学費・奨学金・軍事研究ぶっとばせ! 学生の力で大学変える 8・30~31全学連大会へ

週刊『前進』02頁(2868号01面01)(2017/08/17)


学費・奨学金・軍事研究ぶっとばせ!
 学生の力で大学変える
 8・30~31全学連大会へ

全学連大会Q&A

 全学連は8月30日(水)〜31日(木)に第78回全国大会を開催します。すべての大学生・高校生に大会への参加を呼びかける全学連に、七つの質問に答えてもらいました。

全学連はどういう組織?
 改憲・戦争を大学から阻む

Q1 全学連大会とは何ですか?
A1 「全学連」とは、全日本学生自治会総連合の略称です。全学連は戦争への反省の上に1948年に結成されました。戦前の大学は戦争に進んで協力し、学生は戦争反対の声を抑圧され、最後は「学徒出陣」で侵略・虐殺の銃を握らされ、自らも死んでいったからです。全学連は約70年間、戦争に反対し、学生の自治・生活・権利のために闘ってきました。
 日本には約300万人の大学生がいます。全学連は全国学生の団結した運動体として、改憲(=9条改悪)、大学の軍事研究、学生の貧困、金もうけ至上主義の教育、管理強化など、大学・政治にかかわるさまざまな問題に声を上げています。
 学生一人ひとりは微力ですが、団結して一個の組織にまとまれば大きな力を発揮します。それが「学生自治会」です。現在ほとんどの大学で学生自治会は破壊され、なくなっています。全学連は学生自治会を再建する運動に最も力を入れ、法政大、京都大、東北大、広島大、沖縄大、福島大、富山大を中心に活動しています。
 全学連大会は毎年1回、全国の学生と学生団体が互いの活動や問題意識を持ち寄って、討論・交流し団結する場です。「大学・社会を変えたい」と思う人は誰でも参加できます。

(写真 労働者とともに連日国会前へ駆けつけ、「つぶせ共謀罪」「安倍を監獄へ」と訴えた【6月15日】)



Q2 今の大学の問題について詳しく教えてください。
A2 2015年から、戦後初めて「大学の軍事研究」が始まりました。あわせて「学生の貧困」が現在の大学の抱える最も大きな問題です。
 学費は40年前と比べて国立大で約10倍、私立大で約5倍にはね上がっています。奨学金を借りざるをえない学生も急増し、そのほとんどが利子つき借金の「学生ローン」です(グラフ参照)。「大学・教育のビジネス化」が進み、学生・保護者が「奨学金地獄」に突き落とされています。その出発点が04年度の「国立大法人化」でした。大学が営利目的になり、予算ほしさに軍事研究にのりだす研究者が出てきているのです。教育はカネもうけの道具じゃない!

戦争はどうすれば止められる?
 「資本のための競争」なくす

(写真 戦争法阻止へ深夜まで闘う全学連【2015年9月 国会前】)

(写真 京大反戦ストの先頭に立った4学生への無期停学処分【当時】撤回を求め、キャンパスで集会とデモを行った【昨年10月 京都大学】)

Q3 学生運動をすると逮捕・処分されるのですか?
A3 大学では今、当たり前の活動・行動が許されていません。反戦運動や学生運動は弾圧・処分の対象となります。全学連は、こうした不当な逮捕・処分とも闘っています。
 全学連は「2006年3・14弾圧」(ビラまき・看板規制に抗議した学生29人が逮捕)以来、法政大で126人の逮捕―13人の重処分を出しながらも、「大学の主人公は学生だ」を掲げて運動を続けています。一昨年の京大反戦バリケードストライキに対する4学生への「退学処分」撤回も求めています。
 逮捕・処分が就職に不利になることもあるでしょう。職場で声を上げた労働者のクビを切ったり、孤立化させたりする攻撃と同じです。学生が貧困―非正規職に追いやられ、正社員が過労死させられ、戦争でしか維持できない社会を変えることが必要です。団結を広げ仲間が増えれば、逮捕・処分・解雇もはね返せます。全学連は「仲間を大事にする運動」をめざします。

Q4 SEALDs=シールズとは何が違いますか?
A4 シールズ(昨年に解散)は軍事研究や学生の貧困、権利剝奪(はくだつ)などとは対決せず、大学では闘いません。全学連は「キャンパスから戦争とめよう」と訴え、街頭や国会前だけでなく大学で闘い日常を変えることを重視しています。大学や職場の矛盾に声を上げられず、どうして社会を変えられるでしょうか? 戦争は法律がつくられて始まるのではなく、軍事研究として始まっています。
 学生観も違います。一昨年の安保・戦争法に反対する国会闘争で多くの労働者・学生が逮捕される中、シールズは「警察ありがとう」と言い放ち、戦争法が成立するや「野党へ投票」運動に切り縮めました。学生・労働者の怒りは「一票」にすぎず、「学生・労働者には力がない。国家権力とは闘っても勝てない」という思想です。日本共産党も同じです。しかし、戦争を止める力は社会の主人公である労働者・学生にあります。

