ヒロシマからの訴え

週刊『前進』02頁(2862号01面02)(2017/07/20)


ヒロシマからの訴え

安倍の改憲・核武装と対決
 反戦被爆者の会/被爆2世 中島 健さん

7月5日、ニューヨーク・タイムズ紙は、安倍政権がアメリカと巡航ミサイル・トマホークの購入を協議していることを暴露した。2018年予算に計上するという。18年改憲と一体の攻撃だ。トマホークをイージス艦に配備し、最新鋭ステルス戦闘機F35に空対地(空から地上を爆撃する)ミサイルを搭載して北朝鮮の核施設・ミサイル基地を先制攻撃することも検討を始めた。核戦争を引き起こすものであり、絶対に許すことはできない。
 安倍政権は、都議選惨敗直後に行われた北朝鮮の「ICBM発射実験成功」を徹底的に利用し、改憲と核武装を推進するテコにしている。トランプ政権の危機をついて、むしろ日本帝国主義が積極的に北朝鮮への攻撃を行おうとしている。それほど、安倍政権は朝鮮戦争=核戦争を自らの延命のために必要としているのだ。だからこそ、安倍政権は「核兵器禁止条約」を米英仏3国の拒否声明にくみしてボイコットした。ペテン的にも「核廃絶」を口にすることすら投げ捨てた。こんな安倍を被爆者の怒りの街、ヒロシマに迎えることはできない。
 今、地に満つる安倍独裁への怒りが、「安倍を監獄へ! 安倍を地獄へ!」の声となって爆発している。安倍による新自由主義の強行は「働き方改革」「残業代ゼロ法」として、労働者を生存(家族の維持)もできない極限状態にたたきこんでいる。その一方で、加計学園疑獄に見られるように国家財政を私物化しネコババしている。その犯罪を隠蔽(いんぺい)するために官僚機構とマスコミ、連合をおどし、買収している。そして現代の治安維持法=共謀罪を強行採決の上、ただちに施行した。労働者民衆は都議選での自民党の壊滅的敗北、秋葉原での安倍演説「実力粉砕」で怒りを示した。これは始まりに過ぎない。必ずや、韓国民主労総の労働改悪反対のゼネストがパククネ政権打倒に向かったような発展を遂げずにはおかない。
 今夏の8・6ヒロシマで問われているのは「安倍打倒か、戦争・核武装か」だ。安倍政権の核武装策動と闘わない「核禁止条約」賛美は幻想だ。広島平和宣言で「国は保有国と橋渡しを」と提唱する松井市長の安倍擁護を粉砕し闘おう!

(写真 1945年8月6日8時15分に投下された原爆で広島は一瞬で廃墟に)

沖縄・福島とつながって
 セイブ・ザ・イラクチルドレン広島代表/婦人民主クラブ全国協広島支部/安芸太田町議会議員 大江厚子さん

 都議選で都民はみごとに安倍政権にNO!を突き付けました。政治を私物化する者たちが、労働者民衆を支配し、正義のために人生をかけて闘う人を監獄に入れる、こんな転倒した社会は根本から変えなければと、私もともに闘いました。「安倍を監獄へ」の闘いを、安倍首相が来る8・6ヒロシマでさらに大きく激しく進化させましょう。
 今年はこれまで以上に切迫する朝鮮戦争・核戦争の危機のただ中で8・6を迎えます。広島市から西へ約33㌔先には、米軍関係者が朝鮮半島・中国をにらんで「リンチピン(要の意味)」と表現する岩国基地があります。最新鋭のステルス機が配備され、厚木の空母艦載機も移駐し、極東最大級の米軍基地になろうとしています。安芸太田町でも米軍機の音が夜間も響き、戦争の切迫を感じさせます。沖縄・岩国、すべての基地の撤去を訴えます。
 安芸太田町では、今年も福島保養を行います。昨年来られたお母さんの言葉です。「広島に降った黒い雨は、今も人びとの心の中に残り、今でも戦っているのですね。そして、福島もまた立ち上がらなくてはと思いました。福島は災害として扱われ泣き寝入り状態です。こうやって保養に出るのも、私なりの抗議の気持ちがあるのです」。この福島の怒りとさらに深くつながる8・6にしたいです。
 6月町議会で、民営化反対の立場を表明し、初の議会質問を行いました。かつて多くの若者を戦場に送りだした農村が、「選択と集中」政策のもと、丸ごと切り捨てられようとしています。戦争と民営化に反対する闘いはひとつです。
 8・6は、被爆地が世界から注目される日であり、各国で核廃絶の闘いが行われる日です。その先頭に立つ闘いを、ヒロシマ大行動に参加予定の韓国・テグの労働組合や、サード配備阻止を闘っているソンジュの仲間とともにやり抜き、国際連帯で戦争を止め、核をなくしましょう。
 みなさんの結集を心から呼びかけます。

(写真 岩国基地【写真】、沖縄をはじめすべての基地撤去を!)
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