「日本版トマホーク」開発 改憲に先立ち自衛隊増強 朝鮮侵略戦争とめるのは今

発行日:

週刊『前進』04頁(2897号03面01)(2017/11/27)


「日本版トマホーク」開発
 改憲に先立ち自衛隊増強
 朝鮮侵略戦争とめるのは今

 11月20日、米トランプ政権は北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定すると発表した。安倍政権はトランプの戦争挑発を後押ししつつ、自衛隊を朝鮮戦争に参戦させることを想定し、本格的な侵略戦争部隊へと自衛隊を変貌(へんぼう)させようとしている。防衛省が明らかにした「日本版トマホーク」の開発計画、「日本版海兵隊」と位置づけられる陸自水陸機動団の創設はその最たるものだ。

「日本版海兵隊」も新設

 防衛省が2018年度から、地上の目標を攻撃できる対地巡航ミサイルの開発に踏み込む意向であることが報じられた。米軍の主力精密誘導兵器である巡航ミサイル「トマホーク」よりもステルス機能を高めた「日本版トマホーク」としての開発を検討中だという。航空自衛隊に配備予定の最新鋭ステルス戦闘機F35への対地ミサイル搭載も検討されている。敵のミサイルの「迎撃」を名目とした対空ミサイルとは異なり、地上目標を直接攻撃する対地ミサイルは敵基地攻撃能力に相当するものだ。
 また来年3月には、陸上自衛隊に約2100人の水陸機動団=「日本版海兵隊」が新設され、相浦駐屯地(長崎県佐世保市)に2個連隊が置かれる予定だ。防衛省は、この部隊を2020年代前半には沖縄の米海兵隊基地キャンプ・ハンセン(沖縄県金武町)にも配備するため、米側と調整に入った。戦場のような生活を強いられている沖縄の人びとをさらに踏みにじる、許しがたい暴挙だ。
 米海兵隊は一般に「殴り込み部隊」と称されるように、敵地への上陸・制圧を主任務とし、敵勢力や抵抗する住民を真っ先に殺りくする部隊として知られる。朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争など米軍のあらゆる侵略戦争で最前線の突撃部隊となり、現地住民への虐殺・略奪・暴行など数多くの蛮行(ばんこう)に手を染めた。沖縄などで発生する米軍犯罪も、海兵隊員による事件が突出して多い。陸自水陸機動団はこれをモデルとし、実際にカリフォルニア州などで米海兵隊と共同訓練を重ねてきた陸自隊員で構成される。
 こうした動きは、朝鮮戦争への自衛隊の参戦(朝鮮半島への上陸をも含む)を極めてリアルに想定したものだ。表向きは「離島防衛能力の強化」「中国海軍の動きをけん制するため」などと言われているが、それだけではない。50年朝鮮戦争では、米軍がソウル西方の仁川(インチョン)で大規模な上陸作戦を成功させたことで戦況が逆転し、北朝鮮軍は敗走した。今日も朝鮮半島での戦争を想定すれば、米軍・韓国軍とともに自衛隊が上陸作戦を展開し、敵兵や抵抗する人びとを皆殺しにするような激烈な地上戦を担うことが不可欠となるのだ。
 安倍は21日の参院本会議で「(憲法に自衛隊を明記しても)自衛隊の任務や権限に変化が生じることはない」と答弁したが、すでに自衛隊の任務も装備も訓練も現在進行形で急速に拡大されている。こうして実際に朝鮮戦争に参戦できる侵略軍隊へと様変わりした自衛隊を憲法で認めさせようというのが、安倍の改憲攻撃なのだ。

先制核攻撃を許すな!

 こうした安倍の動きは米トランプ政権の戦争策動と一体である。特に重大なことは、トランプ政権中枢が核による先制攻撃を公然と議論し始めたことだ。
 14日、米上院外交委員会は「核兵器を使用する大統領権限」について公聴会を開催した。同委員会が大統領権限を議論するのは1976年以来41年ぶりだ。
 「ドナルド・トランプのような人物に『核のボタン』を委ねていいのか」との書き出しで始まる11月28日付ニューズ・ウィーク日本版の記事によると、米戦略軍の元司令官ケーラーは公聴会で、「議会の承認なしに核による予防的先制攻撃を加える法的権限は大統領にもない」と発言。これに対し、「米国は今も法的には北朝鮮と戦争状態にある。この事実が先制攻撃の法的根拠となりうる」という元政府高官の発言や、「今は法律うんぬんの話はふさわしくない」という共和党委員からの核攻撃容認論が噴出した。
 18日には戦略軍司令官ハイテンが「大統領が核攻撃を命令しても違法であれば軍に従う義務はない」と発言した。これに対し〝北朝鮮に核で先制攻撃をしても問題はない〟という主張がトランプ周辺から噴出している。トランプ政権の国家安全保障担当大統領補佐官マクマスターも、「予防的な核攻撃」は選択肢の一つだと公言しているのだ。
 米帝は分裂を深めつつも核戦争への衝動を激しく募らせている。だが労働者が国境を越えて団結し、ゼネスト―革命に立ち上がれば、戦争を止めることは必ずできる。11月国際共同行動の大成功をさらに発展させ、トランプ・安倍打倒の大闘争を今こそ全世界で巻き起こそう!

------------------------------------------------------------
敵基地攻撃能力 外国の軍事拠点を直接攻撃するための装備能力のこと。地上爆撃能力を持つ攻撃機や爆撃機、それらを艦載する空母、巡航ミサイル、弾道ミサイルなどが相当する。自衛隊がこれらを保有することについては、国内およびアジア諸国からは常に反対と抗議の声があり、今日まで保有に至っていない。

このエントリーをはてなブックマークに追加