「自衛隊」明記は9条解体だ トランプ・安倍の朝鮮核戦争許さぬ 地方線廃止反対、1047名闘争の新展開へ 18春闘で大量解雇阻止・大幅賃上げを

週刊『前進』04頁(2913号01面01)(2018/02/05)


「自衛隊」明記は9条解体だ
 トランプ・安倍の朝鮮核戦争許さぬ
 地方線廃止反対、1047名闘争の新展開へ
 18春闘で大量解雇阻止・大幅賃上げを


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 米トランプ政権と日本の安倍政権が一体となって狙う朝鮮侵略戦争を絶対に阻止しよう。2〜3月は安倍政権による改憲、労働大改悪と大量解雇を打ち破る大決戦だ。「国鉄分割・民営化による不当解雇から31年 2・11国鉄集会」の大成功をかちとろう。国鉄闘争を基軸にすべての職場で春闘に立ち上がり、年度末大量解雇を許さず、大幅賃上げをかちとる大運動をつくりだそう。被曝と帰還の強制を絶対許さず、3・11反原発福島行動に全国から総決起しよう。2019年常磐線全線開通阻止の闘いをつくりだそう。戦争・改憲を阻止する大闘争を職場・地域からつくりだし、国際連帯の発展でトランプと安倍を打倒しよう!

兵士に死を強制する安倍

 安倍首相は1月30日の衆院予算委員会で、憲法9条1項、2項を維持したまま「自衛隊」を明記する方式で改憲をめざす考えを改めて示した。自衛隊の存在を書き込むことで9条を完全に解体し、「戦争する国」に大転換するものだ。
 安倍は3月25日の自民党大会で党の改憲案を確定させ、通常国会か秋の臨時国会で改憲発議に持ち込み、来年4月30日の天皇退位と5月1日の新天皇即位までに改憲国民投票をやることを狙っている。この2〜3月は改憲阻止の決戦だ。
 安倍は24日の衆院本会議で、「自衛隊員に『君たちは憲法違反かもしれないが何かあれば命を張ってくれ』と言うのは無責任だ。そうした議論が行われる余地をなくしていくことが私たちの世代の責任だ」と主張した。要するに安倍は、憲法9条を解体して自衛隊員を殺し殺される戦場に引きずり出し、安倍の命令のもとで「命を張って」戦うことを自衛隊員に強制しようとしているのだ。そして、それに反対する「議論の余地」すら一掃しようとしているのである。
 かつての戦争では膨大な数の青年が特攻や人間魚雷で自爆攻撃を強制され、国家によって命を奪われた。アジア・太平洋戦争の戦没者数は日本人全体で約310万人、軍人・軍属では約230万人とされるが、そのうち6割を超える約140万人がまともな補給もなく国家に見捨てられて餓死したといわれる。
 昭和天皇を頂点とする無責任な支配者どもが、日本帝国主義の延命と強盗的利益のための侵略戦争に労働者や農民を動員し、その命を虫けらのように扱い、無残な死を強制したのだ。
 それは今も何ら変わらない。労働者は資本の利益追求のために長時間・強労働で過労死・過労自殺に追い込まれている。福島県民は国策によって高い放射能汚染地域への帰還と被曝を強制され、「見えざる大量死」を強いられている。
 9条改憲とは、自衛隊員に「命を張れ!」と、再び国と資本家どもの強盗的利益の戦争のために死ぬことを強いるということだ。安倍は9条改憲と一体で大軍拡予算を組み、敵基地攻撃能力の保有や国産のミサイル開発、空母建造にも踏み切ることを表明した。原発再稼働を強行し、核武装まで狙っている。
 安倍は米帝トランプと一体化して「北朝鮮への最大限の圧力」を叫び、朝鮮侵略戦争への参戦を狙っている。ミサイル避難訓練で「国防意識」を労働者人民に植え付け、戦時体制を確立しようとしている。その一方で「明治維新150年」を叫んで明治以後の日本を美化し、戦前の大日本帝国の復活をもくろんでいるのだ。今こそ戦争絶対反対・改憲阻止の大運動を職場や地域から巻き起こし、改憲と朝鮮侵略戦争を絶対に阻止しよう!