Q5 戦争はなぜ起こるのですか? 「自衛戦争」は必要では?
A5 全学連は、改憲や「自衛戦争」に絶対反対です。戦前の日本のアジア侵略を見るまでもなく、過去の戦争はつねに「自衛」の名で行われてきました。
 戦争の原因は資本主義にあります。大企業が支配する国家による市場・資源・勢力圏を求めての武力も含めた「競争」、それが戦争です。戦争で利益をせしめるのは「1%」の大資本と政治家であり、私たち「99%」は戦争にかり出され他国の仲間と殺し合わされるのみです。
 最大の戦争挑発者は米トランプと安倍です。史上最大規模の軍事演習を繰り返し、安倍政権は朝鮮半島での戦争に参戦しようとしています。核やミサイルで対抗する北朝鮮スターリン主義も許すことはできません。
 戦争をあおる支配者たちは、同じように「競争」をあおり、社会を「勝ち組」「負け組」に分断します。「自己責任」を叫んで青年・学生を非正規職にたたき落としています。戦争と貧困をなくすために、資本主義社会を変革しなければなりません。

革命をめざすのか?
 労働者が社会の主人公 国境をこえ団結つくる

(写真 韓国の6・30社会的ゼネスト)

Q6 資本主義を否定して共産主義を目指しているのですか?
A6 労働者・学生が人間らしく生きるため、資本主義社会の根本的変革=共産主義革命が必要です。ソ連や中国は真の共産主義ではなく労働者民衆を抑圧する「スターリン主義国家」で打倒すべき体制です。
 100年前の1917年、ロシアで革命が起きます。革命家レーニンとロシア労働者民衆の闘いで、史上初の労働者革命=共産主義革命を実現し、悲惨な第1次世界大戦を終わらせました。しかし、レーニン死後にソ連の権力を握ったスターリンは、「労働者の解放は労働者自身の事業」(マルクス)ということを否定し、世界革命を放棄して資本主義と妥協し、全世界での人間解放を求める闘いをつぶしました。スターリン主義は「反革命」であり、当然にもソ連は91年に崩壊しました。
 スターリン主義は社会の生産を担う主人公である労働者の存在を否定しますが、社会を変える力は労働者にこそあります。スターリン主義をのりこえ、大失業と戦争をつくりだす資本主義を打倒する革命をやろう。

Q7 革命に暴力は必要ですか? 議会での改革ではダメですか?
A7 この社会で暴力を独占しているのは国家です。日本は世界有数の戦力である自衛隊を持ち、警察機構・監獄もあります。労働者・学生が社会を変えようと立ち上がれば、機動隊の暴力や逮捕です。恫喝と支配のための国家暴力をまず解体しなければなりません。
 私たちは数年に1回の投票日だけ形式的な「主権者」とされ、日常的には「政治」を奪われています。職場・学園に憲法などなく、労働者を殺すブラック企業か、学生がビラすらまけないキャンパスです。議員のイスもカネしだい、国会は資本主義が支配を貫徹する道具です。
 資本の暴力にうちかつ「労働者・学生の暴力」が必要です。それが実力闘争であり、学生自治会と労働組合のストライキ(ゼネラルストライキ=ゼネスト)です。韓国でのパククネ大統領打倒は、労働者民衆による法を超えた実力の闘いでした。ストライキで闘う全学連運動をよみがえらせるため、ぜひ全学連大会に集まってください!

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競争社会を終わらせよう
 京都大学 高木定義

 学生諸君! 君たちには将来の夢はあるだろうか。
 今は若者が夢を持てない時代といわれている。夢を追うより収入の安定。そのために一定の学歴を。そう考えている人が多いのではないだろうか。
 誤解を恐れずに言おう。そんな目標はゴミだ。世の中には、搾取する者とされる者がいる。人生の勝ち組といわれるような労働者が、相次いで過労自殺している。ホワイト企業にありつけたとしても、生活の中に政治はない。敗者の存在に目をつぶりながら戦利品を手にすることになる。
 僕たちが生きているのは自然界ではない。人間の特長である「共同性」を人為的に破壊する競争社会だ。そんなものにわざわざ乗っかることはない。それも土台から崩れようとしているオワコンの資本主義に!
 他人を蹴落として生き残るのではなく、競争そのものを終わらせる。それこそ夢物語ではないか、と思うかもしれない。そんなことはない。憲法無視で好き放題の支配者も、個々人を駒のように操らなければ何もできない。自律し団結した人民の前には無力なのだ。
 怒りの爆発は反社会性などではない。経済競争、戦争動員の実力粉砕は世界の99%が共有する正義だ。大会の討論でその確信を深めよう。僕たち自身が新しい社会の創り手となるのだ!

大学の危機と闘う運動を
 広島大学 花山和夫

 広島大学から、全学連大会への参加を訴えたいと思います。
 今、全国の大学は危機に立たされています。予算削減や文系廃止論といった政治的介入、米軍マネーや軍需産業マネーの受け入れや奨学金問題といった経済的問題、京大における放学処分といった大学当局の管理強化......挙げはじめたらきりがありません。これが果たして正しい方向なのでしょうか!?
 それらの危機に最前線で闘っているのが全学連です。広島大学でも、学生自治会の活動により、少しずつですが、着実に危機を打倒する兆しが広がっています。
 全学連大会では、そのような活動を振り返り、より大きな運動にすることができるでしょう。私が全学連大会に参加する最大の目的はそれです。広島大学での活動だけではなく、関東や関西の活動の現状についても知り、一緒に振り返り、次は一緒に運動をつくっていく。とても素晴らしい営みだと思いませんか?
 あらためて、8月30、31日には、ぜひ全学連大会に参加していただきたいと思います。

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