからには、それなりにまじめに勉強しようと思っていたし、「自由と進歩」のスローガンのもとに民主主義を語る教授たちを信頼して「一緒に闘ってください」と何度も呼びかけました。すると教授は、「私は法政大学に雇われて『民主主義』をパッケージにして売っているだけだから、君の闘いには連帯できない」と言いました。こういうことが僕らの現場であまりにも多くありませんか? 労働現場にも、大学キャンパスにも、憲法の存在なんて感じたことありますか? 「表現の自由を守れ」とよく言われますけど、そんなもの、僕らの日常にはとうの昔からなかった。そういう状況をつくることに加担してきたのは「民主主義」を語る教授たちです。私の後輩たちは大学でビラまきも集会もできないのが当たり前だと思わされています。大学に入った瞬間からそういうルールや「常識」があるからです。この状況をひっくり返さなくてはならない。
 今、目の前にある法律や常識が本当に正しいのかどうか問うて行動する自由がないのに、どうやってこの社会が変わるのか。誰かに頼むんじゃなくて、僕ら自身が団結して理不尽に対して立ち向かっていく力を取り戻していきましょう。それこそが共謀罪を粉砕する道です。

北島さんと共に立ち上がろう!

 共謀罪は組織的犯罪集団に適用すると言われますが、安倍政権こそ最大、最悪の組織犯罪集団です。あの加計学園事件、森友学園事件を見てください。きわめて不正な手続きで、みんなの税金や国有地が安倍のオトモダチに分配された。安倍も菅もそのオトモダチもみんな監獄にぶち込もう。そしてこの現場に引きずり出して全部吐かせましょう。本当の組織犯罪集団である安倍政権こそ、僕らの力で倒しましょう。
 そのためにもやっぱり僕ら自身の力が必要です。東京都議会選挙には、現場でずっと労働運動を闘い、いくつもの解雇撤回闘争を闘い、国鉄分割・民営化に反対してきた北島くにひこさんが、新しい労働者の政党をつくろうと訴えて出馬します。国会前に集まられたみなさん! ともに声を上げ、この社会の現状に対して、僕らの現場の理不尽に対して立ち向かいましょう。

公安警察の解体を 北島邦彦さんの訴え

 共謀罪の強行採決、本当に許しがたい。7月の都議会議員選挙、共謀罪をぶっとばす選挙戦として闘おうではありませんか。
 今回の強行採決で明らかになったことは、もう安倍政権が徹底的に追い詰められているということです。ひとつは、加計学園疑獄に見られるような安倍政権の底なしの腐敗が日々暴かれていること。そしてもうひとつは、やはり戦争の問題です。安倍政権が本気で戦争に突入しようとしているからこそ、共謀罪を何がなんでも成立させる必要があったということです。
 共謀罪の核心は、労働者が団結すること、そして戦争反対を掲げてストライキで立ち上がることを禁圧することにあります。しかし共謀罪が国会で強行されても、「戦争動員には絶対に屈しない」という労働者の団結は何ら打ち崩されていない。この労働者の団結こそ、共謀罪を根幹から打ち砕く最強の力です。いよいよ闘いはこれからです。
 さらに今回の都議選と共謀罪の強行情勢の中ではっきりさせるべきことは、「殺人罪」によるデッチあげ起訴を絶対に許さず、不当逮捕されている2人の同志を必ず奪還するということです。そして労働運動、学生運動の弾圧の元凶であり、デッチあげで共謀罪弾圧を狙う公安警察、警視庁公安部を解体しよう。
 今、東京都の小池都知事は、豊洲への市場の移転を強行し、築地には新たな商業施設をつくることを打ち出そうとしています。東京都の中央卸売市場というあり方を全面的に変えて、卸売市場を全部民営化する。そして民間の大企業が牛耳る流通センターに変えていくということです。膨大な市場の労働者が民営化によって首を切られ、仲卸業者と呼ばれる中小の卸売業者はどんどん廃業に追い込まれ、食の安全が破壊される。そして一握りの大企業に大もうけをさせ、都議会自民党に代わって新たな「小池利権」をつくるということです。
 それは市場だけの問題ではない。保育や都営交通を民営化し、これまで行政として責任を負ってきた仕事を全部大企業の利益のために差し出すことを狙っている。そしてそれを通じて労働組合を破壊し、労働者の戦争反対の声をたたきつぶすということです。安倍とまったく同じです。民営化は労働者にとって絶対悪であり、百害あって一利なしだ! これこそ都議選のなかで問われなければならないことです。
 共謀罪の強行に対する心の底からの怒りを、安倍・小池を倒す都議選決戦のエネルギーとして爆発させようではありませんか!

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