改憲の先兵=連合打倒を

 安倍は戦争と改憲を実現するためにも、労働者の闘い、特に労働運動の絶滅と改憲勢力化を狙っている。通常国会を「働き方改革国会」と称し、「労働基準法制定以来70年ぶりの大改革」とうそぶいて「働き方改革」関連8法案を成立させようとしている。「過労死、過労自殺の悲劇を二度と繰り返さない」などと言いながら、労働基準法改悪で過労死ラインを越える月100時間残業も合法化しようとしているのだ。同時に「官製春闘」や有期雇用労働者の無期転換前大量解雇が狙われている。
 安倍は「生産性革命」「人づくり革命」などと称して、女性を資本の利益のために都合よく労働力として動員し、高齢者も死ぬまで働かせて年金をカット、青年労働者には低賃金の一生非正規雇用で絶望的な労働を強制しようとしている。戦後革命期の労働者の闘いでかちとった「資本への規制」「労働者の権利」「労働者の保護」などを最後的に解体し、労働者を資本の利益や戦争のために死ぬまで働かせる産業報国会・国民総動員の社会にしようとしているのだ。
 労働者を「労働地獄」にたたき込もうとしている安倍が、「3%賃上げを経済界に要請」などと労働者の味方のようなポーズをとっているのは許しがたい。安倍の狙いは春闘を解体し、労働者が団結して闘うことを圧殺することにある。そもそも3%の賃上げなどごくごく一部の大企業だけであり、その内実も定期昇給がほとんどでベースアップはゼロに近い。こんなペテン的な「官製春闘」の演出で連合をさらに抱き込み、連合に改憲の旗を振らせることを狙っているのだ。
 また、改定労働契約法により同じ企業で5年間働いた有期雇用労働者(非正規労働者)に4月1日から無期転換権が発生するが、これを回避するための雇い止め大攻撃が非正規職労働者に襲いかかっている。全国で労働相談が急増し、労働争議が闘われている。
 安倍の「働き方改革」の最大の先兵となっているのは、鉄道業務を全面的に外注化・分社化する「第3の分割・民営化」を推進するJR資本だ。1987年の国鉄分割・民営化から31年、JR資本と不屈に闘いぬいてきた国鉄闘争がいよいよ正念場を迎えている。
 2・11国鉄集会の大成功をかちとり、民営化・外注化粉砕、地方線廃止反対、1047名解雇撤回闘争の新展開へ進もう。

世界の労働者人民が決起

 安倍や資本家どもが戦争・改憲、労働大改悪・大量解雇に突き進んでいるのは、その強さの表れではまったくない。資本主義という体制が完全に行き詰まり、その大破綻に直面しているからだ。リーマン・ショックをはるかに超える世界金融大恐慌がいつ爆発してもおかしくない異常な株バブルが進行している。
 何よりも米トランプ政権が自国第一主義を掲げ、核による先制攻撃を含む国家安保戦略を打ち出し、核の恫喝で他の帝国主義や大国に貿易戦争をしかけている。その先にあるのは戦争によって資源・市場・勢力圏を奪い取る世界戦争だ。こうした中で、安倍は「戦後レジームからの脱却」を急いでいるのだ。
 だが、今や全世界で支配者どもを打ち倒す革命が始まった。パククネを打倒した韓国労働者人民の闘い、トランプ就任1年に際して全米250地域100万人を超える規模で爆発した反トランプの大デモ、全世界で激発するゼネストと大デモ。安倍を駆り立てているのは、こうした革命への恐怖である。今こそ、戦争に突き進む以外に延命の道がない帝国主義を打倒し、労働者が主人公の新しい社会をつくろう!
 一切は、資本と激突して職場から闘いをつくりだし、闘う労働組合を再生させていくことにかかっている。労働者が職場で団結して、資本の攻撃を打ち破る力を持つことが、社会を変える根本的な力だ。8時間働いたら人間らしく生活できる賃金をよこせ! すべての職場で大幅賃上げを要求して春闘に立とう! 無期転換前の雇い止め絶対阻止! 職場の仲間とともに雇い止めを粉砕しよう!

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国鉄1047名解雇撤回・JR採用へ! 戦争と改憲、労働法の解体を許すな! 民営化・外注化・雇用破壊と闘おう!
国鉄分割・民営化による不当解雇から31年
2・11国鉄集会
 2月11日(日)午後3時30分(開場3時)
 船橋市勤労市民センターホール
 主催/国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動

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