知る・考える 用語解説 立憲主義―戦争反対の闘いねじ曲げ改憲を容認

週刊『前進』02頁(2912号02面04)(2018/02/01)


知る・考える 用語解説
 立憲主義―戦争反対の闘いねじ曲げ改憲を容認


 近代法治国家は必ず「最高法規」としての憲法を持ち、「憲法は国家権力を縛るものであり、国は憲法の範囲内で政治を行う」という立憲主義を建前としている。だが現実には、かつて大日本帝国憲法下で無法極まる戦争や治安弾圧が行われたように、憲法が自動的に国家権力を縛るのではなく、人々の権利を無条件に守るわけでもない。
 また、戦後憲法を改悪して「戦争する国」への転換を図ろうとする安倍政権に対し、「立憲主義を守れ」なるスローガンを対置することは、実際には戦争・改憲を容認することにしかならない。現に立憲主義を掲げる野党や自称「リベラル」派の言論人などは、「もはや現行憲法は時代遅れだ」「立憲主義を回復するためには憲法を変えることもありうる」などと主張し、労働者民衆の改憲絶対反対の闘いを改憲容認論へとねじ曲げようとしている。
 何より立憲主義の本質は、「立憲国家」という体裁をとったブルジョア国家に全人民を服従させ、プロレタリア革命を阻止することである。そもそも国家とは「階級対立の非和解性の産物」であり、軍隊・警察・監獄などによって「その時々の搾取階級が被搾取階級を暴力的に抑えつけておくための組織」「一階級が他の階級を抑圧するための機関」(レーニン『国家と革命』)である。この国家権力を実際に「縛る」力、そしてその支配を転覆する力は、労働者階級の団結と不屈・非妥協の闘争の中にのみある。
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