知る・考える 用語解説 労働力の商品化―労働者を原材料と同じ扱いに

週刊『前進』02頁(2874号02面04)(2017/09/07)


知る・考える 用語解説
 労働力の商品化―労働者を原材料と同じ扱いに


 資本主義社会では、労働者は一切の生産手段と切り離されているために、自らの労働力(労働する能力)を商品として売る以外に生きることができない。資本家はこの労働力商品を原材料などと一緒に時間決めで買い、労働者を働かせる。労働力は労働者の肉体と切り離すことはできないから、労働力の商品化は、生身の労働者そのものが時間決めで商品化されることと変わらない。この「労働力の商品化」こそ、資本主義社会の歴史的特徴の核心点である。
 労働力商品の価格の別名が「賃金」である。賃金は、労働者が労働力を再生産し、また次世代の労働者を生み育てるために毎日必要な生活手段の商品価値の合計である。それは労働者が一日働いて新たに生み出す生産物の価値よりも必ず小さい。資本家の生産の目的はこの新価値のうち、賃金を超える分(剰余価値)を搾取することにある。
 本来、労働者自身の生命の活動であり、共同性・協働性の中で生きる喜びとなる労働が、労働力の商品化によって生存するためだけの手段にゆがめられる。資本家は労働者を取り換え可能な道具として使い捨て、より多くの剰余価値の取得のために一層の低賃金、長時間労働、過労死、暴力支配を強制する。
 労働力の商品化を廃絶するためには、資本家の私有財産となっている社会的生産手段を労働者の手に取り戻し、労働者自身が生産と社会の主人公となる以外にない。これがプロレタリア革命である。
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