斎藤いくまを国会へ

週刊『前進』04頁(2885号01面01)(2017/10/16)


斎藤いくまを国会へ


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変えるのは私たち自身だ

 東京8区から立候補した斎藤いくまです。私がみなさんに訴えたいことは、この社会を動かしているのは労働者だということです。
 安倍政権が引き起こした加計・森友事件、どう考えても横領罪です。安倍首相は即座に逮捕されて監獄へ送られるべきです。しかし、かつても同じように「自民党政治が悪い、だから政権交代をしよう」と、民主党が政権をとった時期がありましたが、それでみなさんの職場は何か変わりましたか? ブラック企業は増え続け、僕らの生活は何も変わりませんでした。
 本当にこの社会を変えるにはどうすればいいのか。それは僕ら自身が立ち上がって僕ら自身の日常を変える、労働のあり方を変えることだと思います。
 政治家が何を言おうが、どんな政策もすべて実行しているのは労働者です。安倍首相が決めた今回の総選挙で、実際にみなさんの自宅に選挙関連の郵便物が届くのは、郵便労働者がとんでもない残業を強制されながら働いているからです。
 原発だってそうです。配管が複雑にからみ合い、メンテナンスだってできるのかと、原発で働く労働者はみんな言っていた。だけどそのことは一切取り上げられず、原発は絶対安全だと言われ続けた。そして福島第一原発で事故が起きたら、原発は安全ではなかったが放射能は安全だと、話がすり替えられた。
 そして私は忘れていません。あの時、「ただちに健康に影響はない」と言ったのは、今の立憲民主党代表の枝野幸男です。そして福島県民だけは年間20㍉シーベルトまで被曝していいという制度をつくった。なんでその人が「原発ゼロ」なんて言えるんですか? 口で言うのは簡単です。だけど廃炉にするためには多くの労働者が被曝しながら作業することになるんです。その労働者の健康の管理、労働条件の改善、被曝から守る措置が必要になる。「ただちに影響はない」なんて言って被曝を強制した人が「原発ゼロ」などと掲げても、本気でやる気なんかないことは明らかです。

原発も戦争も止められる

 戦争と改憲の問題をめぐっても、とんでもないペテンがふりまかれています。安倍政権の改憲案、これは2013年当時民主党だった枝野がつくった改憲私案とほとんど同じです。枝野は日本では「護憲派」のようにふるまっていますけど、海外メディアでは「自分は護憲派ではない」と一生懸命主張しています。そしてその枝野率いる立憲民主党に日本共産党がのっかって、「共産党が政権に入ったら自衛隊は合憲と認める」「自衛のためなら武力行使することも辞さない」などと言っています。
 選挙後、11月3日から5日にかけてアメリカのトランプ大統領が日本にやってきます。朝鮮半島の戦争に踏み出すための最終的な合意を取り付けると言われている。戦争の準備を整える選挙として今回の選挙は計画されています。
 しかし、実際に社会を動かしているのは労働者です。だから私たち労働者自身の行動で社会は変えられる。原発を止めることも戦争を止めることもできる。
 かつてベトナム戦争の時、沖縄の基地労働者が基地の中でストライキをやることによって、米軍の爆撃機がベトナムに飛ぶことができなくなった。世界中の労働者もベトナム戦争に反対してストライキを行い、生産や輸送を止め、世界最強と呼ばれたアメリカ軍が最終的にベトナムから撤退させられた。イラク戦争もそうです。アメリカの港湾労働者がイラクの港湾労働者と連帯して、ストライキで戦争のための輸送船を止めた。「戦争に協力しない」と国境を越えて労働者がストライキに立てば戦争は止められるんです。
 私はこういう力を世界中にあふれさせていきたい。沖縄の東村高江に米海兵隊の大型輸送ヘリがまたしても墜落・炎上しました。こういう事故をもたらす基地を撤去できるのも労働者のゼネストです。この労働者の力こそが社会を変えていく最大の道です。

闘う労働組合の再生を!

 みなさんの労働現場に憲法はありますか? 労働基準法はあると言えますか? 法律が何を言ったって、結局、それを守らせる力は労働者自身が持つしかない。私はそう考えた時に、今の日本の労働組合が腐敗したイメージで語られることがものすごく問題だと思っています。
 例えば日本で最大の労働組合、UAゼンセンという労働組合があります。この組合はユニオンショップ制といって、会社に雇用された人間は全員が組合員になるという制度をとっています。そして会社から解雇された人は組合からも除名される。つまり労働者が解雇を撤回したいと思っても、UAゼンセンという組合は、あなたはもう会社の社員ではなく、うちの組合員でもないので関係ありません、という組合なのです。
 またUAゼンセンは改憲に賛成し、徴兵制を導入すべきだと主張する組合でもあります。こういう腐敗した組合が育成されることによって、労働者が団結して闘っても展望がないかのように思わされる。
 しかしみなさん、私たちに団結した組織がなかったらどうなりますか。ネットの中でいろいろ言うことができても、職場とか大学とか一番大事な場所で、僕らの決定権が一番必要な場所で、声を上げることができないんです。
 私の今回の選挙の支持母体は闘う労働組合です。推薦団体になってくれた動労千葉は、20万人が職場を追われた1987年の国鉄分割・民営化以来、JRを不採用にされた1047名の解雇撤回を求めて30年間闘い続けています。
 けれども、闘いの先頭に立った労働者が1047人も解雇されて、その人たちを守らないということを日本の労働組合のほとんどがやってきてしまった。だから私たちの労働現場では、労働基準法すらまともに守られない状態になっているんじゃないですか。私はこういう状況を根本的にひっくり返したい。
 私はみなさんから集められた力で闘う労働運動を支援していく。職場から物事を変えていく。たった一人の解雇撤回闘争を国会にも持ち込んでいく。この国に反乱を巻き起こしていく。その一環として今回、選挙に立候補しています。
 今の政治は結局、1%の金持ちが圧倒的に多くの人たちを貧困と長時間労働に追い込んで考える時間や余裕を奪い、その上で政治家が政治を独占し続けている。そして「この国を守るために戦争をやる」などと言っている。しかし、労働者を使いつぶして吸血鬼のように生き続けるこの国は守り抜く価値なんてない。この国に必要なのは革命です。「国民」というあいまいな概念ではなくて、実際に働いてこの社会を回している労働者の政党をつくりあげていきましょう。生きる誇りを取り戻し、労働者自身の力でこの国の常識、ルールをつくり替える。それをみなさんと共に始めていきたいと思います。

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