知る・考える 用語解説 国家-階級支配と搾取のための道具

週刊『前進』02頁(2896号02面05)(2017/11/23)


知る・考える 用語解説
 国家-階級支配と搾取のための道具


 一階級が他階級を抑圧し支配する道具。現代の代議制民主主義国家も資本家が労働者階級を搾取する道具である。
 国家はいつの時代にも存在したわけではない。生産力の一定の発展段階で社会が搾取階級と被搾取階級に分裂し、住民の自主的な武装組織が不可能になったことで国家という特殊な公権力が生まれた。軍隊と警察、監獄は国家の主要な暴力装置である。国家は支配の維持のために官僚組織をつくり、住民から税金を強制的に徴収する。また住民を国境や国籍で分断・管理し、住民の武装を禁止し、抑圧を正当化し強固にする秩序をつくりだす。
 どこの国家も、その起源を神話とか超自然的なものという物語を作り上げている場合が多い。例えば「日本は、万世一系の天皇を中心とした国である」など。こうした学説はすべて虚偽である。支配階級が階級対立と国家の暴力性を押し隠し、社会的特権と搾取を正当化するために、虚偽・虚構の共同体をつくりだしているのである。
 被抑圧階級の解放は、支配階級がつくりだした国家権力機関を破壊することなしには不可能である。労働者階級は革命によって国家権力を掌握し、資本家階級を最後的に打倒・一掃し、社会的生産と分配を組織するためにプロレタリア独裁国家を建設する。それは「死滅しつつある国家」である。それをてこにして階級のない共産主義社会を実現すれば、国家もまた死滅していく。過去の遺物となる。
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