衆院選のうねりを11・5へ 改憲阻止1万人大行進ぶちぬきトランプ―安倍戦争会談粉砕を

週刊『前進』04頁(2887号01面01)(2017/10/23)


衆院選のうねりを11・5へ
 改憲阻止1万人大行進ぶちぬきトランプ―安倍戦争会談粉砕を


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(写真 斎藤いくま候補、労働者に革命を訴え 「この国に革命を」――斎藤候補の演説が連日杉並に旋風を巻き起こした【10月18日 東京・西荻窪】)


 改憲と戦争、労働改悪を強行する安倍政権に対する労働者・学生の怒りは、総選挙の過程で激しく噴出しています。斎藤いくま候補を押し立てた選挙戦は、怒りの結集軸が打ち立てられれば、安倍も小池も打ち倒せることを示しました。衆院選決戦を最終盤まで全力で闘いぬき、11・5全国労働者総決起集会―改憲阻止1万人大行進へ登りつめましょう。朝鮮侵略戦争のための安倍―トランプ戦争会談を粉砕し、首都を揺るがす1万人のデモを実現しましょう。日米韓の労働者国際連帯で戦争を阻止し、革命の扉を開きましょう。

改憲へかじ切る連合本部

 自民党は、自衛隊保持を憲法9条に明記することを今回の総選挙の公約に掲げています。安倍は総選挙で「信任を得た」と強弁し、今年中に改憲案を国会提出する方針です。小池東京都知事を代表とする希望の党も「改憲に向けて大きなうねりをつくる」と唱える自民党以上の改憲勢力です。
 その中で、民進党がまたたく間に分解・消滅しました。小池は、民進党の希望の党への合流の条件として「安保法と改憲に賛成すること」を突きつけ、一致しなければ排除するとして選別を強行しました。こうして百数十の議席を持つ政党が一夜で崩壊したのです。これは戦前の大政翼賛会を思い起こさせる事態です。
 民進党の崩壊の最後の引き金を引いたのは、9月26日の神津里季生連合会長と小池都知事、前原誠司民進党代表との極秘会談でした。神津会長は「理念政策が一致した野党は一つの固まりで闘うべきだ」と言い、民進党の希望の党への合流を提唱しました。民進党を小池にひれ伏せさせることをとおして連合全体を改憲勢力にするという企てを最先頭で担ったのは、神津会長自身だったのです。

労働者の怒り解き放とう

 7月には残業代ゼロ法案をめぐって連合の逢見直人事務局長らが首相官邸と密談を繰り返し、連合内外から激しい批判を浴びました。これも、労働法制改悪の問題だけではなく、連合全体を改憲勢力に取り込もうとした安倍政権の策動の中で起きたことです。
 逢見事務局長の出身母体のUAゼンセンは、9月の定期大会で改憲に賛成する方針をあからさまに打ち出しました。そもそもUAゼンセンは、第1次安倍政権の時以来、自民党や資本によって意識的に育成されてきた存在です。UAゼンセンは資本とユニオンショップ協定を結び、資本と闘おうとする労働者を組合から排除することで解雇に手を貸し、資本の力で組織を拡大してきたのです。
 7月の残業代ゼロ法での秘密合意は、10月の連合大会で逢見事務局長を会長に押し上げる策動と一体でした。しかし、それは現場組合員の怒りが噴出して、破産に追い込まれました。
 この時の秘密合意も今回の民進党の崩壊も、現場組合員にはなんの相談もなく、一部の幹部が勝手に進めてきたことです。その先にあるのは、連合の完全な産業報国会化です。

闘う労働運動の再生を

 連合結成のきっかけとなったのは国鉄分割・民営化です。国鉄分割・民営化を強行した元首相の中曽根康弘は、その目的が「国労をつぶし総評・社会党をつぶして立派な憲法を安置する」ことにあったと語っています。連合の結成自体、労働運動を改憲勢力に取り込むためのものでした。
 しかし、連合の改憲勢力への純化は、国鉄1047名解雇撤回闘争と自治労や日教組を中心とした現場労働者の闘いによって30年間、阻まれてきました。1047名解雇撤回闘争を支えてきたのも、自治労や日教組などの連合傘下の多数の現場組合員です。
 安倍や小池は、このままでは戦争も改憲もできないとあせり、追い詰められています。だから、幹部を屈服させて労働組合を丸ごと戦争・改憲賛成に取り込もうとあがいてきたのです。
 しかし、民進党の屈服をとおして連合全体を改憲勢力にするという小池のやり方は、完全に裏目に出ています。労働組合をなめきった小池の態度は、その極右としての正体を暴き、希望の党を急激に失速させました。戦争・改憲に対する労働者の根強い抵抗が、この情勢を生み出したのです。
 そのすきまを突いて出てきた立憲民主党の枝野幸男も、憲法9条に自衛隊保持を盛り込むことを真っ先に提唱した改憲論者です。
 連合は総選挙の中で四分五裂しながら、幹部たちは一層、戦争・改憲支持へかじを切ろうとしています。月100時間残業合法化を容認し、資本の手先になって労働者に過労死を強制しているのも連合幹部です。
 階級的労働運動の復権が今ほど求められている時はありません。動労千葉・動労水戸を先頭とする動労総連合は、国鉄分割・民営化と30年間闘いぬき、JR体制を覆すところに手をかけています。民営化に続きJR資本が仕掛けてきた業務の全面的な外注化に対して、JR本体と外注先の労働者が団結し、JR資本に立ち向かっています。
 10月13日にはJR東日本の2次下請けの交通機械サービス八潮事業所で動労東京の組合員がストライキに立ちました。資本と闘ってこそ、労働者の誇りは取り戻せます。連合幹部を打倒して闘う労働運動を再生させる道はここにあります。
 11月5日には米大統領のトランプが来日し、6日の安倍との会談で、北朝鮮に対する戦争に具体的にどう踏み切るのかを議論しようとしています。11・5労働者集会は日米韓の労働者が国際的な団結を固め、これと真正面から対決する闘いになりました。
 すべての労働者、特に幹部の裏切りに怒る連合傘下の労働者に、この集会にこぞって参加しようと訴えます。労働運動の力を取り戻し、新たな歴史を切り開きましょう。

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