知る・考える 用語解説 搾取―労働者の生産物を資本家が奪う

週刊『前進』02頁(2910号02面05)(2018/01/25)


知る・考える 用語解説
 搾取―労働者の生産物を資本家が奪う


 労働者の肉体的生存を維持するための必要労働時間を、たとえば1日3時間とすると、10時間働く労働者が受け取る賃金は、この3時間の労働がつくる価値だけであり、残り7時間は資本家のために無償で働く剰余労働となる。その労働生産物(剰余価値)はすべて資本家が奪い取る。これが搾取である。
 資本主義の最大の運動原理は、剰余価値の搾取である。資本家階級はこれを利潤や利子、株の配当、地代などの形で山分けする。剰余労働を直接的生産者から搾り取る形態の違いが、奴隷制、農奴制、賃金労働制などを区別する。資本主義は搾取の度合いの強烈さ、貪欲(どんよく)さで従来の全生産体制をしのぐ。
 本来、剰余労働は、人間の生存に不可欠な必要労働部分を超えて、共同体が豊かに発展する富をつくり出す。ところが資本主義社会では、その富が資本家に独占されてしまう。一切の生産手段を奪われている労働者は、ゆとりをもつこともできず、自分の労働力を日々資本家に売って、資本家のもとで働く以外に生きられない。資本家は労働者の反撃を恐れ、労働者から奪いとった富を使って、軍隊、警察、官僚などの国家機構(階級支配の道具)を強化する。
 プロレタリア革命は、労働者の団結した力で資本家を打ち倒し、階級社会を廃絶する。これによって貧困・飢餓、戦争、差別・抑圧などを一掃し、すべての労働生産物を社会の豊かな発展のために使う共同社会をつくる。

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